本日の一品

「wena 3」をチューダーの「Black Bay Pro」に装着してみた

Black Bay Proにロレックス3連ブレス用のwena 3を取り付けた

 何年か前にごく普通のレガシーな腕時計のバックルを交換することで“スマートウオッチ”化する“スマートバックル”とでも言うべき商品がソニーから発売された。新しいモノ好きな筆者は速攻で手に入れたが、当時はまだキャッシュレス決済のFeliCaに対応しておらず1週間で使うことがなくなってしまった。

 その後、FeliCaに対応しておサイフケータイ機能をサポートする商品が登場した。速攻でシチズンアテッサモデルも一緒に買ってアナログのレガシーな腕時計をスマートウォッチ化して便利に使っていた。ユーザーの声が届いたのか否かは知らないけど、2022年夏に市場に数の多い“ロレックス スポーツモデル互換性モデル”用の「wena 3(RXSP3-WNW)」も発売になったのでまたしても速攻で購入した。

ロレックス3連ブレス用のwena 3をロレックスExplorer IIに1年ほど付けて便利に活用していた

 ロレックス用のwena 3のキットには、wena 3本体と充電用ケーブルやコネクター、取説などが収納されている。ロレックスにはドレッシーな5連のブレスレットとスポーツ系のモデルに比較的よく見られる3連のブレスレットモデルがある。wena 3は後者の3連ブレスのバックルを、wena 3スマートバックルでそのまますぐ置き換えてスマートウォッチ化する手間いらずな優れモノだ。

 さすがにロレックス専用対応機だけあって、ロレックス側のバックル前後のスクリューピン2本を抜き、それらを流用するだけで簡単に筆者のExplorer IIのバックルと交換でき、取り付けが完了した。ところが、筆者は2023年の夏にロレックスExplorer IIを売却してしまった。今まで使っていたExplorer IIの代わりになる腕時計はまだ所有していなかったので気に入っていたwena 3だけが残ってしまった。

 偶然にも、今年の春にネットで一目見て気に入って買った“LAARVEE”(通称Crushed Submarina)がなんとなくExplorer IIと似た雰囲気のブレスレットだったので、速攻で腕時計道具箱を取り出し取り付けてみたところ、難なく綺麗に取り付けることができた。これは幸いだった。

Explorer IIの売却後はそのまま簡単にLAARVEEに付け替えて活用していた

 腕時計オタクの多くの人はそうなのかもしれないが「ある腕時計を買った時にはもう次に買う新しい腕時計のことを考えている」と言われる。筆者も例外ではなさそうだ。まして、長く使ってきた腕時計を売却して1本減る状況であれば、うしろめたい気持ちもなく気分は加速されるのが当然だ。

 腕時計マニアの一般的な中毒的行動を大義名分にして、実はExplorer IIを売ると決めた日から次のメイン腕時計選びはスタートしていた。筆者が今後一生の友として選んだのは、以前から興味を持っていたチューダーの「Black Bay Pro」というGMT腕時計だった。

 幸いにも、ロレックスのディフュージョンブランドとして誕生したチューダー腕時計は、当然のようにロレックスのDNAを受け継いでいる。バックルの長さ調整を終えて、しばらく毎日身に着けて都内を散策してみたが、やはり従来使っていたおサイフケータイ機能は欲しいと思うようになってきた。

 もちろん普段使いの2台のメインスマホにもSuica(おサイフケータイ)機能は入れているが、たまにSuicaを使えないサブスマホやタブレット、モバイルパソコンを持って出ることがある。そんな時、キャッシュレス決済ができないことが何度かあった。

 筆者の超個人的な考えでは、現代のスマホのキャッシュレス機能はデバイスごとに固有のグーグルアカウントが求められることが、最悪の要因だと思っている。PayPayも同じだが、ひとつのSuicaをマルチデバイスで同時に登録することは許されていない。今後もマルチデバイスで使えないのなら、Suicaは諦めるので早く手のひらにより高性能なICチップを埋め込んで欲しいと思うことがある。

 ちょっと横道にそれたが話を元に戻そう。Black Bay Proのブレスレットは素人の筆者がパッと見た限り、ほとんどロレックスの3連ブレスとそっくりだ。それゆえ、きっと問題なく速攻でチューダーBlack Bay Proのバックルをwena 3に置き換えることもできると早合点してしまった。

LAARVEEのように簡単にBlack Bay Proにも取り付けられると思ったが無理だった

 実際にチューダーBlack Bay Proのバックルを取り外し、wena 3と置き換えたところ、ブレスレットの幅もネジ穴の位置も完璧に同じだった。さすがディフュージョンブランドだと思ったが、実際の交換取付作業は意外に苦戦した。

 取り外したチューダーBlack Bay Proのスクリューピンを使うとなんとピンが太過ぎてwena 3の穴を通らない。別のロレックスや他社の同じようなスクリューピンを代わりに使ってみると、wena 3の穴は上手く入るが今度はブレスレットのネジ穴の直径が大きすぎてスクリューピンの先端のネジで固定できない……これはヤバい。

 解決方法は2つあった。1つ目はアマゾンなどで軸の太さやネジの直径、ピンの長さなどのサイズ違いのスクリューピンを10種類ほどキットして腕時計のDIY修理用に販売されているものを買ってDIYする方法。2つ目は、馴染みの腕時計ショップに持って行って状況を説明し、修理としてバックルの交換取付を依頼することだ。

 最終的に、筆者は後者の馴染みの腕時計ショップに持って行って、取り付けてもらった。自宅の引き出しに沢山あったスクリューピンでは、最適のモノが見つからなかったがさすが専門店は違う。最適のスクリューピンを探して、翌日には完成していた。

止む無く1泊2日で近所の馴染みの腕時計屋さんに出して最適なスクリューピンを探してもらい完成した世界初かもしれないBlack Bay Pro+wena 3

 今回は2本のスクリューピン代金と修理代金で合計4400円の出費となった。もしDIYでやっていても、最適なスクリューピンのサイズを確実に知ることができない状況だったので、アマゾンで手当たり次第にスクリューピンを買っても上手くマッチする保証はなかっただろう。そういう状況なので選択した方法は間違っていなかったと思っている。

 最終的にロレックスExplorer IIで、1年強愛用していたwena 3は腕時計ショップの手を煩わせたが無事、筆者の最後の腕時計となるチューダーBlack Bay ProのスマートバックルとしてJRの改札機や都バス、区の巡回バス、コンビニのPOS端末で大活躍だ。スマートウォッチはすでに何本か使っているが、筆者の好みはレガシーな腕時計+スマートバックルで実現する昭和なスマートウォッチだ。

商品販売元価格
wena 3 RXSP3-WNWソニー3万6300円
(スクリューピン2本と取付費用 4400円)