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0円廃止/特典アップを選んだ楽天、決算会見の質疑で三木谷氏が語ったこと
2022年5月14日 01:25
楽天グループは13日、2022年度第1四半期決算を発表した。
本稿では、決算発表後の質疑応答の一部をお届けする。なお、モバイル関連の質疑を抜き出し、話題ごとに質問をまとめ、編集した。
質疑応答には、代表取締役会長兼社長 最高執行役員の三木谷浩史氏や、専務執行役員で楽天モバイル 代表取締役社長の矢澤俊介氏らが登壇した。
決算時のプレゼンテーション資料については、本稿の末尾に掲載するかたちでご紹介する。
――楽天モバイルの新料金プランについて、このタイミングで始める理由をあらためて聞きたい。
三木谷氏
無制限でハイスピードで使えるネットワークのカバー率が全国で97%になってきたということで、サービスレベルが上がっている。
それから、今回は0円廃止が結構フィーチャーされてしまっているが、実際にはポイントが大幅に上がったり、サービスが追加されたりということで、我々としてはちょうどイコールくらいなのかなと思っている。
具体的な金額は言えないが、収益貢献については大きいということで考えていただければ。
もともと1年無料から始まって3カ月無料になり、そして今回のプランを発表した。短期的には多少のインパクトはあるが、いいサービスを提供していれば、適切な価格で提供していくのは妥当な話。ユーザーの方にもご理解いただいて、そんなにスローダウンしないのではと思っている。
未来永劫0円というわけにはいかないので、どこかの段階で判断をしなければならない。そういった意味では、カバー率が上がってきたのはひとつの大きなタイミング。
――1GB以下のユーザーは、業界データを見ているとユーザーの3割ぐらいいるように感じる。御社でもそういった割合なのか。
三木谷氏
消費者のデータについてはお話させていただいていないので、回答は差し控える。
――0円のユーザーがいなくなって、熱量のあるユーザーがとどまる。ビジネスとしての質を上げるというように、少し経営のギアが変わってきたと考えるべきなのか、そのあたりはどうなのか。
三木谷氏
ぶっちゃけそういうこと。まあ、お金を0円でずっと使われても困っちゃう、というのがぶっちゃけな話かな。すごく正直に言って。
――モバイルの赤字がピークだと説明されていたが、具体的な見通しは開示されていない。赤字のピークという根拠について教えてほしい。
三木谷氏
基本的には、課金ユーザーが増えていって、ローミング費用が大幅に減っていくということかなと思う。
2年という非常に短いタイミングで立ち上げたサービスで、他社に比べるとコストは相当ある。ただ、もっと安くできるところがいっぱいあるだろうなとは思っているので、赤字のピークの反転は確定ということでいいと思う。
ローミングだけの人を考えていくと、正直に言って大変大きな赤字。その人たちの赤字が全体的な収益を引っ張ってきた。それで「なにくそ」と思って自分たちで必死にやってきたところがある。
5G時代には、100GB~200GBといった大容量を使うユーザーが1000万人というのは、簡単に実現できると思う。データの通信量が増えれば収益も増える。
――通信の今後の見通しについて、ローミング費用がどのように動いていくと考えているか。
矢澤氏
ローミング費用については、今年10月ならびに来年4月のタイミングで、おそらく2回とも大規模のローミングカットをさせていただくことになると思う。
基地局の建設も順調に進んでいて、今まで少し歯抜けがあるようなかたちでローミングオフさせていただいていたが、だいぶジグソーパズルがつながってきているので、今回はかなり大きな規模でローミングカットさせていただけるのではと思っている。
KDDIとの関係もあるので詳細はお伝えできないが、業績のほうにはいいインパクトが出てくるのではと思う。
――(楽天モバイルの)MVNOのサービスについて教えてほしい。サービスを停止する予定はあるのか。
矢澤氏
MVNOというのは、ドコモから回線をお借りしているものになる。すでに新規申込は停止させていただいているが、サービス自体を停止するかどうかという決定はまだ何も行っていない。
もしそういうことがあった場合、丁寧にご説明しなければいけないと思っているが、現時点では何も決まっていない。
――MVNOのユーザーたちをMNOへ移行させるためには、何をすればいいと考えているのか。最終的には完全にサービスをやめるしかないのか。
三木谷氏
正直言って、世の中には「(移行は)面倒くさい」っていう人がいる。あとは、人口カバー率99%のなかに入らないお客さんもいらっしゃる。
MVNOのユーザーも徐々に減ってはきているので、自然減というのは続いていくと思っている。利益も売上もあるので、特段やめることはないのかなという感じ。
――ポイントについて、他社ではPayPayがポイントの外販をするという話があった。脅威と感じているのか、そのあたりの考えを教えてほしい。
三木谷氏
他社のことについては、あまりコメントする立場にない。
他社の施策が伸びるか伸びないかについては、我々がコントロールできる範囲ではないが、少なくとも今、既存のなかでは非常にいい立ち位置にいるのではないかと思っている。効率的にフェアにポイントバックを行っていきたい。
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