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電波法改正案、技適なしでも試験利用は可能など一部緩和

 政府は、電波法の改正案を2月12日に閣議決定した。今後、3~4月の国会の総務委員会に提出される予定になっている。

 電波法の改正案では、電波利用料の大幅な見直し5Gを含めた周波数の割当制度の変更、技適関連の一部要件緩和という3つがポイントになっている。

 本稿では、技適関連の一部要件緩和について、改正案の概要をお伝えする。また改正案やその背景については、元総務大臣政務官の小林史明衆議院議員(自民党)から解説された内容も含めている。

最長180日間の試験が可能

 電波法改正案では、スマートフォンやIoTデバイスなど最新の端末を、試験などの目的で国内で利用する際、一定の要件を満たせば、技適を取得しなくても一定期間に限って使用することが可能になる。

 これにより、日本でまだ発売していないスマートフォンを使ったアプリの開発・実験や、同じく日本で未発売の無線機器を用いた、情報通信サービスの市場性の評価のための実験、新製品開発の参考として日本未発売のスマートフォンやセンサーを用いて行う実験などを早期に着手できるようにする。

 これまでは実験などの目的やWi-Fiの利用であっても、メーカーが技適を取得していない端末を国内で実験に使用することは困難だった。

 電波法改正案では、たとえば日本の技適に相当する「国際的な標準規格」を技術基準として満たしているなど、一定の要件を満たせば、届出により、最長180日間、実験などを目的とした利用を可能にする方針。

 背景には、技適の厳格な運用により、IoT分野などで次々に開発される小型のセンサー端末を国内に導入しづらいという課題があり、これを柔軟化させる狙いがある。