【IFA2017】

モトローラ、デュアルカメラ&Amazon Alexa搭載「Moto X4」

IFA 2017の会期に合わせ、新たに発表された「Moto X4」

 レノボ・グループ傘下で、スマートフォンやウェアラブルデバイスを展開するモトローラ(Motorola Mobility)が、IFA 2017の開幕前日にあたる8月31日、Moto Xシリーズの第4世代となる「Moto X4」を発表した。

「Moto X4」

ボディ幅は73.4mmと、それほど大きくなく、持ちやすいフォルム。ガラスとメタルを組み合わせたデザインが美しい

 モトローラは現在、国内市場向けに超薄型でMoto Modsを装着可能な「Moto Z」シリーズ、ミッドレンジのコンパクトな「Moto G」シリーズ、その他の市場向けには「Moto E」シリーズなどを展開しているが、今回発表されたのは「Moto X」シリーズの第4世代のモデルに位置付けられる。

 今回、開催されたイベントはレノボ・グループが年末商戦へ向けて発売する各ジャンルの製品が発表されたが、その先陣を切って、Moto X4が発表される流れとなった。モトローラ製品のプレゼンテーションには、モトローラのProduct MarketingのSenior DirectorのJim Thiede氏が登壇し、Moto X4のコンセプトや機能などが解説された。

左側面にはボタン類はない。ボディの厚みは7.99mm。カメラ部分の突起を含めると9.45mm
右側面には電源ボタン、音量ボタンがレイアウトされている。基本的には他のMoto ZシリーズやMoto Gシリーズと共通

 モトローラは7月にハイエンドモデル「Moto Z2 FORCE」(日本未発売)を発表したばかりだが、今回のMoto X4はこれに続くモデルに位置付けられる。コンセプトとしては「#helloperfection」と題し、ハードウェアや機能面において、ライバル機種に対抗できる実力を持つという。

SIMカードスロットは上面に備えられており、ピンを挿して取り出すトレイ式を採用。この角度で見ると、カメラの突起がよくわかる
底面にはUSB Type-C端子、3.5mmステレオイヤホンマイク端子を備える

 まず、ボディはガラスとメタルの特長を活かしたデザインを採用。前面には5.2インチのフルHD対応IPS液晶ディスプレイを搭載し、ラウンドしたフォルムの背面にはデュアルカメラを搭載する。

 他機種が2つのレンズをボディに実装しているのに対し、ひとつの大きな時計のダイヤルのようなベゼル内に、2つのカメラを内蔵することで、美しく仕上げている。ボディカラーは光沢感のある「Super Black」と「Stering Blue」の2色をラインアップし、IP68の防水防塵にも対応する。

背面もGorilla Glassで仕上げているため、光沢感があり、美しい
Moto Z2 PlayやMoto G5/G5 Plusなどと同じタイプの指紋認証センサーを搭載

16ピクセルのセルフィーカメラも

ディスプレイの上の部分には16MピクセルのSelfie Cameraを搭載

 本体前面には16Mピクセルのセルフィーカメラを搭載し、暗いところでの撮影にも強い「Adaptive Lowlight Mode」、顔を認識してエフェクトを追加できる「Face Filter」などが利用できるほか、端末を左右に動かすことでワイドな画角で撮影できる「Panoramic Selfie」も楽しめる。

背面に備えられたデュアルカメラは時計のベゼルのようなリング内にLEDと共に収められている

 背面のデュアルカメラは12Mピクセルの標準カメラと8Mピクセルのワイドアングルカメラで構成される。標準カメラは画素ピッチ1.4μmのデュアルAFピクセルセンサーにF2.0のレンズを組み合わせたもので、ワイドアングルカメラは画素ピッチ1.12μmのセンサーにF2.2のレンズを組み合わせ、120度の広角撮影を可能にする。2つのカメラを利用し、ピントの位置をずらすことで、ボケ味の利いた写真が撮影できる「Selective Focus」が搭載されるが、ぼかした背景部分だけをモノクロにしたり、被写体の服など、特定部分のみをカラーで撮影する「Selective B&W」という撮影機能も搭載される。カメラを利用した機能としては、被写体に向けたとき、その対象物が何なのかを認識する「Landmark/Object Recognition」、商品のバーコードなどを読み取る「Bar Code Scanner」も搭載される。

背面に12Mピクセルの標準カメラと8Mピクセルのワイドアングルカメラを搭載
本体を左右に動かして、スーパーワイドアングルのセルフィーも撮影できる
標準で撮影すると、この程度の画角
ワイドに切り替えると、画角が一気に拡がり、全体的な写真を撮ることができる
カメラに搭載されるFace Filterは被写体の顔にさまざまな飾り付けが可能
2つのカメラの視差を利用し、フォーカス位置を変えて、ボケ味のある写真を撮影できる
被写体の特定の服などにのみ色を付け、その他をモノクロで撮影するモードも用意される

最大4つのBluetoothデバイスへの接続

Bluetoothでスピーカーやヘッドホンなどを同時に4台まで接続し、同時に音楽などを再生できる

 スマートフォンでは音楽を楽しむとき、Bluetoothでワイヤレス接続をすることが多いが、Moto X4では最大4つのデバイスに接続することができる。たとえば、ヘッドホンで音楽を聴くだけでなく、他の部屋にあるBluetoothスピーカーで同時に音楽を再生することができる。ちなみに、BluetoothはBluetooth 5.0 BR/EDR対応となっている。

