石野純也の「スマホとお金」
グーグル新スマホ「Pixel 10a」、各キャリアを比較――“真の実質24円”はワイモバイル
2026年4月9日 00:00
グーグルのPixelシリーズで、もっとも人気のあるのが廉価モデルのAシリーズ。上位モデル譲りのパフォーマンスながら、ところどころでコストダウンしていて手に取りやすいのが魅力です。
また、先代の「Pixel 9a」からは、デザインも上位モデルから変え、カメラ部分まで本体になじむよう、飛び出している部分を最小化しています。4月14日に発売される「Pixel 10a」では、これがほぼフラットな形になりました。
機能面では、チップセットがPixel 9aから据え置きの「Tensor G4」ながら、「Tensor G5」を搭載したPixel 10シリーズと同じ「カメラコーチ」や「オートベストテイク」には対応。クイックシェアはiOSなどのAirDropと互換性を持たせています。
グーグル直販価格は、Pixel 9aから据え置きの7万9900円から。4キャリアとそのサブブランドでも取り扱っています。ただ、キャリアが取り扱うPixel 10aは、やや本体価格が高めの傾向にあります。ここで活用したいのが、残クレとも呼ばれる端末購入プログラム。各社がPixel 10aをどのように販売していくのかを128GB版で比較していきます。
獲得重視のauとソフトバンク、ソフトバンクは純粋新規も狙う
キャリアの本体価格は、グーグル直販よりも高め。一方で、端末購入プログラムを使い、2年後に端末を下取りに出すと残債が免除され、月々の支払いがほぼなくなる仕組みも用意しています。KDDIは、auにMNPした際の実質価格を月2円(初回3円)にしており、2年での実質価格は2万2047円(特典利用料含む、以下同)になります。
auの「スマホトクするプログラム+」で端末を返却すると、利用料が2万2000円かかる一方で、auでの機種変更をすればこれが免除されます。あくまで端末返却とauでの機種変更は条件になりますが、最新モデルを47円で利用できるのは破格と言っていいでしょう。au回線の利用を考えている人には、手軽な選択肢になりえます。
ソフトバンクはさらに安く、MNPであれば月額1円。しかも、「新トクするサポート+」の早期利用料がかからないため、1年利用時でも、2年利用時でも実質価格はほぼ変わりません。1年であれば12円、2年であれば24円で、特典利用料の2万2000円はauと同様、ソフトバンク同士での機種変更で免除されます。
さらに、ソフトバンクの場合、他社回線からのMNPを伴わない純粋な新規契約も、MNPと同額。この点は、純粋な新規契約だと毎月の支払額が958円(初回は971円)で実質2万2047円になるauとの違いになります。子どもが持つ初めてのスマホなどでは、新規契約になることが多いため、この点ではソフトバンクの方が買いやすいと言えそうです。
もっとも、2キャリアとも、機種変更はやや高めに価格設定されています。auは実質価格が5万4600円、ソフトバンクは7万6240円。ただし、auについては、2万2000円の割引があり、その条件に「auバリューリンク マネ活」などの料金プラン加入が指定されています。これは、比較的料金が高いプランを優遇した既存ユーザー向けの施策です。いずれにせよ、ソフトバンクの方が獲得に偏っていると言えます。
楽天モバイルもMNPならポイント込みの実質価格が1万円台に
月額一桁円までのインパクトはないものの、楽天モバイルもMNP獲得のために、かなり攻めた価格設定になっています。こちらは、MNPの場合に「買い替え超トクプログラム」を利用すると、月額990円。実質価格はその24カ月ぶんにあたる、2万3760円になります。支払いが不要になるのは6万6000円です。
楽天モバイルの買い替え超トクプログラムは、製品回収時に事務手数料が別途3300円かかるものの、ドコモ、au、ソフトバンクのような特典利用料と比べるとその価格は安め。この手数料を加味しても、実質価格は2万7060円で済みます。
また、MNPの場合、別途楽天ポイントが1万ポイントつきます。これを加味した実質価格は1万7060円。毎月の支払いは発生するものの、auやソフトバンクのように、特典利用料がかかりません。機種変更時に、他キャリアやオープンマーケットモデルを選んでも、負担が増えないというわけです。条件次第では、auやソフトバンクを下回る格好です。
楽天モバイルの場合、元々の通信料が安いこともあり、これを加味したランニングコストは他社を下回ります。auやソフトバンクのように、毎月の支払いがほぼ無料と言えるレベルまで下がるわけではありませんが、まずまずリーズナブルな支払いで持てる端末になっています。その意味では、比較的選びやすい1台と言えます。
もっとも、楽天モバイルでも、純粋な新規契約や機種変更だと、価格はやや高めになります。新規契約だと月額1490円で、24回ぶんが3万5760円。ここに買い替え超トクプログラムの手数料が3300円かかります。機種変更だとこの価格が月額1990円まで上がり、24回の実質価格は4万7760円に。手数料を加味すると、5万円を超えます。
これだと、楽天モバイルで購入するメリットが薄くなります。グーグル直販で購入し、使い終わった端末を自ら中古店に売却する場合、ほぼ同等か安くなることも。その意味では、楽天モバイルも獲得に偏った価格設定になっていると言えるでしょう。
MNPを盛らないドコモ、サブブランドも健闘
逆にドコモは、MNPでもあまり安くならない価格をつけています。「いつでもカエドキプログラム」で端末を23カ月目に返却した際の実質価格は、MNPで4万3560円。毎月の支払いは、1893円になり、4キャリアの中でもっとも高くなります。また、いつでもカエドキプログラムも最大で2万2000円の利用料がかかるようになりましたが、現時点ではMNPがいくらになるのかの記載はありません。
ドコモの場合、純粋な新規契約でもMNPと価格は同じ。機種変更は、5万2800円と新規やMNPよりも1万円弱、価格が上がります。他キャリアと比べると、特定のユーザーに偏った価格設定にはなっておらず、既存ユーザーにも公平感がある一方で、MNPで他社に競り負けないかが心配になってきます。他機種では、よりアグレッシブな設定をしていることもあるため、Pixel 10aではあまりそこを重視していないのかもしれません。
また、Pixel 10aは、メインブランドだけでなく、ワイモバイルやUQ mobileといったサブブランドでも販売しているのがポイント。上位モデルのPixel 10シリーズは取り扱いがないため、最新のPixelをサブブランドで使いたいときのいい選択肢になります。サブブランドでも買えるという点では、「e」のつく廉価モデルのiPhoneと同じ扱いと言えるかもしれません。
特筆すべきはその価格帯で、ワイモバイルはMNPだと月額1円。ソフトバンクの新トクするサポート+とは異なり、ワイモバイルの新トクするサポートは特典利用料もかかりません。MNPであれば、文字通り実質24円になるというわけです。純粋な新規ではやや価格は上がるものの、それでも実質価格は1万9200円と、2万円を下回っています。
これと比べるとUQ mobileはやや高めになる一方で、「スマホトクするプログラム」が適用されると、実質価格は2万2047円と比較的安価に入手することが可能です。ただ、UQは新規だと実質4万4047円、機種変更だと実質5万4600円になり、メインブランドとあまり変わらない点には注意が必要です。
サブブランドは毎月の料金も安く、楽天モバイルの最大のライバルになります。MNPでの実質価格も抑えられているので、UQ、ワイモバイル、楽天モバイルで三つ巴の戦いになりそうです。人気が高く、販売数も多いPixel Aシリーズの最新モデルなだけに、(ドコモ以外の)各社とも、アグレッシブにユーザーを獲得しようとしていることがうかがえます。













