本日の一品

ChromeOS Flexで遊んでいたら本物のChromebookも欲しくなってきた
2022年8月29日 06:00
米NeverwareのChromiumベースのOS「CloudReady」を古いWindowsパソコンに導入して遊んでいたらその完成形でもある本家のChromebookも欲しくなった。筆者のWindowsパソコンのメインであるThinkPadを発売しているLenovo社からもTrackPointを搭載した殆ど「ThinkPadなChromebook」が昨年発売された。残念ながら発売当初はWeb販売も法人用がメインでなかなか一般発売は始まらなかった。
そんな待ちに待ったThinkPad C13 Yoga Gen1 Chromebook(以降ThinkPad Chromebook)が今年の春にネット販売されたので速攻で手に入れた。そしてGoogleも「CloudReady」を基にしたLinux系OSである「ChromeOS Flex」を7月初旬に正式発表した。筆者は以前CloudReadyを導入して遊んでいた実売12800円のギガスクール用スタディPCや中古で手に入れたSONY VAIO Pro 11等にも新たにChromeOS Flexを導入した。
実際にCloudReadyやChromeOS Flexの両方を使ってみるとスマホ用のAndroidアプリが動作するChromebookにやけに惹かれることが多い。昨今では古いWindowsPCにChromeOS FlexではなくAndroidアプリも動作するChromeOSそのものを導入出来るという書き込みも見かけるようだが残念ながら筆者はまだ試せていない。
届いたThinkPad Chromebookはパッケージも本体を取り出してみても圧倒的にThinkPadその物のイメージだ。付属品は65WのACアダプターとケーブル、保証書など。すっきりしたトップ面のThinkPadに比べて、4つのコーナーの内の3か所に、Lenovo、ThinkPad、Chromebookと3つもブランドロゴが印字されていて見た感じかなり煩くてウザい。
Chromebookとは言え180度完璧に開く本体やTrackPoint等はThinkPadそのものだ。普通のThinkPadと大きく違うのは最上段に位置するESCキーを含むFnキーなしの全部で12個のファンクションキーだろう。当然WindowsPCではないのでいつもの場所にWindowsキーも見当たらない。JIS配列の日本語キーボードだが心なしか英語キーボードの様なあっさりスッキリした雰囲気だ。
背面も極めてシンプルだ。左下に”ThinkPad C13 Yoga Gen 1 Chromebook”と正式名称とともにその下側に”Aluminum Chassis”(アルミニウムシャーシ)と書かれている。どうもThinkPad定番のカーボン素材と違ってThinkPad Chromebookはアルミニウムのケースを採用しているらしい。確かに指先で触れた感覚も少し冷たい感じだ。そして筆者のメイン機であるThinkPad X1 nanoと重ねてみてみると本体はアピス(深海のようなディープブルー)と呼ばれるユニークなカラーだ。
入出力ポートは電源ボタンとボリュームスイッチ側にUSB Type-C 3.1 Gen2 ポートが1個、HDMI標準ポートが1個。反対側にUSB 3.1 Gen1が2個 USB Type-C 3.1 Gen2 ポートが1個、マイクロフォン・イヤフォン共用端子とmicroSDカードスロット、左右にスピーカーが配置されている。2個のUSB Type-CポートはUSB Power Delivery(USB PD)による電源入力とDisplayPort Alternate Modeによる映像出力に対応している。
ThinkPad Chromebookも360度回転ヒンジを採用したYOGAタブレットに似ている。モバイルPC的なスタイルの”ラップトップモード”、パネルを完全に360度回転させた”タブレットモード”の両者がメインの使用形態となりその過程で出来るキーボード面を床に置いた”スタンドモード”や、キーボードとディスプレイの両面で逆さに自立させた”テントモード”の4モードが考えられる使い方だ。
しかし実際のThinkPad Chromebookは実測1.45Kg前後の重量がある。成人男子でもタブレットモードで本体を片手で持って利用するにはかなりの無理がある。本体内蔵の充電式USIスタイラスペンを使用する時もそれは同様だ。片手でサバ折り状態のThinkPad Chromebookを持ちもう一方の手でスタイラスペンを持って筆記するのはほとんど超人業としか思えない。
なので付属のスタイラスペンを使うシーンは手に持つこと無くテーブル上に設置したタブレットモードか、スタンドモード、ラップトップ&テントモードの時だろう。しかし多くの操作系は指先での画面タッチでことが足ることが多い。ただスタイラスペンは文字や絵の筆記だけではなくタッチペンツールで選択できるスクリーンキャプチャーやレーザーポインター、虫メガネ(拡大)などの機能も選択できるので使い道はありそうだ。
筆者はAndroidアプリが動作するのでGoogle Playからダウンロードしたポストイットアプリを導入して手書きのメモなどに活用している。またThinkPad Chromebookにはスマートフォンとの便利な連携機能がある。
現在はメインスマホであるGoogle Pixel 6 Proと連携して手元にあるスマホでThinkPad Chromebookの画面ロックを解除したり、スムースなテザリング接続、ThinkPad Chromebookのキーボードを使用して快適なメッセージ送信、Wi-Fiを介したThinkPad Cheromebookとスマホとの同期などが便利だ。
Chromeブラウザをメインに使っているWindowsPCユーザの中にも筆者の様に幾つかのレガシーなWindowsアプリをいまだに使っているユーザも多いだろう。今のところ筆者はWindowsアプリを置き換えることの出来るChromeアプリをChrome WEBストアで探している段階だ。
幸いChromebookならChrome Webストアに加えてGoogle Playでもお目当てのアプリを探すことが可能なので最適なアプリを見つけられる確率はより高いだろう。既に筆者はテキストエディターと画像レタッチアプリの候補を見つけ出せている。
そしてWindowsユーザの中でもChromeブラウザで事足るユーザならChromebookのご利益は圧倒的だ。初期設定導入時にThinkPad Chromebookのアカウント登録を行うだけでThinkPad ChromebookはWindowsPCのChromeブラウザと連携し環境構築を自動で同期してくれる手間いらずだ。
繰り返しになるが”なんちゃってChromeOS Flex”はレガシーなWindows PCやMacintoshを本来のOSより快適に動作させるありがたい無料アプリではあるがChromebookとの最大の差異はAndroidアプリの動作の可否だ。スマートフォンで日常使い慣れたアプリや大画面で使った方が便利なアプリもAndroidアプリの中にも多い。これらを生かせるChromebookのメリットは大きい。
昨今のWindowsPCの世界では当たり前になっているマルチディスプレイ環境はThinkPad Chromebookでも問題なく直ぐに使用できる。今回筆者はThinkVision M14を両端がType-Cプラグのケーブルで接続してThinkPad Chromebookの2画面化をやってみた。ほとんど設定も必要なくWindows環境と同じかそれ以下であっけないほど簡単に実現出来た。
まだまだ進化の途中かもしれないChromebookではあるが筆者にとって現状の最も残念な点はWindowsPCのような1.0Kg以下の超軽量モデルが少ないことだ。対象が学校や企業系のデスクトップPCや実際にはモバイルしない重量級モバイルPCの置き換えが市場のメインなのかもしれない。今はディスプレイレスのマイクロ・デスクトップPCや900g以下のChromebookの登場に期待したい。
商品 | 購入 | 価格 |
---|---|---|
ThinkPad C13 Yoga Gen 1 Chromebook | Lenovo Web販売 | 8万4920円 |
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