ホーム画面のレイアウトは基本的に他のMotoシリーズと共通。今回試用したモデルはAndroid 7.1.1がプリセットされていた
アプリ一覧画面も他のMotoシリーズと共通仕様。最上段によく使うアプリが表示され、下にアプリ一覧が表示される。アプリ一覧は縦方向にスクロール

 Moto X4はモトローラ製スマートフォンとしてはじめて、AmazonのAIアシスタント「Amazon Alexa」に対応する。Amazon Alexaは音声認識と自然言語処理により、ユーザーが発する音声によるコマンドで、メッセージやメール、アラーム、音楽再生、ショッピングなど、さまざまな機能を利用できる。現時点でAmazon Alexaが利用できる国と地域はアメリカ、イギリス、ドイツに限られているが、今後、対応する国と地域が順次、拡がる予定だという。「Moto Key」と呼ばれる新機能も搭載され、本体前面の指紋認証センサーを利用して、Webサイトにログインできるほか、PCへのログオンに連動する機能も提供される。

 チップセットはクアルコム製の「Snapdragon 630」を採用し、RAM 最大4GB、ROM 最大64GBを搭載するが、提供する国と地域によって、異なる構成も提供される。microSDメモリーカードは最大2TBまで対応する。

IP68の防水防塵に対応。展示スペースでは浅い水槽内に沈めるデモも
Wikipediaなどの情報を基に、被写体に関連する情報を調べることが可能
Moto X4の指紋認証センサーを操作して、Windowsパソコンにログインすることができる。Windows 10 Fall Creators Updateから利用可能
チップセットはQualcomm製Snapdragon 630を搭載

 販売は欧州向けに今年9月から開始される予定で、価格は339ユーロからとされている。その他の国と地域についても順次、展開される予定で、国内向けにも発売を予定している。価格や販売時期については、今後、モトローラ・モビリティ・ジャパンから正式にアナウンスされる。

価格は399ユーロから。欧州では9月から販売が開始される
カラーはSuper BlackとStering Blueの2色をラインアップ

YOGA 920「Star Warsコラボモデル」なども登場

 レノボ・グループのイベントでは、Moto X4以外に、パソコンの新製品なども数多く発表された。

 レノボのコンシューマ向け2in1パソコンのフラッグシップとして、「YOGA 920」が発表された。ディスプレイ部を着脱できる2in1パソコンではなく、「ウォッチバンドヒンジ」と呼ばれるヒンジを採用することで、ディスプレイ部分を反対側に回転させられる形状のモデルで、一般的な折りたたみのクラムシェルモードからテントモード、タブレットモードというように、ユーザーの利用シーンに合わせて、利用スタイルを選ぶことができる。オプションのペンで操作することも可能。CPUはインテルの第8世代Coreプロセッサを採用し、メモリーは8/12/16GB、ストレージは256/512GB/1TBの構成から選ぶことができる。ディスプレイは13.9インチで、UHDとフルHDの解像度が用意される。LTEなどのモバイルデータ通通信機能はなく、Wi-Fiのみとなっている。

特徴的なウォッチダイヤルヒンジを採用した2in1デザインのYOGA 920。ペン操作にも対応する。キーボードの右下には指紋認証センサーも備える
YOGA 920でもStar Warsコラボモデルをラインアップ。反乱軍と帝国軍を選ぶことができる

 このYOGA 920をベースに、天板部分にConing製Gorilla Glassを使い、オリジナルデザインを施したバリエーションモデルもラインアップされる。「YOGA 920 VIBES」は「ビジュアルバイブレーション」と呼ばれるデザインで、標準モデルにはない高級感のある仕上がりが特長。これに加え、映画スター・ウォーズとのコラボレーションによる「Star Wars スペシャルエディション YOGA 920 Rebel Alliance(同盟軍)モデル」と「Star Wars スペシャルエディション YOGA 920 Galactic Empire(帝国軍)モデル」も用意される。いずれも天板部分にそれぞれの陣営の紋章(ロゴ)があしらわれている。国内向けの販売も予定されているが、時期や価格は未定となっている。

ひと回りコンパクトなディスプレイを搭載したYOGA 720も発表された

 12.5インチのフルHD対応IPS液晶を搭載し、インテルの第7世代Coreプロセッサを採用した「YOGA 720」もラインアップされる。ヒンジ部分の構造は異なるが、こちらも360度、ディスプレイが反転する2in1パソコンで、オプションでペン操作にも対応する。このモデルもLTEなどのモバイルデータ通通信機能はなく、Wi-Fiのみで利用する。

 クラムシェルデザインではない2in1パソコン「Miix 520」も発表された。Microsoft Surfaceシリーズと同じように、キックスタンドを備えたデザインで、キーボードを着脱できる形状となっている。ディスプレイは12.2インチのフルHD液晶を採用する。国内での販売は未定だが、LTE通信モジュールをオプションで追加することができる。

 この他にもWindows MR(Mixed Reality)に対応したヘッドセット「Lenovo Explorer」、Lenovo Tab4を装着して、Amazon Alexaが利用できる「Lenovo Home Assistantパック」、スマートフォンと連動し、映画『スター・ウォーズ』の世界を楽しめるARヘッドセット「Star Wars/ジェダイ・チャレンジ」も合わせて発表された。製品ごとに販売される国と地域は異なるが、多くの製品は国内市場向けの投入が予定されており、今後のレノボからの正式発表が待たれる。