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「Android 11」、最初のベータ版が登場
2020年6月11日 03:17
グーグルは、次期バージョンである「Android 11」最初のベータ版の提供を開始した。
同社ではこれまでデベロッパープレビューとしてAndroid 11を開発者向けに公開しており、商用版に向けた大きな一歩となるベータ版を当初、6月3日に発表する予定だった。
製品管理担当ディレクターのステファニー・カスバートソン(Stephanie Cuthbertson)氏によるブログエントリーでは、「人々が米国の人種的正義に関する重要な議論に集中できるようにするために、バーチャルローンチイベントをキャンセルした」と説明。米国ミネアポリスで発生した白人警察官による黒人男性殺害事件の状況を踏まえ、イベント形式は取りやめたことを明らかにしている。
コミュニケーション、コントロール、プライバシー
Android 11の重要なテーマとして紹介されているのは「People」「Control」「Privacy」の3つだ。
コミュニケーションアプリの利便性アップ
Peopleはコミュニケーションに焦点を当てるもの。ユーザーにとって最も重要な人を認識して、優先順位を付けられるOSを目指した。
たとえば何らかのメッセージングアプリでの通知は、上部セクションに表示され、会話をバブル(円状で他のアプリを使ってる間も、その上で動かせるアイコン)として開いたり、ホーム画面に会話のショートカットを作成したりできるなど、コミュニケーション関連の機能が強化される。
メッセージングアプリやチャットアプリがそれらの機能を活用するには、Bubbles APIを用いる必要あがる。
スマートデバイスとの連携強化
Controlは、スマートフォンと他のデバイスの制御に関するもの。ひとつのスペースでスマートデバイスのすぐ制御できることをうたう。電源ボタンを押すと、照明、サーモスタット、カメラ、などをコントロールできる画面に切り替わり、電源のON/OFF、明るさ調節などのスライド操作などができるようになる。
オーディオ関連機器の操作もでき、ヘッドフォン、スピーカー、テレビなどの出力切り替えができる。
プライバシー面の強化
プライバシーでは、新たに「ワンタイムパーミッション(1回だけの許可)」という考えが導入される。
Android 10では、GPSやカメラ、マイクといったハードウェアの機能をアプリが用いる場合、「常に許諾する」「アプリを使っているときだけ許諾する」といった選択肢が用意されていた。Android 11では「1回だけ許諾する」という仕組みが取り入れられ、次回、アプリを使うときに再び許諾するかどうか尋ねる、といった形を実現した。
また、いったん許諾を与えた場合でも、長い間、アプリを使っていない場合には自動的に許諾をリセット。久しぶりに使うときには、あらためて許諾を与えるか確認するようになる。