本日の一品

お菓子の食べ残しに100円ショップで見つけたハンディシーラーを使ってみた

ダイソーとセリアが販売する食べ残しお菓子が湿気ないための熱圧着シーラーを2つもらった

 日米のトラディショナルなお菓子の代表格はポテトチップスやおかき系だ。健康志向の昨今ではコンビニなどで売られているおひとり様が一回で食べられる”食べきりサイズ”の小容量の商品も多い。しかしお菓子問屋さんなどでは大容量で安価の商品も多くなかなかその誘惑に勝てない時代だ。

 そんな時代に食べ残したお菓子が湿気ずに2度目も3度目も美味しく頂けるように購入時と近い密閉度を実現する便利なツールが昨今人気の通称”HANDY SEALER”(ハンディ・シーラー)だ。メーカーによってはRE-SEALER(リ・シーラー)と呼ばれることもある。

ダイソーが売る「EASY SEALER」(左)とセリアが売るIPシステム社の「簡単密封シーラー」(右)

 実は昨年の夏、この手の商品の得意な100均ショップ製のシーラーをお菓子好きの親父用にと娘と娘婿からもらった。これら2台を1年かけて実際に使って比べて見た。1台はダイソーの”EASY SEALER”もう一台はIPシステム社製の”簡単密封シーラー”という商品で購入先はセリアだそうだ。いずれも本格的な業務用の製品とは異なりステープラー(ホチキス)の様な形状をしている。

両者とも見た目は似ていてステープラー(ホチキス)の様な形状だ

 どこの家庭でもそうだと思うが今回のシーラーを手に入れるまでは食べ残しのポテトチップスやおかきの湿気回避対策は”開口部を何回か折ってゴムバンドで固定するかフードクリップとかキッチンクリップと呼ばれるクリップで固定するのが一般的だ。

せっかちな人は完食するか保存してもゴムバンドかフードクリップなのかも

 今回手に入れた両シーラーは前述したようにステープラーの形状をしており上蓋とバッテリー内蔵の下部を90度開くと上下にローレット加工されたイメージの白いパッド部分が現れる。下部になるバッテリーボックス側に付いている白いパッドが発熱パッドだ。この上下のパッドでお菓子の袋の開口部を挟んで過熱し再度熱圧着する仕組みだ。

ホチキスの弾交換で開く要領で開くと発熱パッドや電池ボックスが現れる

 上下のパッド部分でアルミ蒸着袋やポリプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニール系の袋をスラックスの折り目用ハンディアイロンの様に挟んだまま横にスライド移動することでスムースに熱圧着出来る。ダイソー版は上蓋表面にちょうど親指の先が乗る程度の窪みがあるがこれが意外とスライド操作の時には心地よかった。

シーラーはスラックスの折り目を付けるハンディアイロンの要領だ

 両者とも使わない時にうっかり上蓋と下部がくっついて自然に発熱しないように90度回転式の保護の為の”安全カバー”が付属する。黒い安全カバーがダイソー、グレーの安全カバーがIPシステムだ。発熱の為のエネルギーは何れも単3アルカリ乾電池を2本使用する。ダイソー版はバッテリー挿入のプラスマイナスの向き表示が少し見辛い。

使わない時は”安全カバー”を90度起こして発熱パッドを保護する
ダイソーモデル(下)のバッテリーの向き表示は少し見辛い
バッテリーボックスカバーの開閉も癖がある。単3アルカリ乾電池2個で駆動

 バッテリーを入れる向きやバッテリーカバーの形状は異なるが全体を見てみると両シーラーとも殆ど同じところで作られている印象が極めて強い。さて両者をつかって幾つかのお菓子の袋や菓子パンの袋を開封後、再度熱圧着してみたので使い心地をご紹介したい。

