スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

キングジムの「テプラ PRO SR-R980」を使っていくッ!!!

 キングジムの「テプラ」を買った。ラベルライターですな。機種は「テプラ PRO SR-R980」。テプラシリーズのフラッグシップモデルである。

キングジムの「テプラ PRO SR-R980」。テプラシリーズで最も高機能なフラッグシップ・ラベルライターである。

 ナゼにラベルライター? その理由は!!! パンドウイット(PANDUIT)の「回転ラベル」を使えるからだッ!!! その回転ラベルっつーのが!!! ケーブルのラベリング(タグ付け整理)に超絶最適だからだッ!!!

 って、鼻息を荒くし言うことでもないのだが、俺的には衝撃的な事実だったのだ、「テプラ PRO SR-R980」でパンドウイット「回転ラベル」をプリントできることが。

 「テプラ PRO SR-R980」の発売日は2021年8月27日で、そのときから、このラベルライターでパンドウイット「回転ラベル」をプリントできたらしいのだが、俺はそれをぜーんぜん知らなかったのだッ!!!

 なのでこのあいだ「テプラ PRO SR-R980」で回転ラベル使えると知った瞬間!!! 光の速さで「テプラ PRO SR-R980」を購入して音速で回転ラベルをプリント!!! これだッ!!! これを使いたかったんだッ!!!

 なに言ってんのこのオッサン? つまり↓こういうコトができる。

「テプラ PRO SR-R980」では、ケーブルの種類や接続先を明示できるパンドウイット「回転ラベル」をプリントできる。
プリントした回転ラベルはケーブルに巻く形で貼れる。貼った後、ケーブルに付着した粘着剤を取り除くことができ、筒状のラベルはケーブルのどの位置にも移動でき、読みやすい向きに回転させることもできる。

 ねー便利でしょ〜? 「テプラ PRO SR-R980」が登場した時点で、家庭でもっていうか一個人でもこの回転ラベルを、比較的に安価かつ手軽に使えるようになったのだ。

 ただ、俺の場合は最近までこのことを知らなかった。パンドウイット「回転ラベル」は業務用で、素人が使うにはヤケにハードルが高いラベルだと思い込んでいた。

 パンドウイットはネットワーク製品メーカー。ネットワークケーブルや機材の分類表示用ラベルも製造している。

 リンク先を見ると便利そうなラベルがたーくさん! なかでも「回転ラベル」は一般人にも役立ちそうなパンドウイット独自のラベルだ。

 でも上記「回転ラベル」の紹介ページを見ると……専用ソフト「Easy-Mark™ Plus ラベル印字ソフト」を使う必要があるっぽく、「TDP43ME/E熱転写プリンター」という熱転写プリンターも使う必要があるっぽい。

 だが、対応OSがWindows 7までとなっていたりして、なんかこー、B to Bであり一般人には販売してないョ! 的なニュアンスがたっぷり。

 また「回転ラベル」のみも一般販売されているものの、1箱(500枚)入りで5万円以上とかいう業務用な感じの量とお値段。500枚ってナニが500枚? なんでその説明ナシ? というあたりも、素人は相手にしていないラベルらしい。

 なので存在だけ知っていたものの、全然手を出せないでいた。「いーなー回転ラベル」と思っていた。

 だが最近、USB-Cケーブルをより正確に分類しないと困っちゃうニャ〜的な状況になってきた。たとえば俺の場合、NVMe SSDを外付けにして使うときの速度問題。

 高速なSSDとマトモなエンクロージャー(SSDケース)であっても、使うUSB-Cケーブルによっては速度が出ないことがアリガチ。同じ規格と思われるUSB-Cケーブルでも速度が違ったりする。

 なので、USB-Cケーブルにそのケーブルの規格をラベリングすると同時に、SSDで使ってどのくらいベンチマークが出たのかもラベルリングしたいニャ、と。

 でもケーブルにそこまでラベリングしたら、ケーブルがラベルだらけに……。俺の場合は↓こんなよーな方法でラベリングしているが、こういうラベルの枚数が増えるとケーブル自体扱いにくくなってしまう。

書き込みやすく除去も容易なので、こんなタイプのラベルでケーブルの規格を明示している。でもさらにSSDとの相性とかスピードとかのラベルと追加すると……ラベルがマジで邪魔になっちゃてケーブルが扱いにくくなると思われる。

 どうしよぅ〜ケーブルのラベリングぅ〜。……やっぱりあの回転ラベルなのかなぁ。回転ラベルならケーブルが扱いにくくなることもなさそうだし、複数のラベルを着ければケーブルに多量の情報を明示できるし……でも500枚で5万円とかって……それにどうやって印刷すれば?

