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KDDI総合研究所、異なる無線システムの信号をリアルタイムで除去する干渉除去技術を開発

 KDDI総合研究所は、5Gのシステムと、5Gなどの移動通信システムとは異なる無線システムが、近い場所で同じ周波数帯を使用してサービスを提供した場合でも、リアルタイムで干渉を除去し、5G通信を可能とする干渉除去技術を世界で初めて開発した。また、屋外での実証実験を通じてその有効性を確認したと発表した。

 これまでは、複数の無線システムが同じ周波数帯を利用するにあたって、お互いの通信に対して生じるシステム間干渉を抑えるために、利用する時間をずらすか、それぞれのシステムがカバーするエリアを離す必要があった。

 今回新たに開発した干渉除去技術は、5G受信信号に異なる無線システムからの信号が干渉として混信している受信信号から、異なる無線システムのレプリカ信号を差し引くことで、干渉信号に埋もれていた5Gの本来の信号を際立たせ、受信品質を改善する。

 また、実証実験では、開発した干渉除去技術を実装した5G受信機を試作し、屋外で5GHz帯を使用して実施。KDDI総合研究所は、「通常では干渉により波形が乱れ、全く5Gの受信が行えないような異なる無線システムからの干渉が強い状況において、誤りなく信号を受信することに成功した」としている。

 KDDI総合研究所では、今回の技術により、干渉が強い場所で5G受信性能を大幅に向上することが可能になったため、今後は同一周波数帯を複数システムで共用する際の5Gサービスエリアの拡大を目指している。