石野純也の「スマホとお金」
ドコモ新料金プラン「eximo」「irumo」への切り替えでオトクになる裏ワザと注意すべきポイントとは
2023年7月6日 00:00
7月1日に、ドコモは料金プランを改定し、低容量向けの「irumo」と、中・大容量をカバーする「eximo」の2本立てになりました。
筆者もさっそく、手持ちの2回線をirumoとeximoそれぞれに変更してみましたが、7月1日は電話も混み合っていて、つながりづらい状態でした。ドコモから低容量の安価な料金プランが登場したということもあり、世間でも話題になっているようです。
新規契約やMNPの場合、契約したその日からすぐにこの料金プランが適用されるため、あまり難しいことを考える必要はありません。
一方、ドコモ内で料金プラン変更をする場合、少しばかり注意が必要になります。 プラン変更の仕方によっては、料金が高いまま、データ容量だけが少なくなってしまうこともありえる からです。プラン変更時にどのように料金が適用されるかは、適用条件書にまとめられています。今回は、筆者の実例も交えつつ、この条件を読み解いていきます。
「5Gギガホ」からeximoへの変更は適用時期を選択可能、当月の場合は再計算に
まず、もっとも分かりやすいケースから。5Gギガホ(プレミア含む)から、同じ容量無制限のeximoに変更した場合の話をしていきましょう。
容量 | 料金 | 各種割引適用後 |
1GB未満 | 4565円 | 2178円 |
3GB未満 | 5665円 | 3278円 |
3GB以上 | 7315円 | 4928円 |
5Gギガホからeximoに料金プランを変えるときには、「即時適用」と「翌月適用」をユーザーが選択 できます。筆者も、my docomoで料金プランを変更した際に、どちらか一方を選べたことは確認しています。即時適用を選ぶと、すぐにeximoに料金が変わります。
この場合の支払額は、eximoの料金に準拠します。 提供条件に、当月1日にさかのぼって料金が計算されると記載 されているためです。使用済みのデータ容量も、さかのぼる対象。 5Gギガホで10GB使っていたら、eximoもそのまま10GBになり、変更直後に料金は上限に達し 、7315円がかかります。各種割引適用後だと、金額は4928円になります。
計算をさかのぼるため、難しいことは考える必要なく、料金プランを変更できると言えるでしょう。
5Gギガライト→eximoは注意!
ただし、 元々の料金プランが5Gギガライトだった場合は、即時適用が選べず、翌月適用のみ になります。
7月に料金プラン変更したとしても、eximoになるのは8月1日からということです。
この場合、その月に使えるデータ容量の違いには、注意が必要になります。即時適用だと思って大量にデータ通信してしまうと、5Gギガライトの上限に達し、 速度が制限されてしまうおそれがある からです。
4Gのギガライト→eximoは即時適用
一方で、同じギガライトでも、 4G用のギガライトの場合は、eximoが即時適用 になります。4G用の料金プランは、ギガホも即時適用のみ。
この場合、上記の5Gギガホからeximoに変更したときと同様、料金はもちろん、データ容量も月初までさかのぼって再計算されます。
ギガライトで上限いっぱいまでデータ通信してしまった際に、eximoに変更するといったことも可能です。
ahamo→eximoの場合は?
オンライン専用プランのahamoからeximoへの変更の場合、ややルールが異なります。
こちらは、即時適用でかつeximoの料金が適用されますが、データ使用量の再計算はしないことになっています。 つまり、ahamoでいくらデータ通信をしようが、同月内のeximoのデータ使用量には影響を与えない ということ。
このケースでは、月末ギリギリに料金プランを変更した方がお得になることがあります。ahamoの20GBを使ったうえで、eximoの1GB以下なり、3GB以下なりの料金が適用される可能性があるからです。
現在契約中の料金プランによって、変更すべき時期が変わってくると言えるでしょう。
即時適用が原則のirumo、ただし料金反映は翌月からに
旧料金プランからirumoに変更する場合はより条件がシンプルで、基本的には、すべて即時適用になります。 ただし、変更した月は、変更前の金額が適用される点には注意が必要 です。一例を挙げると、5Gギガライトからirumoに7月中に料金を変更するケースでは、料金が安くなるのは8月ぶんから。7月中は、ギガライトの料金が適用されます。
少々複雑なのは、使ってしまったデータ使用量の扱い。
先に挙げたeximoへの変更では、データ使用量も含めて再計算されますが、 irumoへの変更に関しては、データ使用量もそれぞれの料金プランが適用 されます。ギガライトで使ったデータ量と、irumoで使ったデータ量は、別カウントになるということです。以下に、簡単な例を示してみましょう。
5Gギガライト→irumoの場合
例えば、7月5日に5Gギガライトからirumoの3GBに変更し、5Gギガライトでは800MB程度使っていた場合、7月の料金は5Gギガライトのものになります。各種割引適用後の金額は、2178円です。
