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シャオミ「11T Pro」などフラッグシップモデルを日本展開――高品質な端末を低価格で提供

 シャオミ(Xiaomi)は21日に「フラッグシップ新製品発表」と題し、「Xiaomi 11T/11T Pro」と「Xiaomi Pad 5」やオーディオ製品「Redmi Buds 3 Pro」、「Mi Smart Speaker」を発表した。

 発表に先駆け、同社東アジア担当ゼネラルマネージャーのスティーブン・ワン氏が本誌を含めたラウンドテーブルに応え、今回発表の端末について説明した。

シャオミ東アジア担当ゼネラルマネージャーのスティーブン・ワン氏

高品質を低価格で

 「今回発表される機種は、スマートフォンだけでなくすべての製品がフラッグシップ」とアピールするワン氏は、日本にフラッグシップモデルを投入するにあたり、日本の製品の多様性や世界中の製品が日本市場に投入されているため、「シャオミのフラッグシップ」をどの位置におくのか、どう差別化を図るのか、またどうすれば消費者に価値を提供できるのかを考える必要があったと説明。

 また、シャオミのバリューとして「最善、最新の技術を提供できること」と「高品質な製品を低価格で提供できること」を挙げ、今回のフラッグシップモデルを投入したという。

「Xiaomi 11T」と「Xiaomi 11T Pro」

カラーラインアップ

 シャオミの「Xiaomi 11T」と「Xiaomi 11T Pro」は、5G対応スマートフォンで、6.67インチもAMOLEDディスプレイを搭載している。ディスプレイは、最大120Hz駆動と480Hzのタッチサンプリングレートをサポートする。

 アウトカメラは、1億800万画素のメインカメラと800万画素の超広角カメラ、マクロカメラの3眼構成。望遠カメラを非搭載とした理由についてワン氏は「1億800万画素のメインカメラで十分にズームしてトリミングできる」とし、望遠カメラではなくマクロカメラを搭載したという。

 チップセットは、「Xiaomi 11T」が「MediaTek Dimensity 1200-Ultra」、「Xiaomi 11T Pro」が「Qualcomm Snapdragon 888 5G」を搭載。

 11T Proでは8K録画とHDR10+に対応した録画と再生ができる。また、11T Proでは、「harman/kardon」監修のデュアルスピーカーを搭載しており、ドルビーアトモスをサポートしている。

 このほか11T ProでのみFeliCaをサポートし、おサイフケータイが利用できる。「フラッグシップのデバイスで、フラッグシップのユーザーエクスペリエンスを提供したい。11T Proの購入ユーザーは、基本的に最新のテクノロジーを求めるユーザーが多いということで、『FeliCa』や『120W充電』(後述)などを搭載した。11Tと11T Proの価格差は、これらの付加価値に対してついているもの」(ワン氏)と説明する。

120Wの急速充電、安全性は?

 「Xiaomi 11T Pro」では、5000mAhのバッテリーを備えており、シャオミ独自の技術で最大120Wの急速充電に対応する。急速充電により、満充電まで最速17分で完了するという。

 また、10分の充電時間で、「通話11時間」「ビデオ再生7時間」「ナビゲーション5時間」「1080pビデオ録画2時間」ができると謳う。

 パッケージには、120W出力対応のアダプターを同梱しており、「Xiaomi 11T Pro」やノートパソコン、タブレットなどの充電も同梱のアダプター1つで利用できるとしている。

 一方で、ワン氏は急速充電に関して「発熱が心配」「バッテリーの低寿命化」「安全性」など心配の声がユーザーから出ていると指摘。

 「Xiaomi 11T Pro」では、本体とバッテリーであわせて34項目の保護機能を備えるほか、本体の9カ所に熱センサーを配置しリアルタイムで本体の温度をコントロールするという。

 また、バッテリーの寿命については、800サイクルでバッテリー容量の80%を保持できるとしている。

 ワン氏はさらに「120W充電は、PD規格とは異なりシャオミのデバイス用に設計された規格で、安全性を最大化するように設計されている。日本やグローバルでの認証も通過しており大変安全性の高いもの」と説明。

