本日の一品

懐かしいCASIOアナデジウォッチを超廉価で手に入れた

 昨今は昭和なレトロデザインの腕時計が若い人にも人気だ。スマートフォンさえあれば今更腕時計なんていらない世の中だが、サブスクの時代にレガシーなアナログLPレコードやカセットテープが売れるのと同じような感覚なのかもしれない。

 売れている腕時計は超高級で、もはや趣味の腕時計と言うよりは投資対象のようなポジションになってしまったロレックスなどのバブリー腕時計と、一方超安価で実用的かつ親しみを感じるチプカシやTIMEXなどの“昭和レトロ系”の腕時計だ。

 そんな腕時計をたくさんコレクションしている筆者だが、またしても“たいようのとけいてん”から送られてきたメーリングニュースに掲載されていた逆輸入版のカシオスタンダードメンズウォッチを衝動買いしてしまった。

 型番はAQ-230Aで標準販売価格は5500円のところ、なんと税・送料コミコミで4380円と言う破格だった。同じお店に、よく見ないと区別のつきにくいほぼ同機能のAQ-800ECというモデルもあるが、こっちは見た目少しリッチで6290円と2000円程高い。今回は少しでも安い方にオーラを感じてしまうダメな筆者が手に入れたAQ-230Aの方をご紹介したい。

 この販売店は逆輸入モノのカシオやセイコーの腕時計を多く扱っているが、同じモデルを海外から本体だけを大量に輸入しているのか腕時計個別のパッケージはない。コスト低減だけが目的ではないと思えるより安全なハード紙パッケージで、リーズナブルな郵送料金で配送されてくる仕組みが徹底されているようだ。

 パッケージの中にはAQ-230A腕時計本体と商品タグ、保証書、多国言語の取説が入っている。たいようのとけいてんが国内販売しているAQ-230Aには株式会社ペリオドの10年保証書(CASIO/SEIKO)とカシオ社のPDF版“取扱説明書”のダウンロードの仕方などを記述したはがき大の説明書きも付属する。

 国内外を問わず、カシオ社の腕時計の背面には標準的なキャリバー(メカ)番号、今回の場合は“5154”とそのすぐ隣に機種モデル番号、今回の場合は“AQ-230”の両方が記述されている。カシオ社のWebサイトでこのいずれかで検索することで“取扱説明書”を容易にダウンロードすることが可能だ。

 筆者の手に入れたAQ-230A(2A1)は、外装ケースはシルバーで文字盤はペールブルーという薄いブルーカラーのモデルだ。もう少し濃い色の流行りのターコイズブルーが欲しい人はAQ-230Aの2A2というモデルを選択すれば良いだろう。昨今はアースカラーである海や森の色のダイアルの腕時計が人気だ。

 AQ-230Aはネジ回しやソフトハンマーで叩いてピンを抜いてコマを取り外すタイプの、ベルト調整の不要なタイプなので簡単に好きな位置でアジャスタブル可能だ。対応できる腕の周囲サイズは140mm~205mm。

 腕首のかなり細い人からかなり太い人まで対応できそうだ。本体自重はたったの47gなので一般的なスポーツ系の腕時計に比較すると3分の1~4分の1の軽さだ。筆者などほとんど装着感がない感じだった。そして何よりの外観上の特徴は、アナログ表示のダイアルの下側に横長のデジタル表示窓のあることだ。

 筆者は常時デジタル表示部分には月日と曜日の表示をさせているが、同じ液晶表示部分を時刻合わせ、アラームやデュアルタイム、ストップウォッチ、アナログと同時デジタル表示、時刻の24時間表示変更がボタン一発で簡単に設定可能だ。

 アナデジウォッチの場合、通常はアナログは現在時刻、デジタルはカレンダーとか海外の任意の都市の時刻を常時表示させるデュアルモードやストップウォッチ表示など、種類の異なる時間イメージを同時表示することもが多いだろう。

 AQ-230Aはアナログの時刻表示とデジタルの時刻表示は連携しておらず、アナログウォッチとデジタルウォッチの2種類の時計機構がインテグレーションされているイメージだ。なので標準時刻へのアジャストはアナログとデジタルを別途行う必要がある。

 デジタルの時刻調整や多機能な使い方は、一般的なカシオのデジタル腕時計に準じてメニューを選択し腕時計の左側にある2個のボタン(BとC)を使って調整設定を行う。

 一方、デジタル機能とは全く別に動作しているアナログ腕時計の超短針は、腕時計本体の右側にあるガード付きのAボタンを押して調整する。基本的にデジタル表示が20秒進むとアナログの長針(分針)は3分の1分(20秒)進むシンプルな関係性を継続する構造になっている。

 なのでデジタル表示とアナログ表示の両方が毎正時に正しく合っていれば問題ないが、そうでない場合は修正が必要だ。まずはデジタル表示を時報に正しく合わせ、続いてアナログ表示の長短針の調整を行う。長針は腕時計本体右側のAボタンを1回押すと長針が3分の1分(20秒)進む。そして押し続けることで早送り操作になる。

 デジタル表示で変化する現在時刻を目で追いながら0秒、20秒、40秒のタイミングを待ち構えてAボタンを押すことでアナログ表示とデジタル表示の同期調整は簡単に設定できるだろう。

 今までチプカシや海外逆輸入モデルのカシオスタンダードモデルまで多くのカシオ腕時計をコレクションしてきた。どうも昨今は10万円や中には100万円近いプレミア価格のカシオG-SHOCKなどのモデルも多いが、カシオの腕時計の神髄は5000円以下の安価なモデルの素晴らしとその完璧さだと思っている。

 今回のAQ-230Aは昨今人気のブルーカラーのモデルだ。カシオスタンダードのAQ-230Aならたったの4830円、TIMEX社のウォーターベリークラシックならその5倍の24200円、バブリーなロレックスのオイスターパーペチュアルならなんと800倍以上の400万円近いプレミア価格だ。今回筆者はAQ-230Aを約1週間ほど使ってみてその素晴らしさと超越したコスパを再認識したしだいだ。

製品名販売元価格
AQ-230A(2A1) ペールブルーたいようのとけいてん4380円