石野純也の「スマホとお金」
ソフトバンク「ペイトク2」はPayPayカード ゴールドがないと損? 新料金プランのメリット・デメリット完全ガイド
2026年4月16日 00:00
ソフトバンクは、新料金プランの「「ペイトク2」「テイガク無制限」「ミニフィット2」を発表しました。いずれも6月2日に導入されます。
“値上げ”と評されているように、既存の料金プランよりも金額は高めに設定されている新料金プラン。一方で、「ペイトク2」には、既存の料金プラン以上にPayPay還元を手厚くしているメリットもあります。
現行の「ペイトク」も、7月1日から値上げされる予定のため、人によっては「ペイトク2」に切り替えた方がお得になるケースも。
逆に、新規受付を終了するペイトクを使い続けたり、今のうちにペイトクに加入しておいた方がいい場合もあります。そんなケース別に、「ペイトク」と「ペイトク2」を比較し、選択すべき料金プランをひも解いていきます。
PayPayカード ゴールド保有者はペイトクよりおトク、料金据え置きで還元は手厚い
PayPay連動で還元率が上がる「ペイトク無制限」(以下、ペイトク)は、そのお得さが受け、契約者数は200万を突破しているといいます。
「ペイトク2」は、その特徴を受け継いだ料金プラン。各種割引適用前の基本料金は1万538円と、現行の「ペイトク無制限」の9625円から、913円高くなっています。ただし、ペイトク自体も7月1日に550円値上げされるため、価格差は363円まで縮まります。
それでも「ペイトク2」の方が高くなる一方、 「ペイトク2」では割引が強化 されています。「新みんな家族割」で1210円、「おうち割光セット」で1100円というのは「ペイトク」と同じ。変わったのは、「PayPayカード割」です。ペイトクでは、PayPayカード割が187円だったのに対し、「ペイトク2」では、PayPayカードで330円、PayPayカード ゴールドで550円の割引になっています。
PayPayカード割が最大で363円上がっていることで、ペイトクと「ペイトク2」の差額が帳消しになる建付けになっていると言えるでしょう。PayPayカード ゴールドさえあれば、現行のペイトクの値上げ後の金額と変わらない料金になるというわけです。
料金は変わらないものの、特典は増強されています。 大きいのは10%にもなるPayPayの還元率 。上限は4000ポイントと、現行のペイトクと同じですが、4万円の利用で上限に到達するため、無理なくポイントを稼げます。現行のペイトクの8万円で4000ポイントを負担に感じていた人には、いい仕組みになっていると言えるでしょう。
また、PayPayの利用だけでなく、PayPayカードの利用額もポイント還元の対象になります。還元率の向上と、還元対象となる決済手段の拡大の2つで、現行のペイトクよりもポイントがたまりやすくなっています。ソフトバンクの専務執行役員 寺尾洋幸氏が「ゴールドカードを持っている人はすぐに変えた方がいい」と語っていた理由はここにあります。
もう1つのメリットは、「SoftBank Starlink Direct」「Fast Access」に加え、1カ月分の「海外データ放題」が無料になること。前2つは値上げ後にもつきますが、現行の「ペイトク」は海外データ放題が無料になるのが5日間にとどまるため、海外利用が多い人も「ペイトク2」に変えた方がお得になることが多くなりそうです。
通常カードならペイトク維持か、差額は実質1220円に
一方で、PayPayカード ゴールドがないと、話が変わってきます。
まず、通常カードだとPayPayカード割が330円に減額されるため、値上げ後のペイトクと比べても、「ペイトク2」の方が割高になります。PayPayカードがない人も、基本料が安い現行のペイトクの方が、値上げ後も安くなります。この時点で、すでに「ペイトク2」を選択するメリットが薄くなります。
さらに、ペイトクでは4000ポイントだった上限が、3000ポイントに減額されます。還元率は5%と変わらないため、より早く上限に到達しやすくなったと言えるでしょう。寺尾氏は、「普通の方が普通に達成できる上限を設定した」と語っていたものの、ユーザーは上限を達成したいのではなく、使った金額に対して還元を受けたいだけなので、これはあまり理由になっていない印象も受けました。
通常のPayPayカードの場合、基本料からPayPayカード割を引いた料金は9988円から1万208円にアップするだけでなく、還元額も1000円ぶん下がってしまうというわけです。新旧の料金差と付与されるPayPayポイントの差分は、トータルで実質1220円。金額だけを見ると、現行のペイトクの方がお得に見えます。
