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マイナンバーカードから病歴確認、迅速な救急搬送の実現に向け実験

 消防庁は、救急現場において救急隊が搬送先医療機関の選定を行う際に、傷病者のマイナンバーカードを活用して、救急業務の迅速化や円滑化を図るための実証実験を実施する。

 救急活動の現場では、傷病者に関する情報を口頭で聞き取っているが、傷病者本人や家族も病歴などを覚えていないことも多いうえ、診察券やお薬手帳が複数存在し、探し出すまでに時間を要するという課題がある。

 そこで、健康保険証として利用できるようになったマイナンバーカードから読み取れる医療情報を救急業務に活用し、救急業務の迅速化を図る。顔認証付きカードリーダーなどを使用し、本人の同意の上で傷病者のマイナンバーカードから氏名や生年月日、住所のほか薬剤情報、特定健診等情報、透析・医療機関名(9月中に追加予定)などを取得。これにより、搬送先医療機関の選定などを円滑にし、より迅速な傷病者の搬送を目指す狙い。

 全国の消防本部に対して実証実験の公募を行い、応募があった15の消防本部のうち、6本部が実証に参加する。選定された本部は、管轄区域の規模やマイナンバーカードの普及状況、市長部局との連携協力体制、医療機関との連携体制などを考慮した結果という。

 実証実験の実施消防本部は以下の通り。

  • 消防本部名(管轄区域内の人口規模順)
    熊本市消防局
    姫路市消防局
    前橋市消防局
    都城市消防局
    彦根市消防本部
    加賀市消防本部

 実証実験を実施する救急隊の活動期間は、2022年10月上旬~12月下旬までを予定している。