5G SAを活用した手術支援ロボットの実証実験、KDDIなど3社

　KDDIとリバーフィールド、ソリトンシステムズは5G SAなどを活用した遠隔医療の実証実験を実施した。

　実証では、5G SA環境でMEC上の映像中継サーバーで映像信号を分岐し、手術支援ロボットを操作する様子を複数のモニターへ映像伝送。これによる遠隔指導を実施するとともに、5G SAとAWS Wavelength（MEC）を経由し、熟練医が手術支援ロボットを操作した。

　従来の有線ネットワークでは、執刀医とロボットの1対1の通信に限定されていたが、今回の技術では、執刀医のみならず別室や別の拠点にいる熟練医や研修医などへも実際の手術の様子を同時に配信することを可能にした。

　他サービスの影響を受けにくくなるネットワークスライシングも活用し、安定した通信環境を構築。有線接続と同程度の遅延を実現しており、今後5G SAのエリア拡大とともに場所にとらわれない医療の指導が可能になるという。

　医療現場では、超高齢化社会に伴う医師不足が課題とされており、特に熟練した外科医が都市部に集まっていることが、地方の外科医の育成を難しくしている。そうした中、今回のロボットを活用した遠隔操作が、地方の外科医育成の手段として期待されているという。

　3社は今後、無線ネットワーク利用時の技術的課題を洗い出し、医療DXにつなげていくとしている。