そのため、 すでにペイトクに加入し、PayPayカード ゴールドを持っていないユーザーは、無理に料金プランを変更する必要はありません 。新規受付は終了するものの、既存のユーザーはそのまま使い続けることができるからです。また、PayPayカード ゴールドを持っていない人で、ペイトクを検討していた人は、6月1日までの間に駆け込みでペイトクを契約するのがお得と言えます。
ただし、「ペイトク2」であれば、PayPayカードで直接支払ったぶんにも、5%の還元を受けることが可能。より容易に上限の3000ポイントを受けられる形です。ペイトクで、上限いっぱいの4000ポイントまで還元を受けようと思うと、8万円分の決済が必要。しかも、PayPayのみという条件があるため、かなりの支払いをそちらに寄せなければなりませんでした。
実際にペイトクを利用している筆者は、日々の食事代はほぼすべてPayPayに寄せているほか、数万円のものを購入する際にも、なるべくPayPay対応店を利用しています。結果として、毎月漏らさず達成しているものの、出張が多く、日本を留守にしていることが多いと、やや達成のハードルが上がると感じています。
このようなケースでは、タバコのように保存が効き、かつそれなりの金額になるものをまとめ買いしておくなど、ちょっとした攻略テクニックを使っています。これを無理と捉えるか、ポイ活と捉えるかは人それぞれですが、「ペイトク2」であれば、上限達成のための買い物までする必要はなくなりそうです。
ローミングの無料日数をどう捉えるか、ゴールドカード契約も視野に
また、先に述べたように、ペイトクと「ペイトク2」では、海外データ放題の日数にも違いがあります。ペイトクは5日ぶん、「ペイトク2」は1カ月ぶん。
1週間を超える海外旅行や出張をするようなケースが多いと、ペイトクの5日間では足りなくなります。
これを筆者の過去のケースに当てはめてみると、2月は2月3日~6日までの4日間を台湾でグーグルを、2月27日と28日の2日間はスペインのバルセロナでMWCを取材していました。計6日間になってしまうため、1日ぶん、無料の枠が足りません。
そのまま3月に突入し、3月は3月1日から6日までの6日間、バルセロナに滞在しました。この時点で、すでに無料ぶんをオーバーしています。3月は、ほかにもOPPOの取材で中国・深センに3日間いたため、ペイトクで海外データ放題が無料になる5日は軽くオーバーしています。
代わりに海外用のeSIMなり現地SIMなりを調達するとそれなりのコストになるため、1220円差であれば、「ペイトク2」に切り替えてしまう手もあります。
とはいえ、筆者もここまで連続して海外出張が入るのはまれなケース。1カ月丸ごと日本にいる月もあります。無料の海外データ放題はあると嬉しいサービスですが、出張のある月だけ、ほかの手段で補えばいいような気もしています。
では、「ペイトク2」のためにPayPayカード ゴールドを持てばいいのでは……と思われるかもしれませんが、年会費無料の通常カードとは異なり、PayPayカード ゴールドには1万1000円の年会費がかかるのが悩みどころになりそうです。ペイトクから「ペイトク2」に切り替えたときの1220円の差は1年で1万4640円になるため、年会費を上回るメリットはあります。
また、固定回線の「ソフトバンク光」やホームルーターの「SoftBank Air」にも12月に「PayPayカード割(B)」が新設され、PayPayカードで支払うと現状と同額、PayPayカード ゴールドだと550円の値下げになり、年会費の半分以上はここで回収できます。

さらに、PayPayカード ゴールドは、新料金プランの導入と同日の6月2日から特典が変更になり、これまでの+0.5%の還元(ベースと合わせて1.5%)から、年間100万円以上の利用で1万1000ポイント還元に切り替わります。これが適用されれば「ペイトク2」を選択するメリットはかなり大きくなります。
ただ、「ペイトク2」で毎月、上限を達成した際に使う金額は年48万円。上限達成だけでは、PayPayカード ゴールドで特典を受ける条件は満たせません。ほかの支払いもある程度このカードに寄せるのであれば年会費がポイントで相殺されておトクにはなるものの、通信料のためだけに決済まで大きく変更するのはなかなかハードルが高いのではないでしょうか。
こうした条件が面倒だと思う人は、ペイトクを継続するなり、今のうちにペイトクに入っておくなりした方がいいでしょう。
単純な値上げではなく、光回線の有無やクレジットカードの利用額といった条件によってお得度が左右されることになり、複雑さが一気に増した印象を受けます。自分がどのケースに当てはまるのかを考えつつ、料金を選択する必要があると言えるでしょう。












