スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

外付けNVMe M.2 SSDの熱問題に悩まされていた俺、冷え冷えエンクロージャーで爆速快適ッ!!!

 いろいろあって、2024年の春先にスティック型(USBメモリー型)のSSDに目覚めた俺。同時に、NVMe M.2 SSD(NVMe接続・M.2インターフェイスのSSD/おもにPC内蔵SSDとして使われている)の外付け使用にも目覚めた俺。あら~知らない間にPCの外部ストレージって見事に爆速化してたんだぁ~、と。

 だがその後もいろいろあって、外付けNVMe M.2 SSDを安定的に使えていなかった。おもに熱問題に悩まされていたのだ。

 そしてアレコレ試して勉強代をかなり払ったところ、俺的に非常に都合のよい製品を発見。それはNVMe M.2 SSDのエンクロージャー(ケース)だ。

ACASISの「40Gbps ツールフリー M.2 NVMe Thunderbolt 3/4 USB 4 SSD エンクロージャ(TBU405ProM1/ファン内蔵)」という、NVMe M.2 SSD用ケース。コントローラーチップJHL7440が使われているThunderbolt 3対応ケースだ。これに市販のNVMe M.2 SSDを入れて使用中。Amazonで1万5000円前後で売られている。

 このケースが俺的にどう都合がよかったのかといえば、ファン付きのエンクロージャーでよーく冷えるということ。NVMe M.2 SSDは読み書きが非常に速く、それは(高速な接続方法を使って)外付けにした場合も同様。「なっ、にっ、こっ、のっ、速さはっ!!!」って声が出るほど速い。

 だが、同時に発熱もけっこーある。けっこーどころか、読み書きし続けたりするとエンクロージャーに触れられないくらい発熱する。またその程度発熱するとサーマルスロットリングが働き、SSD自身が動作クロックを下げて熱暴走を防止しつつ読み書きも遅くなる。あと俺環境ではそういう状態になるとSSDがアンマウントされエラーが出たりする。

 すぐ発熱して不安定になるストレージは、やっぱり怖くて本格的には運用する気にならない。ミニ扇風機で風を当てつつ使えばどうにかなるものの……やはり使い続ける気にならない。

 しかし「やっぱりこの速いNVMe M.2 SSD使いたいよーん!」という思いが強く、いくつもSSDエンクロージャーを試した。だが、長時間使えるようなケースには遭遇できず。10分くらい読み書きを続けるとたいていスゲく熱くなっちゃうのであった。エラーが起きてアンマウントされない場合もあったが、「こーんなに熱くなるとやっぱりSSD自体の寿命も縮むよねぇ……」と使い続けるのが不安なのであった。

これまで試したSSDエンクロージャーの一部。ぜーんぶ熱くなる。長時間使い続けるの無理……でもないが、発熱に不安が感じられて長時間使う気にならない。

 もちろんファン付きのSSDケースも使ったが、大して冷えない。ていうか熱くなりがち。また相性問題なんかもあるのか、けっこー冷えているもののSSDが突然アンマウントされたりして、結局「これがイイ」というエンクロージャーが見つからなかった。

 あーあ、速いNVMe M.2 SSD何個も買ってヤル気満々だったのに……お蔵入りにして近未来の俺に利用を託すかニャ……と思って最後に手を出したのが前出のケースだ。俺的にはサイコー。速度も十分出ているし、人肌くらいまでしか熱をもたない。室温30°オーバーの仕事部屋で何日もテスト運用したが、熱くなることがなく不安定さもなく、無問題なのであった。

テスト運用中の前出エンクロージャー。Mac StudioのThunderbolt 4ポートにThunderbolt 4ケーブルで接続している。

 ファンはボタンでオンオフでき、頻繁に読み書きしなかったり気温が低い季節だったりすれば、ファンを停止して無音で使えそうだ。なお、ファンの音はエアコンを使っていれば気にならない程度静か。顔から30cmくらいの距離になると「あっファンの音がする」と気付くくらいだ。

 なお、このエンクロージャーはメーカーロゴがある面を上にして置くのが正しいと思われる。その置き方なら通気孔が塞がれないからだ。

 ただ、その置き方で使っていると、エンクロージャー底部が少し熱をもつ。温かい程度の熱だが、使用中のエンクロージャーの温度としては底部がいちばん熱をもつ。

 そこで試しにエンクロージャー底部にゴム脚を貼り付け、底部を机面から少し浮かせたところ、底部も熱をもたなくなった。すごい。より完璧に近いエンクロージャーになった!

