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安倍総理「19日から接触確認アプリ」、新型コロナ対策で利用呼び掛け

 「明日(19日)からは接触確認アプリを導入し、クラスター対策をもう一段強化していきます」――安倍晋三総理大臣は18日夕刻、記者会見を行った。その中で、新型コロナウイルス感染症の対策として、スマートフォン向けの接触確認アプリの利用を呼び掛けた。

 安倍総理は、「陽性者と濃厚接触した可能性がある場合、このアプリを用いることで、皆さんのスマートフォンへ自動的に通知が送られます。そして速やかな検査に繋がるシステムとなっています。個人情報はまったく取得しない、安心して使えるアプリですので、どうか多くの皆さんにこのアプリをダウンロードしていただきたいと思います」と語り、利用を呼び掛けた。

 総理は、オックスフォード大学の研究成果として、人口の6割近くにアプリが普及し、濃厚接触者の早期の隔離に繋げることができれば、ロックダウンを避けることが可能となる、と説明。

 「私たちはしっかりと発想を変えなければなりません。社会経済活動を犠牲にするこれまでのやり方は長続きしません。できる限り、制限的でない手法で、感染リスクをコントロールしながらしっかりと経済を回していく。私たちの仕事や暮らしを守ることに、もっと軸足を置いた取り組みが必要です。だからこそ我が国が誇るクラスター対策に磨きをかけていく。さまざまな専門家の協力を得て、最新の知見、最新の技術を常に取り入れながら、絶えず進化させていく考えです」と述べ、集団感染(クラスター)を早い段階で見つけ、対策していく姿勢をあらためて紹介した。

 6月19日からは都道府県境を越える移動が自由になる。プロスポーツの開幕にも触れた安倍総理は、外出自粛で落ち込んだ社会経済活動を少しずつ取り戻す必要がある、と指摘。海外との往来が滞っている現状は、日本にとって致命的と述べ、入出国時の対策徹底で、段階的に海外との往来、行動制限を解除していく方針を示した。

接触確認アプリの仕組み

 厚生労働省から19日に公開される予定の「接触確認アプリ」は、個人情報や位置情報は取得しない。

 半径1m以内に15分以上、近くにいる人とのスマートフォンとBluetooth経由で情報(一時的に発行される匿名化したデータ)を交換。記録から14日経つと消去される。

 ユーザーは医療機関で新型コロナウイルス感染症の陽性を診断されれば、処理番号もあわせて通知される。この番号を添えて接触確認アプリから「陽性だった」と申告する。その後、通知サーバーから、陽性報告があった人の近くにいた別のユーザーのスマートフォンへ、1日1回、通知が送られる。

 アプリをインストールするかどうか、アプリを入れた後も報告するかどうかは、ユーザーが決める。仮にいったん入れた後でも、アプリを削除して、記録を消すこともできる。

 開発にあたっては、菅義偉官房長官の会見で、厚生労働省がパーソルプロセス&テクノロジーに対して、工程管理を発注。そして日本マイクロソフトを含む2社へ再委託され、日本マイクロソフトの関係者だけではなく民間の開発者が参加するオープンソースコミュニティがアプリ開発を担ったことが明らかにされている。スマートフォン同士が情報を交換する仕組みは、グーグルとアップルが共同開発したAPIを用いている。