【CES 2018】
「Windows on Snapdragon」やVRヘッドセットを発表、クアルコムとの関係深めるレノボ
Vice President ディリップ・バーティア氏に聞く
2018年1月11日 12:38
レノボブランドでPCを、モトローラブランドでスマートフォンを手掛けるレノボだが、CESでの発表は、そのどちらでもないスマートデバイスが中心だった。レノボがスマートデバイスに注力している理由やそれぞれの製品についての疑問を、同社のGlobal Marketing、User and Customer ExperienceでVP(Vice President)を務める、ディリップ・バーティア氏に聞いた。
――今年のCESでは、VRヘッドセットや180度カメラ、ディスプレイつきのスマートディスプレイなど、これまでにないジャンルの製品を発表した。これはなぜか。
バーティア氏
レノボは、素晴らしい顧客体験を提供することにフォーカスしている。人々の生活をシンプルにして、抱えている課題を解決できるようにするか。まず、ユーザーは時間がない。いつでも、どこでも使いたいデバイスを自由に使える快適さも求めている。また、家族や友だち、同僚との接点を持っていたいとも思っている。
また、PCビジネスは(成長が)フラットだが、(今回発表した製品のジャンルである)VRやAR、MRは大きく成長している。「Star Wars/ジェダイ・チャレンジ」も、非常に成功した。
こうした観点に基づいて、CESでは4つの新製品を提供した。1つ目が、「Miix 630」。これは常時駆動、常時接続が特徴で、その上で電池駆動時間も長い。これまでのPCは、そうではなかったが、20時間の電池駆動で、常時接続できる。スマートフォンのように、待機状態で必要なデータをダウンロードしておけるということだ。
2つ目がスマートディスプレイで、これは、クアルコムとのパートナーシップで生まれている。スマートスピーカーも素晴らしいが、これは、スマートスピーカーの次の姿だ。ディスプレイがあることでスケジュールを確認したり、レシピを見たり、家族の顔を見ながら会話することもできる。
3つ目が、これもグーグルとクアルコムとの協業で開発した、Mirage Soloだ。Mirage Soloは最初のDaydream対応単独型ヘッドセットになる。ユーザーはVRが好きな一方で、これまでのVRはセットアップが難しく、接続しなければいけないケーブルも多い。単独型のMirage Soloであれば、だれでも簡単に使える。とても快適かつ観点で、素晴らしいユーザーエクスペリエンスを実現することができた。
4つ目がMirage Cameraだ。通信機能があり、ストリーミング動画をヘッドマウントディスプレイに直接送れるほか、YouTubeやGoogleフォトにも送信することができる。
――Snapdragonを搭載した製品も多いが、クアルコムとの関係を強化したのか。
バーティア氏
答えはイエスだ。インテルやマイクロソフトは依然として大切なパートナーで、クアルコムとのパートナーシップはモトローラ側で築いてきたが、今回、それをPCやスマートデバイスにも拡大した。
――Miix 630の常時接続やバッテリー駆動時間は魅力だが、パフォーマンスはどうか。
バーティア氏
Officeを使ったりする日常的なユースケースには向いているが、ゲームのようなアプリケーションには厳しいかもしれない。それでも、長い電池駆動時間や常時接続を求める人には、完璧なデバイスだと考えている。ビデオ編集のような作業には向かないが、パワーポイントなどのドキュメントを作ることはできる。
――VRヘッドセットやスマートディスプレイは、他のメーカーも作ることになると思う。他社が追随してきたときどう差別化するのか。
バーティア氏
他社が似た製品を出しても、イノベーションで差別化はできると考えている。YOGAを出したときもそうで、他社もこれに追随したが、イノベーションに集中してきた。昨年は60以上の賞をCESで受賞しており、今年はさらに取れると考えている。これは、ほかのPCメーカーにはないことだ。
――スマートディスプレイについて、タブレットとの違いを教えてほしい。
バーティア氏
タブレットとの機能的な違いはスピーカーだが、それ以上に、利用シーンが異なっている。この形状であれば、キッチンに置いたまま、音楽を聞いたり、レシピを見たりすることができる。一方のタブレットは持って使うよう、デザインされている。それに加えて、スマートディスプレイはマイクが8つ搭載されており、音声の聞き取りに最適化されているが、タブレットは通常1つしかない。