メーカーロゴがある面が上面。裏面には滑り止めゴム脚があるが、机面との隙間が0.5mm程度なので、底面はちょっと熱をもつ。
SSDを工具ナシでインストールできるタイプのエンクロージャーだ。付属の熱伝導シート2枚をSSDに貼ると、SSDとエンクロージャー底部が接触するカタチになり、より放熱効果が高くなる気がする。2280サイズのSSDに対応するが、それより短いサイズのSSDを固定するための樹脂パーツが付属していた。
底面にこんなふうな滑り止め脚を貼り、机面と底面の間の隙間を大きくしたら、エンクロージャー底面の温度が(体感できるくらい)下がった。

 もうこんなに冷えるエンクロージャー初めてっス。ちょっと大きめだが、それもまた放熱効率を高めている? それにここ数日ずーっと接続しっぱなしでけっこう読み書きもしているが、読み書きが遅くなったとか不安定になったとかアンマウントされたとか一切ナシ。俺にとって素晴らしいエンクロージャーなのである。

 でもたぶん、市販のSSDエンクロージャーとしては、ちょ~っと怪しげではある。Amazonの販売ページには「Thunderbolt 4/3 USB4/3.2/3.1/3.0/2.0互換性あり」とかあって「あっコレThunderbolt 4対応エンクロージャーなのか」とか思わされる。だが、搭載チップのイメージ画像に「インテル JHL7440 Thunderbolt 3 コントローラー」が描かれていて、こっそり「Thunderbolt 3だョ」と告白していたりする。まあThunderbolt 3でもThunderbolt 4でも論理値の最大転送速度は40Gbpsで同じだから、エンクロージャーとしては、まあいんだけどって感じだが。

 ともあれ、全体的にやっぱりこういうモノは自己責任な製品であり、俺的環境では抜群に安定しているとは言え、ほかの環境のことはわからない。なので、購入を考えるならじっくりご検討を。

もっと速く、さらに速く、速いほど鬱憤が希薄になっていく

 初めてSSDを使ったのはいつだろう? と思い返したら、2009年の5月頃だった。Windowsマシンをメインに使っていた頃だ。

 その頃のSSDってどのくらい速かったっけ? 当時使ったときに「速っ!」と感激したような記憶があるが……。↓これがその当時のベンチマーク結果だ。

OCZSSD2-2C120GというSATA SSD×2台をRAID 0構成としたドライブのベンチマーク結果。「これでも」当時のHDDの倍くらいの速さで使えたのだ。

 ちなみに、現在使用中のMac Studioの内蔵SSDのベンチマークが↓コチラ。上記ベンチマーク結果とは計測条件などイロイロ違うのでご参考まで。

ケタが違う! すっごく速い! ……でもSSDを換装したらもうちょっと速くなるのかもしれない。

 15年くらい経つと、SSDもだいぶ進歩しちゃうんですな。まあインターフェイスもなにも全部変わって速いものになっているし。

 ところで、「2024年の春先にスティック型(USBメモリー型)のSSDに目覚めた俺」と前述したが、それは年に1度くらい使うUSBメモリーの遅さに鬱憤がたまったからだ。2024年の春先には、去年より多くのファイルをUSBメモリーに書き込む必要が出た。去年より多くといっても、100のファイルが10万になったとかではなく、100のファイルが500くらいになった程度の増加だ。

