インタビュー
「arrows」「らくらく」シリーズの今後はどうなる? 新生FCNTの桑山副社長らに聞いた
2024年1月23日 00:00
「arrows」シリーズや「らくらくスマートフォン」など、携帯端末の企画・開発を手掛けるFCNTは、2023年5月に民事再生申請を正式発表した。
その後、9月末にレノボ(Lenovo)がFCNTの事業承継を発表。10月1日から「FCNT合同会社」として、新体制での経営がスタートした。
新たな体制になってからおよそ3カ月が経ち、本誌ではFCNTへのインタビューの機会を得た。気になる「arrows」「らくらく」シリーズの今後は、そしてレノボグループとのシナジーとは――。
インタビューに応じたのは、FCNTの桑山泰明執行役員副社長と、プロダクトビジネス本部 チーフプロフェッショナルの外谷一磨氏。ライターの法林岳之氏も同席した。
新体制発足からここまで
――新体制になってから3カ月が経ちました。まず、ここまでどういった動きがあったのかお聞かせいただけますか。
桑山氏
会社としてもう一回ちゃんと動き出すというところで、いろいろな足元を固めなければいけないということがありました。
基本的な考え方として元々の組織を踏襲しているので、突然大きく新しい組織を立ち上げたわけではありません。
ただ、新しい経営体制のなかで従業員の皆に毎日仕事をしてもらうということで、いろいろな事務手続きやシステム整備というような、地道な再立ち上げのところが一点ありました。
それから、レノボ・モトローラグループの一員になりましたので、グループのなかでFCNTがどうオペレーションしていくのか……具体的に言うと、モトローラとの協業の進め方など、そういった面も初日以降、モトローラのグローバルチームと議論をスタートしました。3カ月経った今も、まだ議論を継続しています(編集部注:FCNTはR&D含む事業の進め方について、モトローラ本部・米国シカゴのチームとやり取りをしている)。
――そういった手続きなどは落ち着いてきましたか。
桑山氏
落ち着くのはまだまだ先ですが、我々もモトローラも、期待や手応えを持ちながらこの3カ月間やってきました。
FCNTが蘇ったということと、「arrows」「らくらく」シリーズは変わらず提供し続けるということは世の中の人々に知っていただきたいと思っています。
――毎日のようにモトローラとはやり取りされているのでしょうか。
桑山氏
はい。もうまさに毎日、です。
外谷氏
米国のシカゴとですね。モトローラの本社がシカゴにあるので。
――時差があるから大変ですよね。基本的なやり取りはオンラインだと思いますが、実際に会うようなコミュニケーションはありましたか。
桑山氏
まだシカゴには行っていませんが、向こうからは何人来たかな? 数えきれないぐらい来ていますね。
――それは顔合わせ的な意味もあるのでしょうか。
桑山氏
そうです。お恥ずかしい話、FCNTは英語の面で少し遅れを取っているところがありまして。
コミュニケーションはオンラインでもやっていますが、なかなかスムーズにいかないところもあるので、特にエンジニアは顔を合わせてホワイトボードの前で書きながら会話します。
私はエンジニアではないので技術的な話はついていけませんが、何でかわかりませんが会話が成り立っているんですよ(笑)。
本人たちはオッケー、オッケーって言っていて、Face to Faceの力は偉大だと思っているので、なるべく(向こうに)来ていただけるようにしています。
――新体制は中国のレノボが出資していると思いますが、中国とのやり取りはありますか。
桑山氏
基本的に、主にモトローラとFCNTが一緒にやっています。そういった意味だと、シカゴのグローバルチームが中心で、あとは中国拠点やインドから(FCNTに)来る人もいます。
外谷氏
中国というより、本当のグローバル企業の中に入ったという印象があります。
「arrows」「らくらく」シリーズが評価されている点
――「arrows」「らくらく」シリーズについて何か教えていただけることはありますか。
