スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」
ディスプレイの台座としてスピーカーを使う! FOSTEXの「PM0.3BD」を斜め方向からレビュー!!!
2024年8月19日 00:00
俺の場合、ここ数年はPC用ディスプレイの下にスピーカーをセットしている。いや正確には、PC用ディスプレイをスピーカーの上に乗せて使っている。使っているディスプレイはDell「U4021QW」という40インチの曲面ディスプレイ。
このディスプレイがかなり横長なので、机にちょっとした衝撃が加わると揺れる。ソレを抑えるためにディスプレイの“台”としてスピーカーを使っているのだ。↓こんな感じ。
あーら便利! でも音響的に邪道〜! ホントは左右スピーカーにもっと距離を置いて、耳に近い高さにセットして……的なことはわかっているのだが、それ以上にディスプレイが揺れるのがイヤなのと、スピーカーを普通に置くとその上部空間がデッドスペースになるのがイヤなのと、あと率直なところPC用スピーカーの音質にはあまりこだわっていないので、このように使っている。音質を求める場合はスピーカーだとタイヘンなのでヘッドホンなりイヤホンを使っている。
さておき、このPCディスプレイ台座スピーカーに若干の不満が出てきた。現在の台座、ちょ〜っと低いのである。もう少し高い台座が欲しいニャ、と。
じゃあスピーカーの下か上にスペーサー的なものを追加する? とかイロイロ試したのだが、どうもスッキリせず、結局PCディスプレイ台座として新たにスピーカーを購入した。
買ったのはFOSTEXの「PM0.3BD」。台座目的で買ってすいませんフォスター電機さん!
このFOSTEX「PM0.3BD」、台座として最適でありつつ音質や機能性もグレイトなスピーカーだった。非常に使いやすい。なので、以降FOSTEX「PM0.3BD」を斜め方向からレビューしてゆきたいッ!!!
FOSTEX「PM0.3BD」は台座としてどうだったのか?
FOSTEX「PM0.3BD」は19mmソフトドームツィーターと75mmウーファーを搭載した2ウェイ・バスレフ方式のアクティブスピーカーで、入力ソースとしてデジタル(Bluetooth/USB)およびアナログ(AUX)に対応している。また本体前面にボリュームノブやインプットセレクターが配置されているので、入力ソース切り替えやボリューム調節を容易に行える。
じつはPCディスプレイ台座としてのスピーカーは、ほかにも高さ的にイイ感じでありつつ安価な製品がけっこうあった。だが、機能性的にPM0.3BDから大きく見劣りした。
てゅーかPM0.3BD、小型で2ウェイでデジタル入力にも対応して本体前面で操作できてグレイトだし音質的にも評判高いし安心のFOSTEXブランドだしサイコーじゃね? とか思って購入したのであった。
で、まず台座としてのPM0.3BDだが、これがバッチリであった。まず台座としての評価ですいませんフォスター電機さん!
ちなみに前のディスプレイ台座はBOSE「Companion20 multimedia speaker system」だった。このスピーカーは側面が微妙に曲面となっており、台座としてすこーしだけ安定性が悪かった。だがPM0.3BDは完璧に安定。FOSTEXはBOSEを超えたゼ! とか思った俺なのであった。
ただ、じつを言うとこのPM0.3BD、音質的にかなり俺好みであり、「これを台座にしちゃうのもったいないかも〜」的な葛藤があった。スピーカーの左右間隔をもう少し広げつつ、ちょっと耳向きにしたりすると、非常に満足感の高い音が出るのだ。写真のように台座にしてもイイ音と感じられるものの、「このスピーカーはもっとイイ音が出るのだ」ってコトを知っていると、ぐぬぬぬ〜的な葛藤が生じる。
とはいっても、台座目的音質二の次的なスタンスで買ったし、台座としてベストだし、やっぱりまず台座として役立てたい。それにPM0.3BDの音質が優れているのは確かだが、PC用スピーカーの音ってそうそう聴き入る感じで使わない俺。小さい音でBGMを流すくらいの使い方(小さい音でも解像感が高いョ!)なので……うーんでもなぁとか後ろ髪引かれたりしつつ、PM0.3BDをPCディスプレイ台座&便利スピーカーとして使っている。
スゲく便利なFOSTEX「PM0.3BD」
PM0.3BDは、このテのアクティブスピーカーとしては、たぶん非常に便利な部類だと思う。というか「なにこの便利なPCディスプレイ台座スピーカー!」って感じで頻繁に「買ってよかったニャ」と満足している。
非常に便利なのが入力ソースが多彩なこと。前述のとおり、PM0.3BDはデジタル(Bluetooth/USB)およびアナログ(AUX)の音声を再生できる。ソース選択には右スピーカーユニット下部のインプットセレクターを使う。
俺の場合、通常はPM0.3BDでPCからの音を聴いている。BGMを流したりPCのアラートを聞いたり。
PC不使用時にも、PM0.3BDがかなり活躍している。たとえばiPhoneやiPadなどで動画を見るときは、Bluetooth接続したPM0.3BDで音を聴いている。iPhoneとかの小さな画面でも、音像が豊かだと映像も生々しく見えて非常に愉快である。
またPS5などでゲームをする場合、PM0.3BD(AUX入力)で音を再生している。前述の曲面ディスプレイ(の一部)でゲーム映像を表示しつつ、その下にセットしたPM0.3BDで音を再生。以前の台座スピーカーにもAUX入力があったので同様に使っていたが、ステレオの分離感も音質的な解像感もより高く感じられるPM0.3BDなので、ゲーム体験がより豊かになったように感じる。
ニャんですかこのスピーカー! 便利だし音もイイじゃニャいか! もっと前から買ってれば……と思って発売日を調べたら、2023年6月下旬らしい。わりと新しい製品なのであった。
ともあれ、台座は関係ないとしても、このスピーカーはPCユーザー全般が喜べる使用感と音質があると思う。扱いやすくてコンパクトで高音質なので、機会があればぜひ実機に触れてみてほしい。
PM0.3BDにサブウーファーを追加するも……あれれ? だが最終的に超絶大満足
PM0.3BDは高音の解像感が高い気がする。ボーカル域もよく出ていて、歌モノはイイ感じのリアルさ臨場感で聴ける。またある程度大きな音にすれば低音もそれなりに出て、音楽鑑賞にもけっこう向くスピーカーだと感じられる。……こんなに小さいのに。
ただ、俺の場合、いつもはPM0.3BDを小さめの音で使っている。仕事中にうっすらとBGMを流す程度。そういう使い方だと高音が多く聞こえてくる感じのPM0.3BD。もう少し大きな音にすれば低音も出てくるのだが……うーん、それだと仕事に差し支える? みたいな葛藤が生じた。
……あ! そう言えばPM0.3BDにはサブウーファー出力端子があった。音質を保ちつつ手軽な感じでサブウーファーを接続できそう!