 独自規格を備える意義として、「充電の業界標準が長い間停滞している。我々は、各国の機関が定める安全性に関する規格や政府が定めたものに従いつつ、新しい充電技術を開発した。スマートフォンの性能も、たとえば10年前の端末よりもカメラやプロセッサー、デザインなどが改善してきたが、充電、バッテリー性能だけ停滞してきた。『Xiaomi 11T Pro』では、10分の充電で1日過ごせるだけの充電ができるということで、ユーザーエクスペリエンスが大きく変わると考えている」とコメントし、今後も規制に沿ったかたちで急速充電性能の向上を進めていく姿勢を示した。

重量感について「良いバランス」

 カメラ性能や大容量バッテリーを搭載した端末では、端末の重さを気にするユーザーもいる。

 ワン氏によると、「高性能と重さは相反する関係」とし高性能なデバイスではどうしても重くなってしまうことについて「パワフルなデバイス、大容量のバッテリー、画面や本体の素材などにこだわれば、それだけ本体が重くなってしまう、でもプレミアムなものになる」とコメント。

 一方で、「Xiaomi 11T Pro」の重さは204gとし、この重さについて「大変よいバランス」と説明。「プレミアムな材料と大きい容量のバッテリーを搭載しながら、重さ204gは、ユーザーエクスペリエンスもよく良いバランス」とワン氏の重量感をコメントした。

販路はSIMフリー

 「Xiaomi 11T/11T Pro」について、SIMフリー端末として発売され、キャリアからの発売予定はない。

 この理由をワン氏は「SIMフリー市場に、魅力的なフラッグシップモデルがないと思い、我々はそこに今回のフラッグシップモデルを投入した」と説明する。

 なお、「Xiaomi 11T/11T Pro」は日本の4キャリア(NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル)で利用できる。eSIMは対応しない。

価格は先行予約で4万9800円~

 「Xiaomi 11T」は8GB+128GBモデルを用意し、価格は5万4800円。

 「Xiaomi 11T Pro」は、8GB+128GBモデルが6万9800円、8GB+256GBモデルが7万9800円。

 なお、両機種全モデルで事前予約特典を提供しており、対象店舗で事前予約すると、台数限定で本体価格から5000円割引される。

  • Xiaomi 11T
    8GB+128GBモデル:5万4800円、早期予約特典で4万9800円
  • Xiaomi 11T Pro
    8GB+128GBモデル:6万9800円、早期予約特典で6万4800円
    8GB+256GBモデル:7万9800円、早期予約特典で7万4800円
Xiaomi 11T
Xiaomi 11T Pro

 いずれの機種も、3回のAndroid OSアップデートとセキュリティパッチを4年間提供するとしている。

Xiaomi Pad 5はフラッグシップモデルを低価格で

 「Xiaomi Pad 5」は、11インチの液晶ディスプレイを搭載したAndroidタブレットで、最大120Hz駆動に対応する。

 チップセットは「Qualcomm Snapdragon 860」、8720mAhの大容量バッテリーやドルビーアトモスをサポートした4つのスピーカーを搭載する。カメラはリアカメラが13MP、フロントカメラが8MPを備える。

 メモリーとストレージは、6GB+128GBモデルと6GB+256GBモデルをラインアップし、価格はそれぞれ4万3780円と5万4780円。

 また、専用のスタイラスペン「Xiaomi Smart Pen」も発売する。価格は1万1800円。

 重さは12.2gで4096段階の筆圧検知、ワイヤレス充電対応で18分間で満充電できる。

 タブレット本体について競合他機種より価格が抑えられている一方で、スタイラスペンについて価格差が小さいように見える。ワン氏は「研究開発コストと製造コストが反映されたもの。今回スタイラスペンは新しい製品となるができる限りベストな価格で提供している」と説明。「Xiaomi Smart Pen」の製造コストは「実際のところ、とても高い」(ワン氏)とコメントしている。