本日の一品

読書や映像鑑賞にオススメなタブレット「HUAWEI MatePad T10s」

 長いこと読書や映像鑑賞のためにiPad miniを使ってきた筆者ですが、近年になって進行が著しい老眼の影響もあって、7.9インチの小さな画面では物足りなさを感じ始めました。

 では、10.5インチのiPadに買い換えようかと考えたものの、iPadの価格はだいたい4万円弱。RAW写真の現像から映像の編集までできると考えれば十分に安価なのですが、筆者のタブレットの三大用途は「漫画を読む」「文字の本を読む」「映像を見る」。メディア鑑賞しかしないならiPadは性能は宝の持ち腐れのような気がします。もう少し安価でメディア鑑賞の用途に特化したタブレットはないかしらと漫然と探していたところ、まさにうってつけなタブレット、HUAWEIの「MatePad T10s」をお借り受けする機会を得たので、ご紹介したいと思います。

HUAWEIの10.1型タブレット「MatePad T10s」

 「MatePad T10s」はEMUI 10.1(Android 10)を搭載したタブレット端末です。カタログによれば約10.1インチで画面解像度1920×1200のフルHDディスプレイ、本体メモリ2GBでストレージは32GB、512GBまでのmicroSDXC対応。2万円台のタブレットとしてはけっこう贅沢な性能を備えているように思います。なおディスプレイが9.7インチで画面解像度1280×800になった「MatePad T10」(sがつかない)なる安価版もあります。

背面は高級感のある梨地仕上げになっています。
iPad miniとのサイズ比較。

 MatePad T10sは、Google Playの利用はできません。それでもプリインストールされているアプリと、少しの工夫によって筆者の用途に限っては必要充分を揃えることができました。

ホーム画面。標準アプリに加えて、Andoird OS向けのアプリをインストール可能です。

 具体的にはタブレットにプリインストールされている「App Gallery」で検索すると、ファーウェイ公式のアプリがいくつも見つかります。これだけでも必要十分ながら、App Galleryやブラウザを使っているとタブレット側からインストールと使用を促されるアプリ「Petal検索」を使えば、全世界のAndoird向けアプリを探してインストールできるようになります。

 これは正確には有志(?)がWeb上にアップロードしているapkファイルをダウンロードできる形になります。正規ルートではないためか、アプリが最新ではなかったり、サービスへの課金・購読ができなかったりします。インストールはできたものの、動かなかったアプリもありました。このあたりは自己責任の範囲内でご利用いただければと思います。

 とはいえ、たいていの用事はプリインストール済みのアプリやブラウザがあれば事足ります。Youtubeもブラウザ上で特に問題なく視聴が可能でした。そこで気付いたこのタブレットの特筆すべき利点が、音の良さです。

本体の左右に取り付けられたスピーカー。ステレオサウンドが思いのほか良い音で鳴ります。

 長方形のタブレットの短辺にあたる箇所に備えたスピーカーがステレオで実に良い音で鳴るのです。よく見るとタブレットの背面に「Sound by harman/Kardon」と書かれていました。最近、仕事中に鳴らすBGMのためのスピーカーも探していた筆者だったのですが、もうこれで良いじゃんとタブレットを机の横に構え、プリインストールされていたアプリ「HUAWEI Music」から音楽を流して楽しんでいます。

 ことほど左様にメディア向けタブレットとしては必要充分な機能を備えるMatePad T10sながら「う~ん……」と思ってしまう部分もいくつかあります。一つはカメラの画質が高くないこと。これはまあタブレットに求めるものではないと分かっているので、さほど気になりませんでした。

 そして、グーグル系のサービスの一部が利用できないこと。ブラウザベースのGmailなどは特に問題ない一方、Google SpreadSheetやGoogle Meetなどはちゃんと動作しません。ちょっとでも仕事に使えないかしらと欲をかいてしまったところ、残念な結果になりました。

残念な点のひとつ。本体背面のカメラで撮影してみた猫(1600×1200にリサイズ)。画質は高くなく、無いよりはマシかな……という程度に感じました。

 最後の不満な点がバッテリーの保ちです。筆者の体感ではありますが、MatePad T10sは若干バッテリーが尽きるのが早いような気がします。Webで調べて同機のバッテリー容量を確認してみたところ5100mAhとありました。

 筆者が利用していたiPad mini(第5世代)が5124mAhだそうなので、ほとんど同じ。ディスプレイが大きい分消費が早いということなのでしょうか。今のところほとんど外に持ち出して使う機会がないので困る事はないのですが、映画を見たり野球を見ているときにバッテリーの警告が出て興をそがれるのは残念でした。

結果として最初に期待したように、こうして机上の傍らに置き、メディアタブレットとして音楽や映像を楽しんでいます。

 かのように一長一短はあるMatePad 10sではありますが、2万円強の価格でこれだけの性能を備えているのであれば必要十二分とも言えると思います。3万円以上出すのは二の足を踏んでしまうものの、2万円台だったらまあ、という方には是非オススメしたい、タブレットの一品です。

製品名購入場所価格
HUAWEI MatePad T10s(Wi-Fiモデル)Amazon19,955円(税込)