とか思ってサブウーファーを物色してみたら、FOSTEXから「PM-SUBmini2」というコンパクトなサブウーファーが発売されていたッ!!! 買うしか!!! PM0.3BDに接続するしか!!! そして俺的BGM音質を高めるしか!!!
と思ったら在庫ナシだったものの我慢できずに中古をポチッ。1万9000円だった。新品は2万円少々のもよう。
使用中のPM0.3BDにサブウーファーPM-SUBmini2を追加してみると……低音が豊かになった……けど? こんなモン? PM-SUBmini2のボリュームを最大にしても……なーんかウーファーが思ったより振動してないような。こういうサブウーファーってボリューム最大とかにすると「いやいやいやいや、そこまで低音出されても困ります」ってなんなかったっけ?
おかしいニャと思って調べてみたら、「PM0.3BDにPM-SUBmini2をつなげたらサブウーファーの低音が出にくくなった」的な事例を発見。同時に「PM0.3BDのファームウェアアップデートで直った」との事例も発見。そうなのか!?
さっそくFOSTEXに(メールで)問い合わせたらすぐ回答があり「ファームウェアアップデートで改善できます」とのこと。対応オフィスが東京都武蔵村山市にあってウチからクルマですぐって感じで、修理品持込も可能ということだったので、速攻でPM0.3BDを持ち込んだ。
でもまあ預けたPM0.3BDが戻ってくるまでに1週間くらいかかったりするのかニャ〜と思ったら、翌日ファームウェアアップデート済みのPM0.3BDが届いた! え? 昨日の今日? ウソでしょ? Amazonなの? と思ったが、その対応オフィスが物流センター内にあったため、超っ速で送られてきたのかもしれない。
しかしまあ、前日の夕方に持ち込んで翌日(確か昼頃)届くって、衝撃的過ぎて忘れない体験になったと思う。また、伝票にあるように、8月5日に持ち込んだのだが、時刻は夕方4時過ぎの持ち込みであった。……持ち込んだ直後にファームウェアアップデート処理して梱包して(想像:同じ敷地内の物流センターに引き渡して)翌日配送なのか!?
ともあれ凄すぎるサポートを受けた感じであり、俺の場合そういう体験があると今後もガスガスとFOSTEXブランド製品を買っちゃうのである。まあいつも上記のような超迅速サポートを提供しているわけではないかもしれないが、スゲいなフォスター電機さん! と思った次第である。
ともあれ、ファームウェアアップデートが済んだPM0.3BDと、机上に置いたPM-SUBmini2のコンビ(合計3台だからトリオ?)は、小音量でも非常にバランスがよく解像感が高く聴き疲れしないサウンドを連日奏でている。BGMレベルで聴いても、手持ちの音源が一新された印象で新鮮。PM0.3BDを3万4650円で買って、中古PM-SUBmini2が1万9000円で、合計5万3650円で、毎日この音質が得られるというのは……これはかな〜り安いと感じられる。サウンド生活が豊かになったゼ!
あ、でもPM0.3BDについて、1点だけ残念なところが。PM0.3BDには「無音状態が15分続いた場合に消費電力を低減する省電力モード」が装備されている。のだが、音量を抑えめで音楽を流していると、この機能が働いてしまうようだ。また、いったん省電力モードに入ると、その後に音声入力があっても自動的に省電力モードから復帰せず、電源ボタン操作でオンにする必要がある。
俺の場合、「わずかに聞こえる程度の音量のBGM」を流しつつ仕事をしているが、音楽が流れているにもかかわらずこの機能が働いてしまったりする。なので、機能をオフにしている(背面のDIPスイッチでオンオフできる)。まあでもPM0.3BD不使用時は前面の電源スイッチでオフにできるから大して問題ではないんスけどね。
てな感じのPM0.3BD。パソコンやスマートデバイスとの相性もいいアクティブスピーカーだと思うので、興味があるならじっくりチェックしつつ試聴もゼヒ!