スタパ齋藤のApple野郎

画像生成AI「niji journey」のアプリ試用版が手軽で楽しい!

「Midjourney」によりAI生成された画像。プロンプト(入力した文章)は「A very small Apple Store with a view of the products through the glass. There is a white Apple logo on the front. With a realistic photo.(ガラス越しに商品が見える、とても小さなアップルストア。正面には白いアップルロゴ。リアルな写真で)」だが、なぜ荒野にストア?

 独自のアート路線を歩みつつ人気を集めている画像生成AI「Midjourney」

 AIプログラムに対して文章を入力すると、その文章に即した画像を生成してくれる人工知能サービスだ。以前は無料トライアルも可能だったが、アクセス過多などを理由に、現在は有料サービスのみを提供している。俺の場合、Midjourneyがかな~り好きなので、有料会員として日々使っている。

 Midjourneyは、わりとアート寄りの画像を生成する画像生成AIだが、同じ契約で「niji・journey(にじジャーニー)」と呼ばれるアニメ風やマンガ風の画像を生成するサービスも使える。いわばMidjourneyの「アニメ&マンガモード」といえる機能だ。

Midjourneyの別モードと捉えられるniji・journeyで生成した画像。プロンプトは「Cute Japanese girl with short curly hair. Short curly hair is also cute. Her hair is black. Black eyes. Realistic photo.(ショートカーリーヘアのかわいい日本人の女の子。ショートカーリーヘアもキュート。髪の色は黒。瞳は黒。リアルな写真で)」とした。モロにアニメ風やマンガ風の画像が生成される場合もあるが、こんなふうにやや実写寄り(さらには完全に実写)の画像が生成されることがある。「なるほどMidjourneyの派生系なんだな」とか思ったり。

 で、少し前からこのniji・journeyのモバイルアプリ「niji journey mobile app(niji app αテスト版)」が公開された。α版ということもあり、Midjourneyの有料会員・応募者のみが使えるアプリ(iOS版/Android版)がリリースされた。

 俺の場合、前述のとおりMidjourneyの有料会員でありつつMidjourney大好き野郎なので、このαテスト版の試用を申し込んだ。すると運良く(!?)α版アプリを使えることになった。というわけで今回はこのアプリがどんなモノなのかについて少々ご紹介してみたい。

 ちなみにこのniji・journeyのモバイルアプリ、「niji・journey」の名前は付いているものの、生成できる画像はniji・journey(niji V5/niji V4)およびMidjourney(MJ V4/MJ V5)によるもの。アプリ上での簡単な切り替え操作で、niji・journey画像もMidjourney画像も生成し分けられる。

スマートフォンでダイレクトにniji・journeyを使える

 まずはniji jurney mobile appのαテスト版の画面表示を少々。説明とともにご覧あれ。なお、端末はiPhone 14 Pro Maxを使っている。

iOS版のniji jurney mobile appのαテスト版の試用を申し込んだら、Apple「TestFlight」経由でアプリを使えるようになった。Appleからメールが届き、リンクをクリックする程度で使い始められた。端末にはTestFlightアプリとniji・journeyアプリ(α版)がインストールされた。
左から、niji・journeyアプリ(α版)起動直後の表示。基本設定をするトップ画面だ。左から2枚目は画像生成(imagine)を行うセクション。3枚目は自分のユーザー情報を見ている様子。これまで生成した画像を一望できる。4枚目は生成した画像の詳細情報を見ている様子。使ったプロンプトを手軽に再利用できるしくみもある。なお、横表示には非対応のようだ。
左から、Feed表示を閲覧している様子。Feedは他のユーザーが生成した画像を閲覧できるモード。画像をタップすると詳細情報が表示される(2枚目)。表示される情報にはプロンプトも含まれており、このプロンプトをタップでコピー&ペーストして、新たな画像を生成可能だ。4枚目は他人様のプロンプトを流用しつつ「niji・journeyって、水森亜土先生風のイラストを描けるのか?」と思って試して失敗した様子。

 アプリの使用感はなかなかよく、なんとなく使っていれば「あ、この操作は、こういうパターンね」という感じで、常識的なUI設計になっていると思う。画面サイズからくる表示サイズの制限があるので、画像の精査にはあまり向かないが、写真アプリにエクスポートしたり、各種共有が可能だったりするので、「生成はスマートフォン、精査・加工はタブレットやPCで」という使い分けもできるだろう。

Discordナシでniji・journeyを使える良さ

 従来、niji・journeyやMidjourneyは、Discordという(Midjourneyなどとは別の)チャットサービスを経由して使う必要があった。Discordなくしてはniji・journeyやMidjourneyを利用不可能だが、Discord自体は使いやすくある種の応用も効くサービスなので、慣れるとDiscordでのniji・journey/Midjourneyの利用は快適だと感じられた。

Mac版Discordアプリを使い、Discord経由でniji・journeyを使っている様子。Discordはチャットサービスだが、「niji・journey Bot」と対話することによりプロンプトを与えたり、生成された画像などを受け取ったりできる。DiscordはWeb経由でもほかのプラットフォーム用アプリでも使える。
Discordにはniji・journeyやMidjourney関連のコミュニティもある。そこで質問したり情報を得たりすることもできる。画像生成をしつつ、画像生成ノウハウを得る、ということをDiscord上のみで完結できる。
Discordにはniji・journeyやMidjourneyからの公式情報も得られる。

 Discordを経由してniji・journeyやMidjourneyを利用するということがアタリマエだったのと、Discord上にniji・journeyやMidjourneyの情報源やコミュニティが育っているので、「専用アプリって必要?」と思ったりする。だが、専用アプリを使うと「なかなか便利だなあ」と思えたりも。

 たとえば、非常に手軽にniji・journeyを使い始められること。基本事項を知れば、あとはだいたい簡単な画面タップだけで操作を進められる。長めのプロンプトを入力する場合でも、いまどきのスマートフォンには「音声入力」という強い味方もいるし、強力な翻訳アプリもある(niji・journeyでは日本語プロンプトを使用可能)。

 Discordでのniji・journey/Midjourneyの利用と比べると、Discordでは頭に「/」が付いたコマンドを打ち込むという作法があるので、それに戸惑う初心者が多いと思う。また慣れても「コマンドライン操作ってなんか面倒」と感じることがあったりも。そういった部分を非常に直感的に操作していけるこの専用アプリは、niji・journey/Midjourneyでの画像生成のハードルを下げてくれるように思う。

左がアプリのトップ画面。ここで生成画像のアスペクト比やプロンプト忠実性の低高(芸術性の高低)、niji・journeyの生成スタイルをタップで設定できる。2枚目のAdvanced画面に入ると、niji・journeyを使うかMidjourneyを使うかなども設定できる。Discordでこういった設定を変えるには、基本的にはまず英文字でコマンドを入力する必要があった。3枚目はniji・journey(V5)のScenic設定で生成したもの、4枚目はMidjourney(V5)で生成したもの。

 ちなみに、アプリはまだ全機能が使えるわけではなく、仕様も変わっていくものと思われる。また、アプリで生成した画像はniji・journey/Midjourneyサーバー内にあるので過去のものから全てがアプリ上で表示されるが、アプリ上で生成した画像はDiscordで表示されないようだ(niji・journey/MidjourneyサーバーからDiscordへ画像転送しているためと思われる)。

 でもまあ全体的に便利なアプリ。まだα版なのに実用性が高く、モバイルでの画像生成がより手軽で楽しいものになった。今後のさらなる使いやすさ&機能性UPに期待してゆきたいッ!!!

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。