本日の一品

充実の進化を遂げた「AirPods Pro 3」に大満足

 筆者が常用しているイヤホンは、Appleの「AirPods Pro」初代モデルです。2019年の発売からほぼ毎日使い続けてきたこともあり、最近では妙なノイズが入ったり、通話中に共振したりと不具合が目立つようになってきました。

 そろそろ買い替えどきか……と思っていたところ、iPhone 17シリーズと同時に発表されたのが新製品「AirPods Pro 3」。迷わず購入し、数日間使用してみた結果、その進化に目から鱗ならぬ“耳から鱗が落ちる”ような驚きを覚えたので、ご紹介したいと思います。

 なお筆者が所持していたのは初代のAirPods Proであり、以下では主に初代との比較が多くなる点をあらかじめご了承ください。

「AirPods Pro 3」。センサー類が増えてものものしい印象になりました。
専用ケースにすっぽりと収まります。ケースにストラップホールが付いたのが嬉しいポイントです。

 説明不要かもしれませんが「AirPods Pro 3」は、Appleが展開する左右分離型ワイヤレスイヤホンです。iPhoneとBluetoothで接続して音楽やラジオを聴くだけでなく、通話にも利用できます。

 Apple製品との親和性は言うまでもなく抜群です。収納ケースのフタを開けるとiPhone画面にダイアログが現れ、ペアリングを選ぶだけで接続完了。その後は同じApple IDで紐づいた機器間であれば、即座に接続先を切り替えられます。この「当たり前」の便利さこそ、使ってみないと分からないApple製品の利便性のひとつだと個人的には思います。

従来モデル(AirPods Pro)との比較。上がPro、下がPro 3です。センサー類が変わっただけでなく形状も少し変化しています。
左がPro 3、右がPro。ケースに入れると、形状の変化が顕著に分かります。
左がPro 3、右がPro。ケースのサイズも、Pro 3のほうがわずかに大きくなっています。

 AirPods Proシリーズの特徴でもあるアクティブノイズキャンセリング(ANC)は、従来モデルと比べて大きく進化したように感じます。直前まで従来製品を使っていたからこそ、より静寂の度合いが深くなったことが分かりました。

 イヤホンの柄を握り込むと「トォン……」という音が鳴り、周囲が一瞬で静寂に包まれる。この感動を、あらためて体験できるとは思いませんでした。

 ちょうど製品が届いた直後に飛行機に乗る機会があったため、さっそく試してみたのですが、機内特有の騒音がまったく気にならないレベルまでおさえられました。

 途中で外部音取り込みモードに切り替えた瞬間に押し寄せてきた轟音に思わず「ヒッ」と声を漏らしたほどです。また、ANCをオンにしている間は静寂を保ちながらも、機内アナウンスはきちんと聞き取れるのも不便がないながらも不思議です。

内部にウレタンを内蔵したという新しいイヤーチップ。交換方法も従来シリーズとは異なっており、互換性がなくなりました。
最初から装着されているものを含め、5つまで付属するイヤーチップ。サードパーティに頼らず最適なサイズを探求できそうです。

 ただしANCの常として、接近する車の音なども消してしまうため、屋外では逆に恐怖を感じる場面もありました。街中では「外部音取り込み」を使うのが良さそうです。

 ちなみに外部音取り込みの自然さもさらに進化していて、もはや単なる耳と言っても過言ではないと思いますし、聴覚サポートを使用すれば補聴器的に利用できるのも推せるポイントのひとつです(※あくまで補助的なものであり、医療機器としての補聴器の代替となるものではありません)。

AirPodsシリーズに従来からある聴覚サポート機能。医療機器としての補聴器の代替にはなりませんが、聞こえにくいケースを補助してくれます。

 イヤホン本来の用途である音質も、ANC性能の進化と相まって改善されていると思います。正直、従来のAirPods Proは「便利だけど音質はまあ……」という印象でした。

 AirPods Pro 3は、以前よりも細やかな音が明らかによく聴こえますし、おなじみの「空間オーディオ」では、音がより多層的になり、聴こえる空間が以前よりも明確に「広く」なったように感じます。このあたりは個々人で感じ方の差はあると思いますので、ぜひApple Storeなどの店頭でお試しください。

 さらに新機能として注目なのが「心拍数センサー」です。これは常時計測するわけではなく、iPhoneの「ワークアウト」アプリで運動を開始した際にオンになり、心拍数を記録してくれるようになっています。

AirPods Pro 3を装着してiPhoneでワークアウトを開始したところ、すぐにAirPods Pro 3をハートレートモニタとして認識し、計測を開始してくれました。

 試しにApple Watchを付けずにウォーキングをしてみましたが、ワークアウト開始直後にハートレートマークのところにAirPods Pro 3が表示され、問題なく計測してくれました。心拍数は運動の強度を把握するうえで重要な指標なので、Apple Watchを持っていない方でも、スマホ片手に運動する習慣がある人には便利そうな機能です。

約1kmほどウォーキングした際の心拍数の計測。おおよそ正確な数値が出ているように思います。

 ちなみにApple Watchなどを併用すると、両方から取得したデータを組み合わせて計測してくれるとのことで、併用も有効そうです。いずれにせよランやジョギングのようなワークアウトを行う際、イヤフォンを持っていく方が大半だと思いますので、自然と運動強度の計測を行えるようになりそうです。

 なお、AirPods Pro 3と同時に発表された目玉機能である「ライブ翻訳」、会話をリアルタイムで翻訳し、音声で聞かせてくれるという、まさに未来は今という先進的な機能です。

 ただしこの機能はApple Intelligence対応のiPhoneが必要ということで、筆者の所持している端末では試すことができなかったのでした。実に残念です。近いうちにiPhoneを機種変して是非試してみたいと考えています。

 ちなみに筆者もつい先程まで誤解していたのですが、ライブ翻訳はAirPods Pro 3固有の機能ではなく、AirPods Pro 2やAirPods 4でも利用可能とのこと。Apple Intelligence 対応端末をお持ちの方は、是非お試しいただければと思います。

 長々と書いて参りましたが、iPhoneをはじめとするApple製品との親和性の高さは言うにおよばず、性能面でも機能面でも格段の進化を遂げたAirPods Pro 3。間違いなく筆者の今年のベストバイの一つになりそうです。ぜひ店頭で試してみていただきたい、おすすめの一品です。

製品名発売元価格
AirPods Pro 3アップル3万9800円
Amazonで購入