本日の一品
ミニマリストのためのTWO IN ONE「PICK TUNER」を買ってみた
2025年3月3日 00:00
ギターやウクレレなどの弦楽器を弾く人の多くが、毎日お世話になっている関連デバイスの中でもベスト3に入るのは電池駆動の通称「ギターチューナー」とか「クロマチックチューナー」、古くは「チューニングメーター」と呼ばれる楽器を調律するための電子機器だ。
昨今なら、スマホのアプリでも提供されるがその昔、筆者が高校の軽音楽部でエレキギターやエレキベースを弾いていたころは、チューニングといえば今も現役の「音叉」(Tuning fork)だった。さすがにすでに筆者宅にはなかったが懐かしくてAmazonで買ってみた。届いたのは130年昔からメトロノームを作っているウイットナーの音叉だった。
届いた音叉は、二股になった“フォーク”と呼ばれる真ん中部分に衝撃を与えると、極めて小さな“A”(ラの音)の音が鳴る。音叉の使い方は正式には習ったことはないが、高校生のころはフォーク部を膝の骨にぶつけて柄の部分の球体を耳の穴に軽く入れて、Aの振動音を聴きながらその一方でギター(5弦)やベース(3弦)の開放弦を弾いて、音程を比べながらペグ(糸巻)を回して音程を上下して調律していた記憶がある。
音叉(A)は440Hzで正確に振動するので、その原理を応用した腕時計なども1960年代には登場している。腕時計を真正面から見ると、音叉のフォーク部分の両方の先端がコイルを包むように隣接しているのが分かる。写真のBULOVA ACCUTRONの振動数は、440Hzではなく360Hzだが、正しく調整され正規の電池で駆動すれば、日差2秒というブッ飛びのテクノロジーを今から50年以上前のクォーツ登場前に実現していた。音叉は凄いのだ。
弦楽器用のチューナーもIC化の道を辿り1970年代後半以降は、アナログメーターの付いたギターチューナーの時代となった。本体にはエレキギターの出力をそのまま入力として使うためのギタージャックと、アコースティック系ギター用の内蔵マイクのあるモノが大勢を占めていた。
そしてその後は、ギターのヘッドにクリップする“クリップ型”やより高度な“カード型”、ライブなどで便利な床置きのエフェクター系の“ペダル型”などが登場してきている。中でもコンパクト、軽量で安価、種類も多く、スタジオ練習からライブなどでも“ヘッドにつけっぱなし”、“電源いれっぱなし”のできるクリップ型チューナーがポピュラーになってきた。
実は昨年末、都内の湯島で演った高校軽音の同窓会ライブでは、最近の大陸を中心とした海外で売れ筋のクリップ型チューナーを使った。“カートゥーンモデル”と呼ばれる中でも、最もホットなライトグリーンのエイリアン風チューナーだ。ライブ当日は会場でのウケもなかなか良かった。
今回ご紹介する新しいチューナーは、なんとピックとチューナーのハイブリッド(TWO IN ONE)モデルのPT-01。ごく一般的なティアドロップ型のピックとサイズ比較すると、ひと回り大きな32×40×7.5mmで重さ6g程度。先端部分のピック硬さはHARDレベルでそれほど違和感はないが、指先持つで本体部分の厚みが7mmほどあるのでそこをどう感じるかが分かれ目だ。
7mmの厚さはボタン電池(CR2016)とそのソケット、チューナー機能やLED表示部などの電子回路基板の厚さであることは間違いない。ちなみに筆者はこのピックチューナーをtemuで2回買っているが最初に買った時は437円、2回目は383円とおおよそ400円前後だった。ほかの商品を合わせて購入することで送料無料となる。これは破格に安い。
実際の使い勝手の検証は、筆者愛用のフェンダーのHeavy Relic Jazz Bass 1961モデルを使用した。チューニングの仕方はその他多くのLEDライト式チューナーとほぼ同じだ。違いはクリップ式の場合なら、目的の弦を弾いた後にヘッドストックに取り付けたクリップチューナーを見るが、今回は弦を弾いてすぐのピック面を見るという違いだ。
ピックチューナーは背面の小さな電源スイッチを2秒間長押しすることで電源オンとなる。表面のチューニングの表示には小さなLEDの画面があり、中央には大きな英字で糸巻を回転させながら近い音程になると、その弦の音程であるAやE、G等の文字が表示される。そこは多くのクリップ型と同様だ。
そして、音程の細かな表示はピックの先端側近くにグリーンのLEDが1個あり、両側面の左側にブルーのLEDが2個、右側にレッドのLEDが2個の合計5個のLEDが並んでいる。たとえば、エレキベースの1弦の調律の場合ならピックチューナーに“G”の文字が表示されるまで糸巻を巻く。
おおよその調律設定ができれば、そのあとはグリーンのLEDの両サイドに3個ずつあるブルーとレッドのLEDを見ながら細かく調整する。ブルーが表示されているなら糸巻を弦を張る方向に回し高音側に、レッドが表示されているなら弦を緩めて、上手くグリーンのLEDが点灯する位置が正しい調律となる。
今回はピックチューナーの評価の為にヘッド側にKORGのAW-LT100Bクリップチューナーとエイリアンのチューナーの2個を付け、筆者のエレキベースを使って弦を完全に緩めてから、糸巻を巻き上げながらピックチューナーでベース弦を弾きながら数度調律操作をやってみた。
基本的にチューニング操作そのものには大きな問題はないが、どうもヘッド側に取り付けた2つのクリップチューナーの表示値と比較して、ピックチューナーの方がLEDライト1個ぶんくらい高く調整されてしまうことが何度かあった。極めて耳の感度の良い人なら気付くかもしれない。筆者はベースパートのないマイナスワンソースを使って実際に合奏してみたが分からなかった。チューナー好きなら1個は手に入れたいピックチューナーだ。
| 製品名 | 発売元 | 販売価格 |
|---|---|---|
| TWO IN ONE PICK TUNER | - | 400円前後 |