 シーラーが役に立つのは開封後も再度密封出来るチョット高級な”チャック付き”のお菓子袋ではなく一度開封すると食べきるか、もし食べ残すなら何らかの方法で湿気ない手段をとる必要のある少しチープなお菓子袋だ。

開封後も再密封が可能になっている”チャック付き”お菓子(右)ならシーラーは不要だろう

 右利きの筆者が再度シールするの方法は袋の開口部の端を左手の親指と人差し指で持って右手でシーラーを持ち適度な位置で複数の指先で挟み、ゆっくりと右側にスライドすることで熱圧着する。

右利きならこういう感じでゆっくりと横スライドしながら再密封する

 挟んでしばらくは温度が低いのでスライド移動はせず2秒~3秒静止のまま挟みその後ゆっくりとスライドするのが良いだろう。もちろん左手の指先で持っていた付近は熱圧着できていないので完全密封を目指すなら第二段階で左右の手を入れ替えて同じ動作をすれば完璧だ。

ゆっくり移動しながら行えばバッチリとくっつく

 筆者がトライした商品の中で密着度が完璧に近く高かったのは筆者の好物の”ひび辛大柿”だった。シーラーで密着後、再度、両面を左右の指先で摘まんで開こうとしたが再度熱圧着した部分を引きはがすことが難しく結局ハサミで切ることになってしまった。袋の素材とシーラーがマッチした良結果だろう。

筆者の好物の柿の種(ひび辛・大柿)の袋はくっつき過ぎて再開封するのにまたしてもハサミでカットした。当然、湿気も完璧にカット出来ていた

 一方、チョコレートのZEROは密着し過ぎて2回目に開こうとしたら熱圧着したところが反対側の袋を引っ張って裂けてしまった。袋の素材の違いだとは思うがどうも薄手のビニール袋やポリ袋にはこの手のケースがありそうだ。また再利用までは殆どの袋で可能だったが、再々利用では問題が出るケースも多い。

チョコレートのZEROは熱圧着後、再開封時に強く引っ張り過ぎて裂けてしまった。熱圧着はほぼ完璧だった

 ダイソーのEASY SEALERとIPシステム(セリアで購入)の2台のシーラーを何度か実際に使って開封後のお菓子の袋を再度熱圧着してみたが両者の違いは殆ど無い。多くの類似商品が国内では様々な販売ルートで売られているようだ。

 もちろんいずれの商品も生産国は中国だ。中国のWEB通販である”AliExpress”でも類似した商品は販売されている。しかしその価格は国内の100均ストアより2~3倍ほど高い値段で販売されていることを知って面食らった。

 今回使ってみたダイソーとセリアのシーラーは物理的な効力は必要最低限はクリアしている。一番の考慮点は確率的にどの程度の頻度かは別にして食べ残したお菓子の保存手段として極めてイージーな”ゴムバンド””フードクリップ”に対して第三番目の選択肢としてのシーラーをどのくらい使用する機会と気力があるかだろう。

シーラーを使うかどうかは様々な条件で人それぞれだ。自分なりにゴムバンドやフードクリップとの使い分けが出来るようになるのが大事かもしれない

 お菓子の種類や保存する季節に応じて3つの保存手段を決定するのが良いかもしれない。発熱というある面少し危険な匂いもする為に”使わない時は毎回バッテリーを抜く”という人も居そうだがそこまでやってしまうとこのシーラーは使う意味が無いかもしれない。基本的には安全カバーの効能を信頼し、いつでも手の届く目につく場所に置き使いたい時に即座に使える状態でこそゴミバンドやフードクリップと対抗できるだろう。

 ガジェットオタクを自覚する筆者は生産国であり絶対的に日本より安いと思っていた中国市場の方がシーラーに関しては高いという事実が分かっただけで日本中に存在する全ての種類のシーラーを買い集めて比較して見たくなってきた。

商品EASY SEALER(ダイソー)、簡単密封シーラー(セリア)
価格110円(税込)
購入ダイソー、セリア