【CES 2019】

2019年中に登場「Snapdragon 855」の採用状況を語ったクアルコム

 クアルコムは、1月8日(現地時間)から米ネバダ州ラスベガスで開幕する「CES 2019」に先立ち、プレスカンファレンスを開催。出荷が始まった「Snapdragon 855」の採用状況を語った。

Snapdragon 855とSnapdragon X50を組み合わせた端末は、30種類以上にのぼるという

 クアルコムによると、Snapdragon 855と5Gモデムの「Snapdragon X50」を組み合わせた端末は、30種類以上にのぼるという。これらは、2019年中に発売される予定だ。同社が用意する5G用のアンテナソリューションも、ほぼすべての端末に採用されるという。これは、6GHz帯以下のSub-6と、28GHz帯などのミリ波に両対応できることを意味する。

 Snapdragon 855は、12月に米ハワイ州マウイで開催されたSnapdragon Tech Summitで発表された、次期ハイエンドモデル向けのチップセット。CPUは「Kryo 485」で、コアの1つが2.84GHzと高いクロック周波数で単独駆動する「プライムコア」を採用する。2018年のスマートフォンに搭載されたSnapdragon 845との対比で、パフォーマンスはおよそ45%ほど向上した。

CPUは45%ほど処理能力が向上している

 AIの処理能力を強化しているのも、Snapdragon 855の特徴だ。Snapdraognは、CPU、GPU、DSPの3つから最適なものを利用し、機械学習の処理を行う仕組みだが、中でもDSPの性能が向上。テンソルアクセラレーターを採用し、Snapdragon 845比で3倍ほど、処理能力がアップしている。同じ7nmのプロセスルールで製造されたファーウェイの「Kirin 980」と比べても、2倍程度の性能を誇るという。

機械学習の処理速度は、Snapdragon 845比で3倍、競合比で2倍となる

 Snapdragon 855自体にもモデムが搭載されており、ワンチップで通信までカバーできるが、上記のように、Snadpragon X50と組み合わせることで、5Gにも対応可能となる。30以上の端末とは、この組み合わせのものを指す。5Gモデム抜きで単独採用するケースを含めると、Snapdragon 855を搭載する端末数は、さらに増えそうだ。

Snapdragon X50と組み合わせることで、5Gに対応できるのも特徴だ

 このほか、クアルコムは、車載用プラットフォームとして第3世代となる「Snapdragon Automotive Cockpit Platform」を発表した。これは、車のコックピットや車内エンターテイメントを制御するためのプラットフォーム。性能に応じて3つに分かれており、上から「Paramount」「Premiere」「Performance」と名付けられた。

第3世代の「Snapdragon Automotive Cockpit Platform」を搭載した試作車