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ソフトバンクとイオン九州、物流効率化の実験を開始、ネットスーパー商品を深夜帯に自宅へ配達
2019年7月2日 19:27
ソフトバンクは2日、イオン九州と物流効率化に向けた実証実験を開始したと発表した。
実験は、商品が配送業者から受取先までに届く「ラストワンマイル配送」を効率化させる目的で行われる。実験の第1段階として今年6月から、夜間配送の需要調査としてイオンショッパーズ福岡店のネットスーパー商品を、22時~23時を含む時間帯への配送実験がすでに始まっている。最適なドライバーがマッチングシステムを介して選択され、無駄なコストを削減でき、配達時間について従来よりも柔軟な対応が可能。
ネットスーパーの商品を深夜帯に配送するのは日本初。今後は、今回の実験の結果を踏まえ、さらに配送対応時間帯の拡大を目指すとしている。
いずれは全国へ展開の可能性も
ソフトバンク デジタルトランスフォーメーション本部長の河西慎太郎氏は「個人宅への荷物は、年間1億個ペースで増えているにも関わらず、日中の受け取りが困難な世帯が増えている。一方でドライバーは減少し、その負担も増加する一方だ」という。
同社の実験は「PickGo」と呼ばれるマッチングプラットフォームを使用し、荷物が必要なときに、必要な数だけドライバーを確保する革新的なシステムを用いている。荷物量の増減が激しいネットスーパーの配送において、コスト減が期待できる上に、注文者が在宅していることが多い深夜に配達できるため、ドライバーの再配達の負担も減らすことができる。
河西氏は「いずれは九州以外の地域でも展開したい。将来的には、ロボットやドローンによる配送など、人から人に届けることが当たり前だったサービスを多様化させたい」と語った。
ソフトバンク株式会社 代表取締役 副社長執行役員兼COOの今井康之氏は「各業界のキープレイヤー的企業との創造で、日本が抱える社会的問題を解決に導きたい」と今後への意気込みを見せた。
同じくソフトバンク株式会社 代表取締役 社長執行役員兼CEOの宮内謙氏は「デジタライゼーションが社会問題を解決できる。ソフトバンクが他企業と共創しリードしたい。数年内に営業利益を倍増させることも可能ではないか」と語った。
ソフトバンク デジタルトランスフォーメーション本部では、イオン九州との協業のほかにも、17ほどの案件が2020年度にも収益化予定としている。