本日の一品
亀仙人モデルのスウォッチを買いに入ったお店で“MoonSwatch”もついでに手に入れた
2023年10月30日 00:00
2022年3月に国内のスウォッチ店舗限定で発売され話題を集めたオメガ×スウォッチの「Bioceramic MoonSwatch」。お店によっては発売日に想定外のお客さんが詰めかけ、警察が出動するほどの大騒ぎ。販売が延期になったといういわく付きの腕時計だ。
腕時計マニアにとっては何かと話題性の高い商品なのでその後も販売店には長蛇の列が続いた。オメガとスウォッチの初コラボアイテムであるMoonSwatchの発売当初は3万3500円。人気のあると言われるオメガスピードマスターをバイオセラミックと呼ばれる新しい素材を用いカラフルな11色展開したので人気はうなぎ登り。
実は筆者も原型となったオメガスピードマスターの背面に記されている「FIRST WATCH WORN ON THE MOON」というのにハマって2000年ごろに有楽町の某大型家電店で18万円くらいで購入したが10年ほど前に15万円程で売ってしまった。先日、某時計店で売られている全く同じモデルを見て80万円を超える値札が付けられていて超驚いた。要は今は腕時計バブルなのだ。
先月、家族と銀座で食事をした後、ふらっとSwatchストア銀座に立ち寄ったら亀仙人モデルのスウォッチ(KAMESENNIN × SWATCH)を見つけた。好みのテイストで速攻で衝動買いしてしまった。レジでクレジットカードで支払いをしていると、カウンターの上にトレイに載ったMoonSwatchが数本ほど見えた。スタッフに聞くとこの5種類は全部在庫がありますとのこと。
長い行列に並んで買うなんていうのは、脊髄反射買いの流儀に反するので全くやる気もなかったが、今回はこの機会を逃してはならないと考え無謀にも亀仙人モデルとMoonSwatchの2本同時買いとなった。
当日トレーに乗っていたのは「Mission to Venus」、「Mission to the Sun」、「Mission to Jupiter」、「Mission to Pluto」、「Mission on Earth」の5本。後述するが、「Mission on Earth」はとある理由があって買う気がなかったので残り4本の中からカラーリング的に落ち着いた「Mission to Jupiter」を購入した。
「Mission to Jupiter」は、紙箱だが丁寧にパッケージングされていた。2022年の発売時には3万3500円だったらしいが、筆者が購入した9月18日には4万4770円と1万円以上値上がりしていた。その価格差もあって昨今の入手しやすさにつながっているのかもしれない。
筆者が最初に「Mission to Jupiter」を手にして感じたのは、その軽量さだった。筆者が以前持っていた、ステンレス製のモデルは140g前後。今回の「Mission to Jupiter」は外観形状はそっくりだが実測ではなんとたったの30gと、亀仙人モデル(実測28g)と2g差だった。腕時計は重くても軽くてもデザインや個性にマッチしていれば問題ないというのが筆者の考えだ。
実は今回の「Mission to Jupiter」を購入する前に、日本のインターネット販売やオークションで、模倣品が多く出回っておりMoonSwatchの購入希望者の中には、運悪く模倣品を掴まされたという話を何度も聞いていたので、筆者も模倣品の本場から数本取り寄せてみた。
実はその中に先ほどの「Mission on Earth」モデルもあったので今回は避けたしだいだ。数ある模倣品の中にもクオリティには差異がある。
単なるプラスチックを使っても、MoonSwatch風のマットな表面仕上げにすれば、本物を見たことも触ったこともない素人にはバイオセラミックとの区別はほぼ不可能だ。先ほどと同じように、今回のB級品以下の模倣品の重量を測定してみると、なんと本物よりも10gも軽量だった。
たかだか30gのスウォッチで、10gは極めて大きな重量差だ。実際に目を近づけて今回筆者が銀座のスウォッチストアで購入した「Mission to Jupiter」と模倣品の表裏を目を凝らしてみると素人でも多くの違いに気が付くはずだ。
まず動作中にパッと見て分かる違いは本物の「Mission to Jupiter」は6時位置のインダイヤルが秒を刻んでいる。対して模倣品では、一般的には秒針と思われる一番長いクロノグラフ秒針(今回のケースでは色は黒)が大きく移動して秒を刻んでいることが分かる。
そして、もうひとつMoonSwatchの「Mission to Jupiter」で秒を刻んでいるインダイヤルをはじめ、3個のインダイヤルは立体的な形状で全ての短い針は空間に浮いている。しかしB級以下の模倣品では、インダイヤルが平面的で多くの場合針も動作しない描きものの場合が多い。
模倣品の裏面は、凹面印字ではない手抜きの単なる印刷が多く、バッテリーカバーの周囲も凹凸やカバー保護のガードがないことが多い。
側面のリュウズの上下にあるスタート・ストップボタンやリセットボタンもインダイヤルの針が手書きで動作しないので押しても動作しない。当然内部にメカは入っていないので全体重量も軽くなる。
MoonSwatchは、炎天下でも腕時計の最も基本機能である視認性は極めて高く常時腕に装着していても30gは何も付けていない感覚に近い。
模倣品とホンモノのMoonSwatch「Mission to Jupiter」を束ねて持って見るとパッと見では本物と超破格の模倣品の区別はつきにくい。また模倣品もクロノグラフ機能はハリボテでも、ムーブメントにはクオーツを採用しているので時刻はそれなりに正確だ。
実際に、目の前にホンモノと模倣品を並べて比べて見ると、その些細な違いや細かな色遣い、デザインセンスは明確だがインターネット上の写真で見る限り、その判別はなかなか難しいだろう。
今回提示した模倣品は、あくまでB級品以下なので目の前で見れば素人でもその差は判別できる。しかし、本物の4分の1程度の価格で売られているものには、パッケージから保証書のレベルまでそっくりさんの模倣品があるので、正規のスウォッチストア以外で買うには覚悟が必要だ。かなりリスクは高いだろう。
2020年の3月から1年半で価格が1万円以上値上がりし、出荷量も増えつつあり、当初のような行列騒ぎも減りつつある。筆者のように何かのついでに正規のスウォッチストアを覗いてみれば、お目当てのMoonSwatchに巡り合うチャンスは多いだろう。ゆっくり待ってホンモノを手に入れられることをおすすめする。
製品名 | 発売元 | 購入価格 |
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Bioceramic MoonSwatch Mission to Jupiter | スウォッチ | 4万4770円 |