桑山氏
かなり早い段階でモトローラチームと決めたのは、「arrows」「らくらく」シリーズを変えずに残してやり続けるということです。
それから、「arrows」「らくらく」シリーズの価値や強みなどを、(モトローラに)事細かに説明しています。基本的にはもう200%認めてもらっていて、なかには「これすごい。よくできているね」といった評価もしてもらっているので、今まで変わらずさらに磨き上げていきたいと思います。
外谷氏
まずは我々のブランドの考え方を(モトローラに)理解してもらうというのが第一です。
あとは、まだ明確には申し上げられませんが、なるべく早いタイミングで出せるよう、「arrows」「らくらく」シリーズ両方で新商品の企画開発も進めています。
――「arrows」「らくらく」シリーズの国内展開について、キャリアなどとの議論は進んでいますか。
外谷氏
キャリアさんとはコミュニケーションを進めていて、従来以上に期待いただいている部分もあります。まずはアフターサポートの継続ですが、そのうえで新商品の相談も日々させていただいています。
――「arrows」「らくらく」シリーズのどういった点がモトローラから評価されているのでしょう。
桑山氏
「らくらく」シリーズは、「らくらくタッチ」(編集部注:「触れる」「押す」の違いを区別することで、タッチパネルでもボタンを押すような感覚で入力できる機能)のようなユニークな機能について、そういう企画ができたことに対する評価、作り上げた技術力、今までずっと続けてきた継続力のあたりを評価してもらえています。
「arrows」は堅牢性や防水、MIL規格準拠というところを妥協なく追求して作り込んでいる点です。ここはモトローラのポートフォリオにはないので、ユニークなラインだという評価を受けています。
――逆に、「arrows」「らくらく」シリーズの課題は何でしょうか。
桑山氏
機種によってはスケールの問題があります。モトローラはグローバルポートフォリオで展開していて、地域を絞った機種はあまりありません。
最近は日本向けに出した機種もありますが、基本的に、できる限りグローバル共通のプラットフォームで売る考え方です。ROI(Return On Investment、投資利益率)の観点でなかなか難しい議論になることもあります。
ですが、「arrows」「らくらく」シリーズにはFCNTとして30年の実績があり、それでモトローラが納得してくれる部分もあります。
外谷氏
「arrows」の要求品質を作るうえで、モトローラが経験したことのない部品構成や、世間の汎用品を使えない部分があります。
「らくらく」シリーズについては、「らくらくタッチ」を実現するためのディスプレイなど、いわゆる普通のグローバルサプライチェーンのなかに置いて考えられないようなオペレーションのギャップが存在します。
そうした状況で、どの部分が本当に必要なのかといった議論があって、そこは課題ですね。
一方、ガラパゴスとして日本だけで進化した部分が、グローバルで本当に需要がないのかということは再度考えるべき、という話があります。
「arrows」「らくらく」シリーズの価値を認めてもらえるような地域に投入するというのが、今後の我々の伸びしろにもなると思っています。
桑山氏
たとえば欧州の法人の需要を取り込めるのではという期待もありまして。「arrows」のMILスペックや防水性能は意外と受けるのではという意見もあるので、もう少しグローバルチームで議論していきます。
――「arrows」で汎用品を使えないというのはどういうところなんでしょうか。
外谷氏
ディスプレイについては、堅牢性を実現するためにいろいろな工夫をしています。
設計もかなり細いバランスでやっていて、詳細を説明すると「ここまで仕様を突き詰めるのはクレイジーだ」と言われることもあります。
バッテリーなど含めて安全性に対する要求は、サプライヤーに対してもハイレベルなものを出しています。
「arrows」「らくらく」シリーズのグローバル展開も?