 でもまあ久々に回転ラベル調べよっかな〜と思って検索したら、あらま!!! ちょいと!!! おまいさん!!! テプラがヒットしましたよ奥さん!!! えっえっえっなにナニ何?

 ……「テプラ PRO SR-R980」というラベルライターには、専用テープとしてパンドウイット「回転ラベル」が用意されており、その組合せで使えば一般人でもローコストであの「回転ラベル」を利用できる!!!

 じゃあ買うしかポチポチポチッ!!! というわけで買って使ってアラ便利〜チョー便利〜死ぬほど便利〜と思ったので、今回はそれらをレビューしてゆきたいッ!!!

あ〜ら簡単! 回転ラベルは実用的! もう最高なのである!

 テプラシリーズのフラッグシップ機である「テプラ PRO SR-R980」だが、その販売価格は3万円前後のショップが多い。

 えーっ? ラベルライターに3万円? とか思っちゃうわけだが、だってコレでしかパンドウイットの「回転ラベル」を安く手軽に使う方法ないんだもーん! ただ運良くセールが行われていて、ネット通販で2万6800円で購入できた。

 回転ラベルは「カットラベル・パンドウイットシリーズ」のひとつとして販売されていて、テプラ PRO SR-R980専用のテープカートリッジとなっている。

 具体的には「PROテープカートリッジ カットラベル・パンドウイット 回転ラベル」でケーブルの太さ別に4種類ある。

 だがメーカー価格は1カートリッジあたり税別8650円〜9150円とお高い。回転ラベルの枚数は、1カートリッジあたり75〜175枚(ケーブル太さにより異なる)。

 俺の場合ではあるが、よく使うカートリッジは「SZR100-150K」(推奨ケーブル径5.6~7.1mm用)で、実勢価格は6000円くらい。100枚の回転ラベルをプリントできるので、1枚の回転ラベルにつき60円くらいかかる。

テプラ PRO SR-R980と、この機種専用の回転ラベル各種。
カートリッジの箱とカートリッジ本体に「対応機種限定」という表示がある。現在のところパンドウイット・ラベルのテープカートリッジは、テプラ PRO SR-R980でしか使えない。

 使い方は非常に簡単。テプラ PRO SR-R980にテープカートリッジをセットすると、そのカートリッジ専用のフォームが表示されるので、あとはラベル上にプリントしたい文字などを入力するだけ。

 入力を終えたら「印刷ボタン」を押すと指定枚数だけ回転ラベルがプリント・吐出される。

カートリッジをセットして電源を入れると、テプラ PRO SR-R980がテープカートリッジ種類を自動認識し、適切なフォームが表示される。
ユーザーはそのフォームに文字を入力し、印刷ボタンを押せばOK。
回転ラベルが吐出され、自動でカットされる。

 吐出された回転ラベルは、印字部の裏のみ粘着剤がついていない。最終的にはその部分がケーブルと接するだけで、ラベルとケーブルはくっついていない状態になる。

 筒状のラベルをケーブル上で自由に動かせるので、見やすい位置・向きにラベルをもってこられる。

 ただし回転ラベル独自の手順でケーブルに貼る。とは言っても非常に簡単。実際に行うと「おもしろ〜い!」「考えた人あったまいい〜!」と思う、かもしれない。メーカーの公式動画でその貼り方を見ることができる。

【メーカーの公式動画】

 ラベル印刷の簡単さからラベルの貼り方、そしてラベルの役立ち具合まで、文句ナシ。回転ラベルは、ケーブルにその種類や規格をラベリングするには最高の方法のひとつだと感じられる。

USB-Cケーブルの規格などを回転ラベルで明示した。ラベルは筒状でケーブルにくっついていないので、自由な位置に動かせる。
また、貼るときの“ラベルの締め付け加減”により、ラベルとケーブルの間の隙間を調節できる。動かしやすいか、あまり動かないようにするかを調節できるわけですな。
回転もするので、印字を読みやすい方向に向けられる。ラベル表面は透明ポリマーフィルムで覆われていて耐久性もある。使用温度は-40℃~66℃となっている。

 いや〜イイっすわー回転ラベル。ケーブル上を自由に移動させることができつつ、非常に薄いのでケーブルが扱いにくくなることもない。ケーブルに貼らないのでラベルの除去も簡単。

 また、貼らない=粘着剤がケーブルに残らないので、「ラベルを除去したらケーブルに粘着剤が残ってベタベタ」みたいなコトもない。

 自作LANケーブルなどに使う場合でも、ケーブル作成後(モジュラープラグ成端後)にラベリングできるのが便利ですな。いや〜最高!