一方で、その後にデータ通信を使っても、5Gギガライトの料金はこれ以上、上がることはありません。料金プラン変更後のデータ容量は、変更後の料金プランで計算されるからです。この場合、irumo変更後は3GBまで通信速度に制限がかからず利用できます。
ただ、どうせ5Gギガライトの料金を払うなら、irumoのもっとデータ容量が大きいプランを選択する手もあります。 3GBプランを選ぼうが、9GBプランを選ぼうが、7月の料金は2178円になる からです。同じ2178円なら、使えるデータ容量が多い方がいいですよね。
irumoの各種割引適用後の料金は2090円のため、それでも5Gギガライトの方が高くはなりますが、2178円払って3GBになってしまうよりも、どうせなら9GB使い切りたいところです。
とは言え、これだと翌月も9GBプランのままになってしまいます。
本当は3GBで十分というのであれば、7月中にもう1回、irumo内で料金プラン変更をかけておくのが正解。irumoの提供条件書を見ると、irumo同士のプラン変更は、原則として翌月適用になるからです。
いったん、9GBプランを選んだあと、再度3GBへの変更をかければ、翌月から880円の3GBプランとして利用できます。この場合、段階的に料金プランを落としていった方がいいと言えるでしょう。
2段階料金プラン変更でお得になるケースも、料金プラン変更の裏技とは
5Gギガライトからirumoの9GBプランを経由し、3GBプランに変更する場合だと、7月中のデータ容量が増えるだけで、支払う金額は変わりません。
一方で、元々の料金プランによっては、2段階料金プラン変更で、支払う金額が安くなるようなパターンも存在します。それが、 5Gギガホ プレミアを含むギガホからirumoに変更する場合 です。データ使用量を落とし、料金を節約したいときにこの変更をすることが多いでしょう。
このようなときに、ギガホからirumoに料金プランを変更すると、ギガホの料金でirumoの容量になってしまいます。5Gギガホ プレミアで3GB以下に収まっていた場合の料金は、各種割引適用後で3278円。3GB以下の割引がない旧料金の5Gギガホでは、6028円もの料金がかかります。
一方で、データ容量はirumoに準拠するため、割高な料金で3GBを使うハメになってしまいます。8月からは料金が落ちるとは言え、どうせなら7月の料金も削減したいところです。
実はこの場合、いったんeximoに変更することで、料金を抑えられる可能性があります。
ギガホからeximoへの変更は即時適用が選択でき、料金だけでなく、データ使用量も月初にさかのぼって再計算されるためです。
この仕組みを活用し、データ使用量を1GB以下に抑えておけば、7月はeximoの最低料金を支払うだけで済みます。各種割引適用後の料金は、1GB以下で2178円。7月はこの金額で、irumoの3GBを利用できます。 直接irumoに移るよりも、eximoを経由した方がお得 になるというわけです。
注意したいのは、頻繁な料金プラン変更の繰り返しです。
「5Gギガホ プレミア」から「eximo」に変え、そこから「irumo」にしただけですでに2回料金を変えています。
ここでやっぱり3GBじゃ足りないと思い直し、ahamoなりeximoなりに変更すると、3回目の料金プラン変更がかかってしまいます。ドコモの料金プラン変更は基本的に無料で行えますが、それは 1カ月に2回まで 。3回目以降は、1回1100円の料金がかかってしまいます。
そのため、こうした裏技で料金プラン変更する際には、最終的にどの料金プランにするかをしっかり見定めてから、一気に作業した方がいいでしょう。上記のケースだと、最終的にirumoで何GBプランにするかを決めてから、5Gギガホ プレミアからeximoに変更するというわけです。料金を下げようと思って手数料がかかってしまっては、まさに本末転倒です。
また、irumoからahamo、eximoなどを経由し、再びirumoに戻した場合、ahamoなりeximoなりの料金とirumoの料金が二重課金されます。一見すると損をしているかのように思えますが、実はahamoユーザーがデータ容量を増やしたいときには便利に使えます。例えば、7月に容量が足りなくなりそうになったとき、ahamoからirumoに変更すると、ahamoの料金でirumoで選んだデータ容量を使用可能になります。
翌月はirumoでのスタートになるので、その容量を使ったあとahamoに戻すと、料金はirumoとahamoの二重課金になります。翌月以後もこの変更を繰り返すと、毎月ahamoとirumoを合算した容量を利用できます。
二重課金でも1100円の「1GB追加オプション」で容量を増やすよりお得になるケースは多々あります。少々手間はかかるものの、データ容量アップに有効活用できるというわけです。このような裏技的な料金プラン変更術を見つけるためにも、提供条件書は必読。お得にドコモの新料金プランを使い倒しましょう。