本日の一品

軽量・防水・聴きやすい骨伝導ヘッドフォン「AfterShokz Aeropex」

 自転車をこいでいる最中、音楽を聞いたりできたらなーと思うことがままあります。しかし、自転車で走行中にイヤフォン等で耳をふさぐのは、背後からの車の接近や周囲の音に気づきにくくなって危険ですし、そのことから現在ではご法度になっているのは周知の通り。なので、耳をふさがずに音声を聴ける骨伝導ヘッドフォンには前々から興味はあり、店頭や展覧会などでたびたび実機を試していたのですが、「うーん……」と二の足を踏んでしまっていました。

 理由は、筆者にとってはヘッドフォンの本体そのものが若干大ぶりすぎるように感じたことと、音声がうまく伝わって聴こえなかったことでした。そんな筆者が、出会って一発で購入にまで踏み切った骨伝導ヘッドフォン「AfterShokz Aeropex(アフターショックス エアロペックス)」をご紹介させていただきます。

AfterShokz Aeropex。ほとんど骨組みのような本体です

 本製品は、従来の骨伝導ヘッドフォンと同様に耳にかけて、こめかみと耳の間くらいに位置する振動機からの骨伝導によって音声を聴くことのできる骨伝導ヘッドフォンです。

 まず驚いたのはその軽さと小ささ。これまでの骨伝導ヘッドフォンは、こめかみに当てる部分が大きかったりして、筆者にとっては不格好に感じるものがほとんどでしたが、本製品はどこが振動機なの? と思えるくらいくらい自然にフィットします。

 Bluetooth接続なので邪魔なケーブルもなく、耳にかけたときの違和感もほとんど感じません。本体重量は驚きの26gです。

大きさの比較のため振動機と硬貨を並べてみました。こんなに小さいのに、実に自然に音声が伝わって聴こえます

 その伝わる音声がとても自然に感じることに、さらに驚きました。ひょっとしてどこかに小さい穴が空いていて、耳孔に直接音声を出力しているんだろうかと疑ってしまったほどです。

 試しに耳を塞いでみても、ちゃんと聞こえるのには感動してしまいました。ただ、振動機は空気も震わせるので、必然的に音が外に漏れます。音量を上げると周囲にかなり音が漏れ聞こえるので、電車の中や職場で使用するのは避けたほうが良いように思いました。

本来裏面、右側に音量+/-ボタンと、充電用のソケット口を備えます。専用の充電ケーブルは2つ付属するので、自宅と職場の両方に置くといったことも可能。「使用者が出かけるときに使うもの」という作り手の気遣いを感じます

 実際に自転車に乗ったり、ランニングの際に同製品を使用してみました。途中から装着していることを忘れるほどのフィット感で実によく馴染みます。ちなみに汗をかいてもIP67の防水・防塵性能を備えているので、滝のように汗をかく夏のランニング・サイクリングでも安心です。

 筆者は同製品を運動中のほか、自宅で家事をするときに用いています。これまでも無線ヘッドフォンを装着したまま洗濯物や食器の片付けをしていましたが、骨伝導ヘッドフォンなら、家人の背後からの接近や声がけに気づかないという危険(?)を回避できます。周囲の音が聞こえるだけでなく、会話しながらでも使用できるので重宝しています。

実際に装着してみたところ。耳の前あたりに軽い圧迫感を感じるくらいで、まったく重さを感じません

 あえて難点をあげるとするなら、本製品のシステム音声について一言、物申したい。よくあるBluetooth接続の無線型イヤフォンと同様、本製品も電源を入れたときやスマートフォンと接続したときなどにシステム音声が流れるのですが、その音声が事務のお姉さんにとりあえず喋ってもらったかのような、素人丸出しの喋りなのです。その棒読み具合のナレーションには、毎回ちょっと脱力させられます。こればっかりは実際に聴かないと分からないので、本製品を試す機会がありましたら、ぜひご一聴ください。

 最後に、耳をふさがずに音声を楽しめる本製品ではありますが、自転車での高速走行中などに使用するのは集中力を欠くことになり、完全に耳をふさぐよりマシではあるものの、危険であることに変わりはありません。使用の際には周辺へ注意を払い、安全第一で、同製品による恩恵はあくまでオマケくらいの立ち位置でお楽しみいただくのが良いかと思います。

製品名購入場所価格
AfterShokz AeropexAmazon.co.jp1万9634円(税込)
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