【MWC Barcelona 2024】
シャオミ、ステップレス絞り搭載の1インチカメラスマホ「Xiaomi 14 Ultra」などを発表
「Xiaomi Watch S3」も発表
2024年2月26日 01:00
シャオミ(Xiaomi)は、25日にスペイン・バルセロナで開催される「MWC Barcelona 2024」の開幕に先立ち、製品発表イベントを開催し、同社のフラッグシップモデルにあたる「Xiaomi 14」とその上位版の「Xiaomi 14 Ultra」を発表した。
また、ベゼル部分の交換が可能なスマートウォッチの「Xiaomi Watch S3」も公開している。いずれのモデルも、中国市場向けに発表されているが、今回は、そのグローバル版という位置づけだ。
Xiaomi 14 Ultra
最上位モデルの「Xiaomi 14 Ultra」は、ライカと協業し、1インチセンサーを搭載。センサーには、ソニーセミコンダクタソリューションズの「LYT-900」を採用しているソニーセミコンダクタソリューションズ。LYT-900は、ソニーのモバイル端末向けイメージセンサー「LYTIA」の最上位モデルという位置づけ。
レンズも、先代のXiaomi 13はライカの「Summicron(ズミクロン)」だったのに対し、Xiaomi 14 Ultraではより上位の「Summilux(ズミルクス)」が採用されている。
可変絞りを搭載
単に画質が向上しただけでなく、絞りを自由に変えて、ユーザーが意図した通りの写真を撮れるのが、Xiaomi 14 Ultra最大の特徴だ。
メインカメラには、55nmの“絞り羽根”が組み込まれており、F値を1.63~4.0の間で段階的に切り替えることができる。F1.63だと暗い場所でも明るく撮れる一方で、絞りを開いた状態だと、被写界深度が浅くなる。
これに対し、レンズを絞り込むと被写界深度は深くなり、奥側までしっかりピントを合わせて描写できるようになる。
従来のスマホのカメラは、この絞りが固定のものが多く、センサーサイズの大きな端末の場合、被写体の一部にだけピントが合ってしまうことが課題だった。
Xiaomi 14 Ultraは、デジカメと同様、可変絞り機構を搭載することでこれを解決した格好だ。撮影時には、Proモードにするとダイヤル状のユーザーインターフェイスで絞りを変更することができる。
2つの望遠カメラ
このメインカメラのほかに、Xiaomi 14 Ultraには3つのカメラが搭載されている。1つは超広角、残り2つが望遠だ。
望遠カメラは、それぞれの倍率が異なり、1つ目が75mmの3.2倍。2つ目が120mmの5倍となる。
後者の5倍望遠カメラは、ペリスコープ(潜望鏡)型の仕様。
2つとも、望遠カメラはマクロ撮影にも対応しており、75mmは最短10cm、120mmは最短30cmまで被写体にクローズアップすることができる。超広角カメラは12mm。メインカメラ以外は、いずれもソニーの「IMX858」で、画素数は4つのカメラが5000万画素に統一されている。
2つの望遠レンズと高画素なセンサーを組み合わせることで、1倍、2倍、3.2倍、5倍のズームをシームレスに切り替えることが可能だ。レンズの中間にあたる倍率や、120mmを超えるズームは、切り出しやデジタルズームを組み合わせる。120mmの望遠は、その組み合わせで最大120倍までズームすることができる。
動画機能はプロ用途も
静止画だけでなく、動画撮影にも新機能を盛り込んだ。プロフェッショナルの撮影に使えることを目指しており、H.265や10bitのLOG撮影に対応。BT.2020のカラーレンジで撮影することも可能だ。Dolby Visionでの撮影にも対応している。
また、「Director Mode」を使うと、撮影時の音量レベルやホワイトバランス、シャッタースピードなどが画面上に表示される。ディレクターと銘打っていることもあり、撮影画面の外部ディスプレイ出力にも対応。モニターやタブレットなどを通じて、撮影を行える。
Xiaomi 14
Xiaomi 14シリーズのもう1機種は、スタンダードモデルとも言えるXiaomi 14。こちらもライカブランドがつき、レンズもSummilux(ズミルクス)が採用される。
Xiaomi 14は、2023年10月にクアルコムが米ハワイ州マウイ島で開催した「Snapdragon Summit」でお披露目された端末。Snapdragon 8 Gen 3のローンチカスタマーとして、10月に中国市場向けのモデルが発表された。
カメラのセンサーは「Light Fusion 900」で、1/1.31インチとXiaomi 14 Ultraに搭載されたLYT-900よりは小さいが、Xiaomiとライカが共同開発したレンズ向けのカスタマイズを施しているという。
こちらも、動画撮影は10bitのLOG撮影に対応。メインカメラのほかには、0.6倍の14mm超広角カメラや、3.2倍の75mm望遠カメラを搭載している。有線充電はXiaomi 14 Ultraと同じ最大90W。無線充電は50Wに対応する。