ニュース

MVNO向けの接続料が将来原価方式に、総務省が新ガイドライン

 総務省は27日、「MVNOに係る電気通信事業法及び電波法の適用関係に関するガイドライン」を改定し、運用を開始した。

 改定では、大手携帯各社(MNO)がMVNO向けに設定する接続料の算定方式が、これまでの実績原価方式から、将来原価方式へ変更された。

 実績原価方式では、当年度の接続料が最終的に決まるのはその2年後。MVNOにとっては、いくらになるか大きな手がかりがないまま予想することになり、その予想が外れてしまうと想定外の出費を強いられることになる。

 一方、将来原価方式では、MNO側が合理的な予測に基づいて当年度の接続料を算定して、MVNOへ提示する。とはいえ、その翌年度に差分があれば調整することになる。MVNOから多くもらい過ぎたり、逆に支払いが少なすぎたりすることはない。

NTTドコモのコメント

 ガイドラインは2020年度からの導入が想定されている。MVNOへ回線を多く提供するNTTドコモは「これまでも適正に対応しており、今後も適切に対応していく所存です」とコメント。

 ただし、2020年度は、制度が切り替わる年になるため、ドコモの接続料収入は少なくなる可能性がある。その場合も翌2021年度に調整され、帳尻が合う格好だ。

MVNO側のコメント

 総務省の接続料算定に関する研究会での議論に、MVNO委員会として参加してきたIIJでは「MVNOへのコスト的な影響については、まったく分からない」とコメント。MNOが適正な接続料を算定するよう希望するとしている。

 またOCN モバイル ONEを提供するNTTコミュニケーションズでは「MVNOとして、より精緻にコストシュミレーションができるので、料金プラン検討や投資計画立案等に生かしていきたい」としている。