 しかし、そのとき感じた。「ええっ? USBメモリーってこんなに遅かったっけ?」と。そのUSBメモリーのベンチマーク結果がコチラ。

ベンチマークを取ってみて、あー書き込みが遅いんだニャー、と妙に納得した。

 年に1度程度しか使わないし……と雑に使ってきたUSBメモリーだったが、「こんなに遅いのは時間の無駄!」と思って、速いUSBメモリーを買おうと調べたら、USBメモリータイプのSSDを見つけた。ふぅぅぅ~ん、いまこういうのが主流なのかー、と。クラウドばかり使っていたので、USBメモリー方面にすっかり疎くなっていた俺である。

 でも、USBメモリー型のSSD、便利かもしれない。けっこう速いみたいだし。と思って買ったら、予想以上に満足できた。そのSSDおよびそのベンチマーク結果がコチラ。

アイオーデータ「SSPE-USCシリーズ」。最初500GBのを試しに買ったが、USB-A/USB-Cコネクター切り替え機構がスゲく便利であり、読み書きもけっこう速いので2TBのものを追加購入して使っている。
アイオーデータ「SSPE-USCシリーズ」の2TB品のベンチマーク結果。前出のUSBメモリーと使い比べると、圧倒的と感じられるほど読み書きが速いのであった。

 このスティック型SSDを使ってみて思った。「もしかして、現在Mac Studioに接続している外付けSSDって……数年前から使い続けてるし、遅かったりする?」と。その数年前から使っているSSDのベンチマーク結果がこちら。

USB接続エンクロージャーにSATA接続SSDを入れ、おもにファイル保存のために使っている外部SSDのベンチマーク。実用上遅いとは感じられないが、なんかMac StudioのThunderbolt 4ポートにつなぐ外部SSDとしては遅いかもしれないっていうかThunderbolt 4がもったいない?

 もーしかしたら、この外部SSDがボトルネックになってるシチュエーションが……ある? とか考えてみたら「あーあるなあ」と。この外部SSD自体をバックアップコピーすることがたまにあるが、そのときわりと時間がかかるのは、読み出しが速くないからだろう。

 だが、Mac Studioのインターフェイス(Thunderbolt 4)は十分速い。このインターフェイスに、現在の速くない外部SSDのかわりに、速い外部SSDをつなげたら? と考えたのが、外付けNVMe M.2 SSDに目覚めたきっかけであった。

 そして速いNVMe M.2 SSDとしてKIOXIA「EXCERIA PRO」の2TBを使い、前出の冷えるエンクロージャーに入れて使用。そのベンチマークがこちら。

3回取ってみた。もうちょっとスピードが出そうではあるのだが、まあ体感的に非常にスゲく超速いし、もうエンクロージャーを変える気もないし、このまま使ってゆきたいッ!!!

 これまでMac Studioにつないで使っているSSDを、この速いSSDに変えて、バックアップ先も速いのに変えたら? と試してみたら、20分くらいかかっていたバックアップが2分で終わるようになった! マジか! はっや!

 ……もしかしたら、こういう冷えるエンクロージャーで、さらにSSDのパフォーマンスをもっと活かせる製品が出てきたら……これは素晴らしいかもしれない! ぜひ今後もこっち方面を凝視してゆきたいッ!!!

 でもまずは外付けドライブもそのバックアップ先も、ぜんぶ速いSSDと冷えるエンクロージャーにしてゆきたいッ!!! というわけで、速いSSDと冷え冷えエンクロージャーを合計6個ずつ揃えて、読み書き速度と引き換えに口座残高を減らした俺なのであった。

6セット買っちゃったョ! SSDは現状ムダに速いのを買ったが、個人使用だとかなり長もちするデバイスなので、近未来にその速さが活かされる……予定。6セット合計で20万円くらいかかったが、でも2TBの速い外付けSSDでこの金額って、安くなったんスねえ、SSD。

 てゅーか、速さはイイですな。速さと鬱憤は反比例しますな。

当たりのUSBハブでThunderbolt 4を使いまくり!