――すごく気が早い話ではありますが、「arrows」「らくらく」シリーズがモトローラのグローバルのポートフォリオに加わる可能性もある、と。
桑山氏
あります。私はレノボから来ていることもあり、(FCNTは)単なる日本国内のメーカーにとどまりたくないと思っています。
モトローラやレノボのグローバルの販売力を活用して、「arrows」「らくらく」シリーズを海外のお客さまにも紹介していきたいですね。
――社内で英語力に課題があるということでしたが、グローバル展開を見据えた社内トレーニングなども考えていますか。
桑山氏
社内教育は当然提供していかなければいけませんが、それよりも、「とにかくやってみて。(英語を)使い続ければ使えるようになる」ということですね。
ちょっと乱暴ですが「ひるむな」というか、文法や時制のような細かいところは気にしなくていいから、伝えたい言葉を書いてメールを送るといったところから始めています。もちろん、ちゃんとした教育は用意しますが。
期待されるシナジー効果
――製品の製造に関して変わった部分はあるのでしょうか。
桑山氏
基本的にはモトローラのサプライツールをそのまま使っていきます。
今回の事業譲渡の最大の目玉は「シナジー」です。モトローラのグローバルスケールを利用して、国産の「arrows」「らくらく」シリーズを作っていきます。
――モトローラのサプライヤーを使ってうまく作っていくのは、これまでの日本企業とレノボ・モトローラの関係に近いのかなとも感じました。
桑山氏
レノボグループはパソコンの分野でこれまで、NECや富士通など、日本のメーカーとのジョイントベンチャーを成功させてきた経験があります。
今回はレノボグループからすると3回目です。
外資企業ですと、場合によっては「『らくらく』シリーズみたいな変なものをつくるな」「モトローラのポートフォリオを『arrows』として売りなさい」ということを言ってもおかしくないと思いますが、「見せてくれ」「理解させてくれ」というところから始まります。
NOと言わず、「モトローラのスキームでどうできるか」というメンタリティで議論してくれるので、これはレノボやモトローラの経験の表れなのではないかなと思います。
――別の外資企業だったら、こうはいかないかもしれませんね。
桑山氏
社名も変わっているかもしれませんね。
――お話を聞いていると、リーズナブルな端末価格を期待できる印象も受けます。
桑山氏
まさにおっしゃる通りで、シナジーという意味で一番わかりやすいところがコストダウンなので、そこは妥協なくやっていきます。
新体制になって変わった部分
――新体制のお話を聞いていると、スタートアップ的な雰囲気も感じます。新たな体制になって変わった部分は大きいですか。
桑山氏
私の視点からは、「変わった」「変わっていない」というより入り混じった感情があります。従業員の皆は、民事再生手続きや事業再開を数カ月の間に経験していて、いろいろな感情を抱いてきたと思うんですよね。
みんながみんな晴れ晴れとした気持ちでやっていくかというと、そうじゃない人もいると思います。未だに不安な人もいるだろうし、「どうなっちゃうんだろう」と思っている人もいるでしょう。
一方で、「頑張ろう」「楽しくやっていこうよ」って思ってくれている人もいるので、かなり複雑な状況です。
それはそれで良しとして、いろいろな感情を持っている従業員がみんな楽しく安心して働けるようにという意識を持って、今は経営しているところです。
外谷氏
私の立場から言うと、言葉を選ばないといけないのですが、民事再生の報道から事業再開までの間、ある意味では極限状態にありました。
従業員の気持ちが追いつくかどうかという点には、もちろんグラデーションがあると思っています。そのなかでも皆、前向きに取り組んでいるのが今の実態です。
あとは、私が思っていた以上に、レノボやモトローラのサポートがすごくて。VIPが日本に来て、会議室で立ったまま3時間ぐらいの話をするとか、そういった部分の熱意は感じますね。
ある種の安心感を持てていて、その安心感を背景に、今まで以上により良い商品を作ることに集中できる環境になったというのは、本音で思うところです。
モトローラはスマートフォンビジネスを理解していますし、何が大事で何に投資しなければいけないかという取捨選択がわかる。純粋に端末の価値を磨くディスカッションができるのは、いい環境に変わってきつつあるかなと思います。
モトローラからの強力なサポート
――モトローラ側のサポートについて、たとえばFCNT専属のサポートチームをつくるような具体的な話はありますか。
桑山氏
サポートチームというより、FCNTの組織をモトローラの中に作るようなイメージです。シカゴでFCNTの人員を採用するというのが一例ですね。
――シカゴなどにFCNTの部署のようなものを設けるイメージですか。
桑山氏
そうです。もちろんモトローラのグローバルのメンバーも携わってくれていますが、リソースが足りているわけではありません。ですから、新しい仕事としてFCNTが現地採用をするということも検討しています。
――というと、日本の方にこだわらないということですよね。
桑山氏
国籍にあまりこだわらず、モバイルデバイスの経験を持っていて「arrows」「らくらく」シリーズに適した人材を、現地で採用することを考えています。
桑山氏
FCNTがレノボ・モトローラグループになった以上、日本だけでは業務が成立しません。デザインをしてくれる人がシカゴや中国にいるとなると、その人の隣に「arrows」「らくらく」シリーズの担当を置く必要も出てきます。
日本にあるべき機能、現地にあるべき機能を切り分けて、適材適所で各ロケーションで採用していくということです。
修理・アフターサービスやフィーチャーフォンはどうなる?
