スマートバンドとスマートウォッチのいいとこ取りをした「Redmi Watch 3」

　先日「Xiaomi Smart Band 7」を記事にしたのですが、その直後に同じシャオミから「Redmi Watch 3」が発売されました。こちらはスマートバンドではなくスマートウォッチに類するものですが、お借りする機会を頂いたので折角ですからしばらく使ってみました。

　Redmi Watch 3はシャオミの中でも低価格の「Redmi」ブランドを冠しているだけあって、上位のXiaomiブランドを冠した「Xiaomi Watch S1」と比べると、さすがに高級感はなくよりカジュアルな印象。その分価格は1万7800円と半額程度に抑えられていますが、実際に使ってみるとスマートバンドとスマートウォッチの中間、という印象です。

発売されたばかりの「Redmi Watch 3」。よりカジュアル感が強く一層健康やスポーツに比重を置いたスマートウォッチという印象だ

　それゆえ用途としては健康モニタリングやトレーニングの記録などが主と考えられますが、心拍数や睡眠のモニタリングなど基本的な機能はXiaomi Smart Band 7と大きく変わらない印象です。ただ血中酸素レベルの測定は都度手動で測定する必要があり、常時測定には対応していないようです。

脈拍数などは自動で測定してくれるが、血中酸素レベルは手動で測定する必要がある

　一方、対応するトレーニングの種類は120種類とXiaomi Smart Band 7よりやや多めですが、ボードゲームなど運動以外のワークアウトは含まれていないので、より体を動かすことに重点を置いている印象です。そこで実際にトレーニングを何度か試してみたのですが、「Fitbit Inspire 2」と結果を比べた場合消費カロリーは低め、心拍数は高めに出る傾向にあります。

同じトレーニングをしてみて結果を比較。こちらは「Fitbit Inspire 2」のもの

こちらは「Redmi Watch 3」のもの。Fitbit Inspire 2と比べると全体的にカロリーが低く、心拍数が高く出る傾向にある

　そしてもう1つ、Redmi Watch 3はGPSを内蔵しているというのも、多くのスマートバンドとは異なるポイントと言えるでしょう。筆者はジョギングやサイクリングなどをしないのであまり有効活用できませんでしたが、屋外でのスポーツをする人にとって便利なことは間違いありません。

　では、スマートウォッチとしての機能・性能はどうか?　といいますと、1つメリットとして挙げられるのは画面の広さです。Redmi Watch 3は画面サイズ1.75インチと大きく、明るい有機ELディスプレイなので時計としては使いやすい。ウォッチフェイスも非常に充実しているので、好みのデザインにカスタマイズしやすいのもメリットでしょう。

「Xiaomi Smart Band 7」(右)と並べて装着したところ。面積で考えれば画面サイズはRedmi Watch 3に分がある

画面が大きいのでトレーニング成果も確認しやすい。機能やアプリは並べ替えも可能だ

　そしてもう1つは、スマートフォンの通話着信にも対応していること。通知だけならスマートバンドでも確認できますが、電話に出られるのはスマートウォッチならではのメリットといえます。時計で電話に出られても役立つのか?　と思われる方もいるでしょうが、何らかの作業中でスマートフォンが近くにない、あるいは近くにあっても取ることができないシーンはしばしばあること。そうした時でも腕の操作だけで電話に出られるというのは意外と便利です。

スマートウォッチなので電話もできる。スマートフォンが近くにない時でも電話に出られるので意外と便利だ

　さらにスマートウォッチとして見た場合、機能が少なめな分バッテリーの持ちがかなり良いというのも、Redmi Watch 3のメリットといえます。とりわけ高機能なスマートウォッチはバッテリーが1日持つかどうかというものが多いですが、Redmi Watch 3のバッテリーは筆者の体感でおよそ1週間は持つ印象です。バッテリー切れを意識することなく装着し続けられるのは安心感がありますが、それだけにある日、気が付いたらバッテリーが切れていた……ということもあったのでときどきは残量を確認した方がいいでしょう。

　一連の機能や内容を見るに、Redmi Watch 3は「Fitbit Versa 4」「Fitbit Sense 2」辺りが競合という印象を受けましたが、Redmi Watch 3は決済機能こそ乗っていないものの、それと比べ1万円以上安いのは魅力です。スマートバンドに+αの機能が欲しい人にお勧めできるデバイスといえるのではないでしょうか。