 NVMe M.2 SSDのエンクロージャーとして積極的に選んでいたのは、Thunderbolt 4対応品。そんな製品にはThunderbolt 4ケーブルが付属していたりする。また前出の6個も買った冷え冷えエンクロージャーにもThunderbolt 4ケーブルが付属していた。

 そして最近の俺は「どうせ買うならUSB-C全対応ケーブルことThunderbolt 4ケーブル」という方向になっていて、Thunderbolt 4を何本も持っている。というわけで最近の俺はThunderbolt 4ケーブル大臣みたくなっている。

Thunderbolt 4ケーブルが、こんなにたくさん! まだほかにもあるョ!
Thunderbolt 4ケーブルにプリントされている稲妻マークと「4」。Thunderbolt 4は、Thunderbolt規格の最上位互換規格でありつつUSB-C規格に対しても最上位規格となるので、(現在のところは)なーんにも考えずに「USB-Cポートに挿すのはこのケーブル」って感じで使えるのだ。

 スゲいぜ俺のThunderbolt 4な環境は~、とか思っていた。が、以外にダメっつーかトラブったっつーか、世の中そんなに甘くないのであった。

 たとえばUSB-Cハブに、この万能な感じのThunderbolt 4ケーブルで、前出のサイコーな感じの冷え冷え外付けSSDをつなぐじゃないですかぁ~。よっしゃ速いゼ! と思ったのも束の間、アンマウントされたりする。エラーが出たりする。すなわちハズレのUSB-Cハブだったのかもしれないが、相性問題ってやつかもしれない。

 じゃあ定番のアレだろ、CalDigitだろ、と。じつは俺の場合、ひとつ前の機種ではあるが、CalDigitの「TS3 Plus」というThunderbolt 3対応のドッキングステーションを持っているのだ。Mac Studio購入と同時に買ったが、妙に熱くなるし「絶対必要」ってほどでもなかったのでお蔵入りしていた。

CalDigit「TS3 Plus」はポート豊富なThunderbolt 3対応ドッキングステーション。

 とりあえずコレならきっと前出の冷え冷えSSDとかちゃんと動く……ええええっ! コピー中にアンマウント! 最悪じゃん! なにこれ? マジで!?

 でもたぶんThunderbolt 4ケーブルの差し込みが甘かっただけで……げぇええっ! またコピー中にアンマウント! もうこのドッキングステーション捨てよっかな……。

 うっそぉ~ん!? ここに来てUSB-Cハブが全滅な感じ。えぇぇぇ~。もうMac StudioのUSB-Cポート余ってないっていうか、これ以上ドライブ増やせないのか? いや増やさなくても一応大丈夫だが……ギリギリな感じの運用ってのもなあ。

 そこで頼れそうなUSB-C対応ハブを探しに探しまくったら、評判がイイ製品があった。「ELEMENT HUB」という製品で、Thunderbolt 4/USB4に対応していて……えええっこれCalDigit製品! しかもAmazonで2万5850円もして……でもハイスペックだし、Amazonユーザーレビューでも評判が……あぁっ俺と同じ悩みをコレで解決している人も! ということで、失敗したらどうしよぅ~でもAmazonだから返(中略)思いつつ決死的決意を絶叫というサウンドで表現しつつポチッと購入した。

CalDigit「ELEMENT HUB」はThunderbolt 4/USB4対応のハブで、コンピュータとはUSB-C接続する。詳しい機能はメーカー製品ページを参照してほしい。Amazonでは2万5850円で売られている。
ダウンストリームポートは合計7ポート。電源はCalDigitらしいスゲくデカいACアダプターだ。

 この「ELEMENT HUB」の使用感は上々。接続した外付けSSDも十分なスピードが出ているし、不安定さもない。ハブって製品ごとにこんなに違うの? ってほど、無問題で動作するグレイトなハブであった。このハブに前出の冷え冷えSSDを接続して取ったベンチマークがコチラ。

3回取ってみた。Mac StudioのThunderbolt 4ポートにSSDを直接接続したときとほぼ同じパフォーマンスが出ている。

 というわけで、この「ELEMENT HUB」と、前出の冷え冷えエンクロージャーとそのなかに入れたSSDと、Mac Studioで、速くて快適なストレージ生活を送ってゆきたいッ!!! あとCalDigit「TS3 Plus」にはSSDをつながないことにして、やっぱり捨てないでゆきたいッ!!!

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。