パソコンと接続してラベルを作ることもできるが……

 も〜この回転ラベル最高ッ!!! ……なのだが、テプラ PRO SR-R980が使いにくい。いやラベルライター全般に言えることだが、入力や操作が各メーカーで非常に独自なので、「ええっコレ入力文字種どこで変えるの?

 あの記号はどうやって入力するの?」みたいに、使い始めは戸惑いまくり。まあ少し使っていれば慣れてきて、便利に使えるようになるのだが。

 最近のラベルライターはスマートフォンから使えたりもする。慣れた入力環境でラベルも作れるョ! と。だが、テプラ PRO SR-R980はスマートフォンからの操作には非対応。

 ただ、PCとUSB接続して、専用アプリを使えば、使い慣れたPCの入力環境でラベル内容を作成することができる。

 アプリは、Windows用アプリとして「TEPRA Label Editor SPC10」が、macOS向けアプリとして「TEPRA LINK 2」が用意されているが、機能性はまったく異なる。

 回転ラベルを扱うならとりわけWindows用アプリが便利だと感じられる。Mac版では……回転ラベル印刷ができないように思う。

Windows用アプリ「TEPRA Label Editor SPC10」の表示例。
テプラ PRO SR-R980をUSB接続すると、自動的に「現在本体にセットされているテープカートリッジ」を認識してテープ幅などが自動で設定される。
白い部分がラベルなので、その部分に新しいテキストフィールドを作り、ラベル内容を入力していく。
こちらはmacOS向けアプリの「TEPRA LINK 2」。
便利に使えるアプリではあるが、回転ラベルのフォームが見当たらず、このアプリで回転ラベルを作ることはできない……ように思われる。

 Windows版アプリで回転ラベルを作っているが、最初はまったく使い方がわからなかった。

 この手のアプリは得意だが、回転ラベルに対してはデータを自動入力するフォームが選ばれるようで、そのフォームは連続的に回転ラベルを作成する「業務用途向けフォーム」のようだった。

 そのフォームを使わず、ラベルの上に単に新しいテキスト入力エリアを作成したら、問題なく回転ラベルを作れるようになった。

 という感じで場合によってはハマる可能性があるので、もーしかしたら、素直にテプラ PRO SR-R980上で回転ラベルを作成するのがいちばんスムーズかもしれない。

 まあそのほうが、いつでもどこでもチョチョッと回転ラベル作成ができるから実用的かも。

 なお、フツーのラベルライターとしてのテプラ PRO SR-R980だが、さすがフラッグシップだけあってツカエる機能が多々あり、どういう用途にでも使えそうという印象だ。

 具体的な機能については、公式ページを見てほしいが、テープの四隅を丸くカットする自動カッターを内蔵していたり、プリント音が静かだったり、フォントも豊富でキレイでありつつ印字結果も鮮明。

 保管時は本体を立たせておけるので、本体を出しっぱなしにしておいてもあまり邪魔にならない感じ。キーボード手前のハンドルも持ちやすい。

 電源はACアダプターか、単3形アルカリ乾電池×6本もしくは単3形ニッケル水素電池×6本だが、電池で使うと置き場所も使う場所も選ばず汎用性のあるラベルライターとして活用できる。

テプラ PRO SR-R980本体は自立し、省スペースで置いておける。

 使えるテープも多種多様。俺的に「これ良さそう」と思って買ったのが「備品管理ラベル」「上質紙ラベル」

 前者はハードウェアなどの管理に使う銀色・黒文字の硬質ラベル。後者は封筒などに貼る宛名ラベルとしてランニングコストを抑えられる紙ラベルだ。

既にいろいろなテプラ PRO SR-R980用のテープカートリッジを購入・使用している。

 じつはラベルライターはブラザー製を常用していて、それ用の普通一般テープは多数持っている。テプラ PRO SR-R980のほーはやや特殊な用途のラベル作成のために常用していこうと考えている、っていうかそうしている。

 てな感じのテプラ PRO SR-R980とパンドウイット回転ラベル。これでUSB-Cケーブルの混沌は解決され……つつある。

 今後は新しいUSB-Cケーブルを買ったら、その規格が明示されているパッケージを捨てる前に、回転ラベルでソレがどんな規格のケーブルかを明示してゆきたいッ!!!

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。