――修理とかアフターサービスはどうなるのでしょうか。
桑山氏
今までと変わらず対応できるようにオペレーションを組み上げています。
また、モトローラのチームも日本に来ていて、一緒に作り上げているところです。彼らからアドバイスをもらったり、逆に彼らにも教えたりしています。「日本ではこういうことをやらないといけないんだ」という感じですね。それをモトローラにも活かしてもらうという狙いがあります。
――米国と比べて、日本だとアフターサービスはきめ細やかになりますか。
桑山氏
プロダクトを作り上げているぶん、修理もなかなか難しいわけです。そこはモトローラのグローバルチームも未経験の領域ですね。
――フィーチャーフォンはいかがですか。
外谷氏
やっぱり日本は、フィーチャーフォンのお客さんも非常に多いと思います。そういったユニークな商品を提供し続ける会社がなくなると、ある意味では社会インフラ的な意味もありますので、ご迷惑をおかけしてしまいます。
ですから、フィーチャーフォンを作り続けることについても、議論が進行中です。
組織の関わりとして、モトローラはFCNTに対して「何とかしよう」というメンタリティで来てくれるので、かなり安心しています。
世界でも稀有な「らくらくコミュニティ」
――「らくらくコミュニティ」というようなサービスもモトローラ側には話されていますか。
桑山氏
はい。良い面や課題は共有されているので、アイデア出しなどをこれからやっていこうという段階です。
――「らくらくコミュニティ」の課題や長所はどういった部分なのでしょうか。
桑山氏
280万人の会員を有しているサービスということと、会員の大多数がシニアの方々ということについて、世界であまり例がないこととして認めてもらっています。
課題としては、モトローラもレノボも、これをどうビジネスとして広げていくかという点で、誰も経験がないことです。みんなで一緒になって考えていこうというところですね。
体制面での変化
――体制は具体的にどう変わったのでしょうか。組織の構成はどうなりましたか。
桑山氏
組織の構成は、旧体制をそのまま踏襲しています。部署の構成も同じなので、従業員の皆は違和感なくやってくれているのではと思います。
外谷氏
ソリューション事業は今回の承継外なので、部門としてなくなっているところが大きいかなと思います。
――人員は減っていないということでしょうか。
桑山氏
レノボとして、旧会社から提案があった方々には全員来ていただいています。
外谷氏
新会社として、Day 1から削減はありません。
芦田氏(FCNT広報)
もともとのFCNTの人数からすると、半分以下にはなっています。
――予算配分はFCNTとレノボ・モトローラのどちらが決めるんですか。
桑山氏
FCNTが決めますが、レノボやモトローラの目は光ります。
ある意味、今回の事業譲渡で一番しっかり押さえるべきなのはそこですね。だからこそ、私やCFOが来ました。
FCNTとして、変わってはならない技術や企画力といったところはあります。
一方、変わらなければならないところもある。やっぱり民事再生にはなってしまったわけですから、会社としてそれは二度と起こしてはいけません。
ちゃんと利益が出せる筋肉質な会社になるという意味で言えば、そこはレノボもモトローラもサポートします。私とCFOが、経営面や損益面をしっかり押さえます。
そして、レノボやモトローラと密にコミュニケーションを取り、FCNTが作ったプランを認めてもらうというプロセスがあります。
――コスト意識で課題があると。
桑山氏
課題になりうる可能性があるというところが、ちらほらと見えてきています。
単にコストを抑えるだけではなく、使い方ですね。費用をかけるところはかけて、抑えるところは抑えてというメリハリを、もう少しうまくやらないとと思っています。
たとえばプロモーションへの投資はしっかりかけたいと思っていて、そこへ投資する分、違うところを抑えるという感じですね。
――今はどういった状態なんでしょう。
桑山氏
今はどこにもコストをかけられていないんです。みんな「人が足りない」「お金が足りない」「時間が足りない」という苦しい状況でレポートが上がってきますが、すべてに応えていたら大変なことになります。
そのときに私の目で「ここは使うけど、ここは使わない」ということをやっていきますので、これから炙り出てきます。
