本日の一品
焼き網に並べてもリアルすぎる!? 水鉄砲「あさりのみずピュー」は買い!
2025年10月6日 00:00
水鉄砲の歴史は意外に古く、日本では竹筒を使ったシンプルなものが縁日で子供に親しまれてきた。海外では1970年代にポンプ式が登場し、1990年代には「Super Soaker」が爆発的にヒットした。日本と比べると、海外のほうが威力や飛距離を追求する傾向が強かったのは興味深い。
だが、近年は日本独自の発想による小型かつユーモラスな水鉄砲が多く登場し、世代を問わず人気を博している。今年の夏は特に暑さが長引いており、10月に入っても水鉄砲が現役で活躍するシーズンが続いている。そんな中で上野の玩具店で偶然出会ったのが、まるで本物の貝殻のようなユーモアグッズ「あさりのみずピュー」である。
上野ヤマシロヤで出会った「あさり」
筆者がよく友人と待ち合わせをするのは、上野駅不忍口南側にある玩具の老舗「ヤマシロヤ」である。今回も上野東京ラインが途中で緊急停車し、友人が遅れて到着することになった。その待ち時間に立ち寄った店内で偶然目に入ったのが「あさりのみずピュー」だ。
販売元は台東区に拠点を構えるTOYS ONDA。商品名からしてユーモアに富み、さすが玩具メーカーの老舗と唸らされる。
この製品は早い話が水鉄砲である。しかし外観は二枚貝そっくりで、キーチェーン付きで持ち運びやすい。貝殻をわずかに開くと内部に黄色く膨らんだ“貝の身”が現れる。
この部分が水を吸い込むタンク兼ポンプであり、貝殻を押すことで内部が圧縮されて水が勢いよく噴射される仕組みになっている。噴出口はひとつだけなので水流が安定しており、押す力加減で勢いを自在にコントロールできる。
実際に測ってみると容量は約3ミリリットル。一般的なお弁当に入っている魚型のしょうゆ入れ「ランチャーム」が2.5ミリリットル程度なので、それよりやや多い。1回の給水で2~3回の噴射が可能で、室内外問わず軽快に遊べる。吸水方法は簡単で、コップや皿に張った水へ噴射口を差し込み、貝殻を押してから放せば自動的に水が吸い込まれる。
オフィスグッズとの比較
水鉄砲と聞くと、筆者が以前このコラムで紹介した「水鉄砲ボールペン」を思い出す。あちらは胸ポケットに差しておき、不意に“発射”することができるオフィス仕様だった。
今回の「あさり」はポケットには入らないが、キーチェーンをバッグの持ち手に付ければ携帯も容易である。どちらも共通しているのは、大人でもつい手に取りたくなる“遊び心をくすぐるガジェット”という点だろう。
驚くべきはその価格だ。税込330円という低価格ながら、リアルなカラーリングと丁寧な造形は価格以上の完成度を誇る。二枚貝の模様や質感は非常にリアルで、焼き網に乗せれば本物と見間違えるほどの迫力を放つ。
実際に網の上に置いて撮影した写真は、誰が見ても「焼きあさり」そのものにしか見えない。ユーモア玩具でありながらも造形美を追求する姿勢は、日本の玩具文化の底力を感じさせる。筆者が企画し米国のMoMAでも販売された「ホタルイカUSBメモリー」に通じるものがある。
水鉄砲は夏の風物詩である一方、近年はオフィスや家庭でのユーモアグッズとしても定着しつつある。ボールペン型が日常のちょっとした驚きを提供するなら、この「あさりのみずピュー」は屋外や家族の集まりにうってつけだ。
まだまだ暑さの残る時期、複数個まとめ買いして両手で撃ち合えば、大人でも童心に返って楽しめる。
容量は3ミリリットルと小さいが、それがかえって気軽に遊べる要素になっている。ランチャーム同等のサイズ感で携帯性も抜群。日常にユーモアと清涼感を運ぶこの小さな二枚貝は、来年以降の夏グッズとして定番化する可能性すら秘めているだろう。
| 商品名 | 発売元 | 実売価格 |
|---|---|---|
| あさりのみずピュー | オンダ | 330円 |










