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近畿大学とNTTグループ、遠隔医療と近大マグロなどで5GやICTを活用する実証実験を実施

 近畿大学とNTT(持株)、NTTドコモ、NTT西日本、NTTデータは、5GとICT技術を活用したスマートシティの想像や教育、研究や地域社会の発展に関する連携協定を、24日締結した。

近畿大学 学長の細井 美彦氏(右上)と
NTT 代表取締役副社長 副社長執行役員の澁谷 直樹氏(左上)と
NTTドコモ 常務執行役員 法人ビジネス本部長の坪内 恒治氏(左下)と
NTT西日本 代表取締役副社長 ビジネス営業本部長の上原 一郎氏(中央下)と
NTTデータ 執行役員 社会基盤ソリューション事業本部長の福西 克文氏(右下)

 同協定では、近畿大学の6つのキャンパス内での5G通信サービスの提供やWi-Fi環境整備のほか、5GやIoTを活用した研究や教育の実施、5Gを活用した高精細画像のリアルタイム送受信によるへき地での遠隔医療支援、完全養殖マグロの状態を水中ドローンで監視するなどの実証実験を行う。

協定締結の背景

近畿大学 学長 細井 美彦氏

 近畿大学 学長の細井 美彦氏によると、近畿大学ではこれまでもスマートキャンパス実現に向けて、ネット出願や学生証にVISAプリペイド機能の導入、学内のキャッシュレス化を推進するなどの取り組みを行ってきたという。

 また、コロナ禍においてリモート教育など「大学のキャンパス」という概念が大きく変わると感じており、近畿大学の各キャンパスを「仮想の都市空間」として、実証実験のフィールドとして提供するという。

 近畿大学では、学生と教職員数が約2万6000人の東大阪キャンパスを始め、6つのキャンパスを保有している。これらのキャンパスでは、大学の授業がある平日昼間に比べ、夜間や休日は人が少ないという。

NTT 代表取締役副社長 澁谷 直樹氏

 NTT 代表取締役副社長 副社長執行役員の澁谷 直樹氏によると、同協定のきっかけとなったのは、ドコモがオープンパートナープログラムで近畿大学に声をかけたことだという。

 その際、ドコモだけでなくNTTグループ全体で近畿大学の研究に対して取り組むことになったという。特に、遠隔医療支援や近大マグロなど、これからの発展が期待されている分野に加え、昨今のコロナ禍におけるリモート教育やオンライン教育など、新しいテーマにも取り組めることとなり、グループ全体での協定につながったという。

具体的な取り組み

キャンパス内での授業・研究支援

 キャンパス内を5G通信やWi-Fiサービスを提供し、屋内外問わず高速通信をシームレスに使用できる環境整備を支援する。東大阪キャンパスでは2021年度の早い時期、ほかのキャンパスでも順次展開する。

 また授業時は、これまでの紙媒体による資料以外のVRや動画を活用したコンテンツによる授業を実施する。

 このほか、多人数同時接続となるオンデマンド授業視聴基盤の構築や、学内システム基盤構築の支援などを行う。

5Gを活用した遠隔医療支援

 「近畿大学病院」と「くしもと町立病院」を、5Gを活用してつなぎ、CTやエコー画像などを伝送する。また、高精細映像をリアルタイムで伝送することで、大学病院の専門医が、遠隔地の医師をサポートする実験を実施する。

近大マグロを水中ドローンで監視

 近大マグロのいけす内に水中ドローンを設置し、陸上から遠隔操作で監視する。映像伝送には5G通信を活用し、高精細映像により、マグロの状態監視と環境データを収集する。

 なお、今後はキャンパスを活用したスマートモビリティやドローンビジネスの促進や、キャンパスの周辺企業や地域社会と連携したオープンイノベーションの推進などを図る。