ニュース

中国人のiPhone 11への反応「最大のサプライズは安さ」~「5G未対応はハンデではない」との声も

 アップルの新iPhone3機種が、中国でも20日に発売される。1年前のiPhoneXシリーズ発表時には「高すぎる」との不満が噴出し、実際に売れ行きも不振だった。今年は「目新しさはない」との評価が多いものの、割安感が最大のサプライズとして受け止められている。

 北京在住の李華傑さん(23)は中国時間12日未明に行われたアップルの発表会をライブ動画で視聴した。

 「新鮮さはなかった。iPhone 11Proのトリプルカメラも事前に情報が漏れていたため、驚かなかった」と感想を語りつつ、「iPhone10より安い感じがして、意外だった」と付け加えた。

 iPhone 11(64GB)は5499元(約8万4000円)でiPhone XR(64GB)の発売時価格6499元(約9万9000円)より1000元安い。最上位機種のiPhone11 Pro Maxも、昨年販売の最上位機種iPhone XS Maxとほぼ同水準だ。

 新iPhoneはアップルストアが13日20時(現地時間)に予約受け付けを開始するほか、アップルストア以外では中国で唯一の公式販売権を持つEC大手の京東商城(JD.com)が既に予約を受け付けている。京東商城では13日時点で予約数が100万台に迫り、iPhone 11 Proが一番人気となっている。

 アップルにとって、中国は米国に次ぐ第二の市場だが、2018年は中国メーカーのブランド力向上に加え、iPhoneの高すぎる価格が敬遠され、販売は不振を極めた。ECショップでは割引などでテコ入れを図ったが、米調査会社IDCによると10~12月の中国でのiPhone出荷台数は前年同期比2割近く減少した。

 割安感がサプライズとなった今年は、盛り返せるのか。李さんは、「昨年SEからiPhone XRに買い替えたので、今回は見送りです。ただ、iPhone7やiPhone8の世代を使っている友人は、買うと言っている人が多い」と話す。

 中国でファーウェイ(華為技術)やXiaomi(小米科技)が5G対応スマートフォンを発表する中、新iPhoneが5Gに対応していないことが逆風になるとの見方もあるが、ネット上では「5Gの整備具合は不透明なので、そこまでハンデにならない」との声が多い。

 中国のSNS微博(Weibo、ウェイボ)で30万人以上のフォロワーを持つ陳生大王氏はWeb上でiPhoneを購入するかのアンケートを実施。13日夕方時点で約5500人が回答し、「買い替える」が12.6%、「5Gとイノベーションがないので買い替えない」が26.7%、「金がないので買い替えない」が54.8%、「アップルが好きではないので買わない」が6%となっている。