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楽天が独1&1社の完全仮想化ネットワーク構築支援、約10年契約で

 楽天グループは、独1&1社と携帯電話ネットワークの構築に関する長期的なパートナーシップを締結することで合意した。

1&1社とは

 1&1社は、携帯電話サービスや固定電話サービスを手掛けるドイツの通信企業。同社Webサイトの沿革によれば、1988年に創業し、ドイツ国内で固定通信サービスを展開した同社は、1998年にはフランクフルト証券取引所へ、最初に上場したインターネット企業となった。

 2010年には、ボーダフォンとドイツにおける最初のMVNO契約を締結し、携帯電話サービスをスタート。2019年にはドイツの5G周波数オークションに参加。楽天によれば、その後、1&1社自身のモバイルネットワークの構築が始まっており、今年5月にはスペインのテレフォニカとドイツ国内におけるローミング契約を締結していた。

受注額は非開示、楽天モバイルとは別設備に

 今回のパートナーシップは、2030年ごろまで。受注額は非開示。

 楽天の「Rakuten Communications Platform」(RCP)が包括的に採用されたとのことで、特定のベンダーに依らず、完全仮想化モバイルネットワークおよびO-RAN(オープンな無線通信設備の規格)による携帯電話ネットワークを構築できるようにする。マルチベンダー(複数の通信設備メーカー)での構築となるが、どのベンダー(設備メーカー)を採用するかは、1&1側が最終的に決める。

 楽天は、1&1の既存ネットワークの構築を引き継ぐ。コアネットワークは、4つの中欧データセンターの設置が計画されているとのことで、ドイツ国内にある数百の分散型データセンターと繋がり、そこへさらに数千の基地局が光ファイバーでつながる。データセンターと光ファイバーは1&1の姉妹会社という1&1 ヴェルサテルが提供する。日本の携帯電話事業である楽天モバイルのコアネットワークとは別の設備での運用となる。なお、ドイツ国内における基地局の設置については、楽天側は担当しない。

「Rakuten Symphony」

 あわせて楽天グループでは、通信プラットフォーム事業や関連の子会社を集約する新部門「楽天シンフォニー」(Rakuten Symphony)を設立すると発表した。

 4日に買収が発表されたアルテオスター社、RCP事業などが集約され、グローバルで通信ソリューションを展開する。

 楽天モバイルは、日本における携帯電話サービスの事業会社となる。