【CES 2018】

キーボードのMoto Modsや、Daydream対応のVRゴーグル――レノボがCESで発表

新製品群

 レノボは、Moto Mods新製品やVRゴーグル、スマートディスプレイなどを発表した。いずれの製品も現時点では日本での発売についてアナウンスされていない。

 スマートフォン関連では、Motoシリーズ向けの拡張モジュール「Moto Mods」で、キーボードMods「Livermorium Slider Keyboard」の商品化を発表した。これはアメリカのクラウドファンディングサイト「Indiegogo」とレノボが昨年、共催したコンテスト「Transform the Smartphone Challenge」で優勝した製品。キーボードはスライドで引き出し、さらにノートパソコンのようにディスプレイに60度までのチルトをつけられる。価格は99ドルで今月末から発売される。

Livermorium Slider Keyboard
収納状態はやや分厚くなる

 なお、「Transform the Smartphone Challenge」は今年も開催され、CESに併せてプロジェクトキャンペーンの参加受付を開始している。

Vital。Moto Modsではあるが、このように分離状態で利用する

 このほかにも各種生体データを簡易計測する「Vital」というMoto Modsも発表されている。こちらは人差し指をセンサーに突っ込むことで、血圧や脈拍、呼吸数、血中酸素濃度をはかれるもので、体温計もついている。こちらは4月ごろから395ドルでの商品化を目指しているが、医療機器としての性質を持ち、各地域の法令に従う必要もあるため、販売される地域や時期はばらばらになる見込み。
 このほかにも発表会の会場ともなったレノボブースではさまざまなMoto Modsが展示されていた。

ゲームパッドのMoto Mods
ポラロイドのプリンタのMoto Mods
Mirage SoroとMirage Camera

 そのほかの新製品としては、GoogleのVRプラットフォーム「Daydream」に準拠したヘッドセット「Lenovo Mirage Solo」と半球立体カメラ「Lenovo Mirage Camera」も発表されている。

 Daydreamはもともと、スマートフォンをVRゴーグル化するプラットフォームとして登場したが、レノボので、Daydreamのヘッドセットに加えて対応スマートフォンが必要だが、「Mirage Solo」はスマートフォンは用いない、独立したVRデバイス。Daydream向けのコンテンツを楽しむことができる。

使用中の状態。頭頂バンドはなく、PSVRに近い付け心地

 スマートフォンを使うDaydreamは、基本的に「どこを向いているか」、つまり回転の3自由度のみだが、「Mirage Solo」は上下左右前後が加わった6自由度に対応している。つまりVR空間内でスクワット動作をすることで、バーチャルアイドルをさまざまな視点から観る、といった楽しみ方が可能となる。トラッキングはゴーグル前面部にある2つのカメラを使っていて、外部にビーコンやセンサが不要な、インサイドアウトとも言われる形式だ。

側面にはmiroSDカードスロットも

 「Mirage Solo」はクアルコムのSnapdragon 835を搭載。スマホ向けDaydreamと同様、ポインティングにも使えるコントローラーで操作する。

 「Mirage Camera」は前面部に2つの魚眼レンズを搭載したVR専用のカメラ。前後に2つのカメラを搭載する全球カメラと異なり、前方半球しか撮影できない。一方でカメラが2個搭載されているので、撮影画像はVRゴーグル上で立体的に表示できる。

こんな感じで大雑把に撮影する

 ファインダーは搭載せず、連動するスマホのアプリをリモートファインダーとしても使える。単独で使用する場合は、おおまかに撮影することになるが、被写体に近寄って中央に大きく撮る、というよう使い方ではなく、適切な距離で大まかに撮りたい風景に向けてシャッターを切ればOK、というスタンスだ。撮影した写真や動画はGoogleフォトやYouTubeで共有できる。

三脚穴がある

 「Mirage Camera」は13メガピクセルのカメラを2つ搭載。Qualcomm Connected Cameraに準拠していて、Wi-Fi通信だけでなく、LTE通信に対応するバージョンも発売される。Mirageシリーズは第2四半期に発売の見込みで価格は未定。

Smart Display

 さらにスマートディスプレイ「Lenovo Smart Display」も発表された。これはGoogleアシスタントに対応する、いわばディスプレイ付きのスマートスピーカー。「Hey Google、○×△」と話しかけることで各種操作を行なうのは一緒だが、たとえば天気を聞けば天気予報が画面に表示されたり、レシピを聞けばレシピが画面に表示されたりする。

 搭載されているGoogleアシスタントも現状、スマートフォンやスマートスピーカー向けに搭載されているものとは異なり、ディスプレイ搭載デバイス向けの最適化と機能強化がはかられている。たとえば「近くにパン屋さんは?」と聞いて近隣のパン屋を探したあと、そのまま「そのパン屋に行くには?」と聞いて、ナビゲーションすることができる。このように、直前の会話の文脈を記憶し、次の会話につなげることができる機能は、Googleアシスタントを含む現状の音声アシスタントではある意味、画期的な機能といえる。

背面が三角錐状になっていて、単体で縦横いずれでも立てることができる。やや重たく分厚いがバッテリは非搭載

 また、同製品のGoogleアシスタントではビデオコールを発信したり、各種メッセージやメールを扱えるなど、現状のGoogleホーム対応スマートスピーカーに比べ、コミュニケーション機能も強化されている。

 「Lenovo Smart Display」は8インチと10インチの2種類のモデルが用意される。8インチモデルは199.99ドル、10インチモデルは249.99ドルで今夏発売の予定。

Miix 630

 このほかにはキーボード脱着型のタブレットPC「Miix 630」も発表された。こちらはCPUにクアルコムのSnapdragonを採用する初めてのWindowsパソコンとなっている。Snapdragonを採用することで、4G通信に対応し、20時間のバッテリ持続時間を実現し、さらにスリープ中にバックグラウンド通信ができるようになっている。799ドルで第2四半期に出荷の見込み。