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「キャリア端末をMVNOで」イオンモバイルの今秋以降の新料金/サービスを発表

 イオンリテールは、MVNOサービス「イオンモバイル」に関して12日、今秋以降に開始する新料金、新サービス発表会をオンラインで実施した。「音声SIMの一律220円値下げ」「音声通話料金一律30秒11円」「かけ放題プランの新設」「端末販売方法」などについて、同社住居余暇本部イオンモバイルユニット イオンモバイル商品マネージャーの井原 龍二氏が説明した。

住居余暇本部イオンモバイルユニット イオンモバイル商品マネージャーの井原 龍二氏

音声SIMの一律値下げ

 10月1日に「音声プラン」と「音声シェアプラン」の月額料金を、一律220円値下げする。音声シェアプランのSIMカード追加料金についても、これまでの440円を220円に値下げして提供する。

 新規ユーザーだけでなく、既存ユーザーも改定と同時に同じ料金で提供する。井原氏は、「(我々は)小売業なので、価格の考え方は一物一価。同じものであれば同じ価格という考え方をしている。当然、既存のユーザーも含めて全員一律値下げとなるので、既往契約者の問題は一切発生しない。今後もこの考え方で料金を提供する」とコメント。

 なお、この料金改定にはMNOとMVNE(仮想移動体サービス提供者、MVNOを支援する事業者)間の提供形態の変更によるコスト減少分を、ユーザーが実際に支払う価格に反映させたものとしている。

 4月の改定から半年程度で値下げに踏み切った背景について井原氏は「音声接続サービスの実現を待っていた。シェアSIMが220円で追加できることは、インパクトが大きいと思う。家族割を組んでいるユーザーにも、インパクトある料金で提供できると思う」という。

4月~現在までの状況

国内通話料金も半額に

 また、この提供形態の見直しではNTTドコモ回線で10月以降に「音声接続サービス」が提供される。「音声接続サービス」では、いわゆるプレフィックス番号の自動付与ができるようになり、これに合わせて、10月1日以降利用分から国内通話料金をこれまでの半額となる30秒あたり11円に改定する。

 これらの値下げの結果、イオンモバイルの試算では「家族4人で12GBのシェア音声プラン」を契約している場合、3月まで月額6468円だったものが、10月以降3168円となり1人あたり3GB/792円で利用できるとしている。

 なお、「音声接続サービス」については現状ドコモ回線のみ提供されるため、au(KDDI)回線ではこれまで同様の「音声卸」の形態となる。

 イオンリテールとしてはau回線についてコストの減少とはならないが、井原氏「ドコモ回線でもau回線でも、基本料金は変わらない。(後述の)かけ放題オプションを適用した通話は(au回線の都合もあり)、アプリからかけていただかないといけない。そこは申し訳ないという思いがある」とコメントした。

新「かけ放題プラン」

 また、11月中旬以降に「イオンでんわ」を利用した無制限のかけ放題プラン「フルかけ放題」を提供する。価格は、月額1650円。

 井原氏は、「無制限かけ放題にそこまでシェアはないと思うが、『音声接続サービス』のスタートもあり、ラインアップを増やした」とし、ほとんど通話しないユーザーから長電話しがちなユーザーまで取り込めるオプションの選択肢の一つとして提供するとした。

 なお、「ずっと繋ぎっぱなしのユーザーがいると、サービスが成り立たない」(井原氏)理由で、1回の通話で120分以上の通話については一旦切断されるという。

キャリア端末をイオンモバイルで

 法改正や総務省のアクションプランにより、MNOの端末販売環境が大きく変化している。

 これを踏まえ、MNOの新品の端末をイオンモバイル店頭で購入し、イオンモバイルのSIMで契約できるサービスを提供する。いわゆる、MNOから端末のみ購入し、イオンモバイルに持ち込んで契約することを、同じ店舗内で行えるようになる。

 これにより、これまでのSIMフリー端末以外のiPhoneやGalaxyといったMNOの端末をユーザーに提供できるようになるという。

 なお、MNOの代理店としての顔もあるイオンモバイル店頭で「そんなことをしてMNOから注意されないか?」と心配する声に井原氏は「現状で注意を受けるというのはおかしいことになると思う。現在でも実際に『キャリアの端末のみ』購入するユーザーも多い。10月以降の端末には原則SIMロックがかけられないことになっているので、買いやすくなると思う」とコメント。

 また、キャリア端末のいわゆる「バンド制限」については「これまでSIMフリー端末でしか動作確認を実施してこなかったので、今後キャリア端末を含めた動作確認を実施し、ユーザーに案内していく」(井原氏)方針を示した。

 キャリア端末の販売については、特に広告を打ってやるつもりはないといい「あくまで端末の選択肢の拡充」とし、「難しいとは思うが許可が出ればオンラインでも販売したい」としながらも当面は店頭でのみ取り扱われる。

法人向けプラン

 これまで個人向けのプランが中心だったが、今回低速・低容量の法人専用IoTプランを立ち上げる。提供は10月1日~。

 1回線から申し込め、最低利用期間や解約金も不要な料金プランで「商談して契約するというよりかは、店舗に立ち寄って頂いて気軽に契約いただける」(井原氏)料金プランとなる。

 プランは100MB/月385円と500MB/月440円のプランで、容量超過後の通信速度上限は上り下りともに20kbps。また、通信速度上限200kbpsで容量無制限のプラン(月額462円)もラインアップする。

 発表会ではこのほか、シャープ製のAndroidスマートフォン「AQUOS sense4」を専用ガイドブックとセットで9月1日に発売する(価格は3万8280円)ことが発表された。

 今後も、通信業界の構造変化によるコスト減については、ユーザーに還元していくという井原氏は「今回は、特にファミリー層ユーザーに更にお得に利用できるプランが発表できた。今後も通信コストの削減ニーズが高まると思う。スマホは生活必需品になっており、安いだけでなく安心して使えることは重要」とコメント。今後も品質向上や「ユーザー自身が最適なプラン/サービスを利用できる」よう取り組んでいくとしている。

【追記 2021/08/12 17:23】
各サービスの提供開始日を追記しました。
新料金プラン/通話料金/法人向けプラン:10月1日~
かけ放題オプション:11月中旬~