今後の展望
――日本国内のスマートフォン端末市場はどう見ていますか。
桑山氏
いろいろな動きはあると思いますが、FCNTが果たすべき役割は、国産メーカーであり続けて、日本のお客さまにご愛顧いただける商品を提供することです。それを追求していけば市場は自然とついてくるというか、FCNTにとっての市場は伸びていくのでは、と個人的に期待しています。
長い目で見ると、市場はシュリンクしていくという見方もあるかもしれません。ですが、そうしたことに惑わされず、我々がすべきことやできることを追求していくという考えです。
外谷氏
携帯端末の市場については、スマートフォンで言えば3000万台弱ぐらいで推移していくのかなと思います。
日本の市場が伸び悩んでいるのは円安など市場影響もありますが、スマートフォン自身の進化が小さくなってしまい、消費行動として手が伸びないというところもあるはずです。
為替に関しては正直なかなか厳しいところもありますが、後者については、我々の責任もあります。
たとえばFの携帯電話やスマートフォンは、世界初の技術を入れて「早すぎる」と言われることもありましたが、そこでファンも獲得していました。
今、そういったことができなくなっているのは、マーケットに刺激を与えられていないということで責任を感じています。R&Dへの投資も含めてより良いものを出して、今あるシェアを奪い合うだけでなく市場全体を伸ばしていくことも図っていきたいです。
――今後のミッションや目指す方向性をお聞かせください。
桑山氏
基本的な方針は変わっていませんので、FCNTが従来からこだわってきた「誰一人取り残さない」というキーワードは継続します。その実現手段が「arrows」「らくらく」シリーズを磨き上げることで、モトローラに何を言われても絶対守り抜くという強い思いを持ってやっています。
口論になることもありますが、そこは妥協せず最後までやり抜くことが、一番のFCNTの価値だと思っています。単に30年間継続してきただけでなく、磨き上げてきたということが、商品ににじみ出ています。
私もFCNTに来て3カ月ですが、商品を使っていると日々驚かされるんです。スマートフォンを使ってお風呂でYouTubeを観ていて、寝落ちして端末を落としても問題がないとか、コンクリートに落としても壊れないとか。そういう強みも、妥協すると弱くなってしまうと思うんですよね。
外谷氏
FCNTが大切にしてきた「誰一人取り残さない」ということを、「arrows」「らくらく」シリーズを通して実現していきたいです。
また、「arrows N」は環境配慮を重視してお伝えしてきましたが、サステナブル観点では「誰一人取り残さないこと」「環境に配慮したものづくりや製品への取り組み」「製品やサービスを届ける方々のウェルビーイングを考え、ライフスタイルの中で自分の健康ケアができる価値を提供していくこと」の3つを考えています。
プロモーションや販路についても、今まではキャリアさんに集中してきましたが、より多くの人に届ける手段として、オープンマーケットも含めて販路を広げていきたいです。
――今後の新発表などについて教えてください。
桑山氏
スケジュールはまだ具体的にはありませんが、新商品発表会はやりたいです。
外谷氏
新商品発表会と事業戦略(の説明会)、この2つをセットで準備していきたいと思っています。
具体的な日付は言えませんが、なるべく早くお話ができる機会を作りたいと思います。
――最後に、新生FCNTとしてメッセージがあればお願いします。
外谷氏
我々が事業を続けていられるのは、これまでFのスマートフォン・ケータイを使ってきてくださった個々人のお客さまのおかげです。民事再生のときにも応援のコメントをいただきました。本当にありがたいお声で奮い立つことができました。ご心配をかけてしまいましたが、事業が再開できたことについて知っていただきたいです。
あとは、皆さんの期待に応えられるような商品の準備をしていて、なるべく早く提供していきます。
我々の製品の稼働数は1200万台で、日本の人口の10人に1人が使っていただいている。皆様を裏切ってはいけないという気持ちで、お応えしていけるよう社員一丸となって取り組んで参りたいと思います。
――ありがとうございました。