スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

アマゾンの最新タブレット「Fire Max 11」は、サクサク動作や高級感がイイ!!!

Amazonのサービスを利用しやすいAndroidベースの端末で、アプリはAmazon独自のアプリストアから導入する(Googleのアプリストアには基本的に非対応)。

 2023年5月23日に発表されたアマゾン(Amazon)のFireタブレットシリーズ最新モデル「Fire Max 11(ファイアーマックスイレブン)」。すでに販売が開始されており、家電量販店でも6月中旬から順次発売される。

 ちなみに、AmazonのFireタブレット(Kindle Fire)は、Amazonサービスの利用を重視した端末。OSはAndroidベースのFire OSで、最近の世代のFireタブレットはAndroid端末とよく似た使用感だ。

 ただしFire OSでは基本的にGoogle Playが利用できないので、Androidの豊富なアプリをインストールできないFireタブレットでは、Amazon独自のアプリストア(アプリ)からFire端末向けアプリをダウンロードして使う事になる。どんなアプリがあるのかはコチラ

 さて、最新型FireタブレットことFire Max 11は、Fireタブレット史上で最大となる11インチディスプレイを備えているのが最大の特徴。解像度は2000×1200ピクセルでフルHDを上回る。

 しかし俺の場合、10.1インチディスプレイを備える「Amazon Fire HD 10」を使用中。「なーんだ、ディスプレイがちょっと大きいだけか」と半分スルーしていた。

 すると編集部から「Fire Max 11けっこうイイですよ、使ってみます?」と連絡をいただいた。というコトで、ちょっと試してみ……たら、コレが画面サイズの違いだけではなく、いろいろとイイのであった♪ マジかよ〜Fire Max 11、欲しいじゃん、と。

 ちなみにFire Max 11には64GBモデルと128GBモデルがあるが、Amazonでの販売価格はストレージ64GBモデルが3万4980円、ストレージ128GBモデルが3万9980円。

 このほか、別売アクセサリーとのセット品もあり、「本体+スタイラスペン+キーボード付きカバー」だと64GBモデルが4万7980円、128GBモデルが5万2980円となっている。スタイラスペンやキーボード付きカバーは単体での別売もされているが、セット品を買ったほうが価格的にはお得な設定になっている。

 Fire Max 11を使った印象をとりあえず述べてしまうと、操作感はフツーにサクサクと軽快で、画面表示が広くキレイで、音質も上々。オプション品の使い勝手も良好。あと、タブレット端末としての高級感もしっかりあって、俺的には「これにSIMが入るようにしてよーん!」とか購入志向で考えてしまう。

 けっこーイイのだFire Max 11。てなわけで以降、Fire Max 11およびそのアクセサリー類のレビューをお届けしたい。

サクサク動作して高級感もあるFire Max 11、薄くて触れている感じも◎

 まずFire Max 11のスペックを少々。詳細はAmazonの該当ページにあるが、前述のとおりFireタブレット史上で最大となる11インチディスプレイを備え、その解像度は2000×1200ピクセル(2K/213ppi)。大きさは259×164×7.5mmで、重さは490g。

 8コアプロセッサを搭載し、Amazonでは「2×2.2GHz、6×2.0GHz」とある。具体的にはArm Cortex-A78(最大2.2GHz)×2、Arm Cortex A55(最大2GHz)×6という構成。同じ価格帯のAndroidタブレットよりも処理能力が高く、アマゾンは「これまでのFireタブレットシリーズで最もパワフル」とアピールしている。実際にスムーズに操作できて処理速度的なフラストレーションは感じられない。

 メモリー(RAM)は4GBで、ストレージは前述のとおり64GBもしくは128GBから選べる。また最大1TBのmicroSDカードに対応している。

 通信機能はWi-Fi 6(802.11 ax)対応で、SIMを入れてのモバイル回線利用には非対応。Bluetooth 5.3対応で、ステレオヘッドホン、スピーカー、マイクなどアクセサリーを無線接続できる。またDolby Atmos対応のデュアルステレオスピーカーを内蔵している。

本体表側。Fireシリーズとしてはわりと狭額縁で、ワンサイズ下のFire HD 10とあまり大きさは変わらない。中央上部には8MPのカメラを搭載(AFなし)。
本体裏側。直線と小さく滑らかなカーブの小綺麗なデザインで、ボディはアルミ製。Amazonは「落下テストでの耐久性はApple iPad 10.9(第10世代)の3倍」とアピールしているが、確かに頑丈そう。左上にはAF機能付きの8MPカメラを搭載している。
主な操作部は本体右側にある。電源ボタン/指紋センサー、ボリュームボタンがあり、microSDカードスロットやUSB-Cポートやマイクも備えている。※別売カバーを装着して撮影。
本体上部にDolby Atmos対応のデュアルステレオスピーカーを内蔵(写真は右側)。
本体下部にはキーボード付きカバー接続用スロットおよびコネクターがある。

 Fire Max 11を使ってみた感じは、全体的にキビキビ動いて快適。各種初期搭載アプリや数本のゲーム、動画のストリーミング再生などを試したが、フツーにスムーズに利用できた。まあ、いちばん高性能なFireタブレットでありつつ、お値段もフツーな価格なので、処理性能については「まあそうだろうな」という印象ではある。

 Fire Max 11使用中に終始感じたのは、ボディの薄さと高級感。大画面だが薄く、剛性感が高く、「頑丈でキレイなタブレット」という感じで使い心地がイイ。というか、これまでのFIreタブレットって「ボディが樹脂でややチープ」という印象がアリガチであったが、Fire Max 11にはそういう安っぽさが全然ない。

11インチディスプレイはキレイ、動画視聴もWeb利用も捗る

 Fire Max 11は11インチディスプレイ搭載ということで、パソコンのような感じでブラウジングを中心に使うことになると思われる。その画面表示はどうなのか?

 俺的印象から書くと、明るくコントラストも高く、発色も良好。画面も大きいので、動画配信やWebサイト巡りなども気持ちよく楽しめる。

 でも手持ちのFire HD 10も大画面でキレイな表示なので、そんなに変わらないのでは? と思って比べてみたら、あらま、一目でFire Max 11の表示のほうがワンランク上ということが判明。Fire HD 10ユーザーとしては少し寂しい。

 ツイデにFire Max 11とFire HD 10と触り比べると、どう触ってもFire Max 11のほうが高級端末って感じで、なんか悲しい。Fire Max 11は明らかに格上端末という雰囲気・性能を醸し出しまくっていて、Fire HD 10はFire Max 11より25g軽いということくらいしか……んー、比べちゃうとFire Max 11欲しくなっちゃいますな。

Fire Max 11(左)とFire HD 10(右)を並べてみた。画面表示の質がけっこー違い、Fire Max 11のほうが高品位って感じ。
Fire Max 11とFire HD 10の裏面。Fire Max 11はアルミボディ、Fire HD 10は樹脂ボティ。高級感に大きな差がある。

 さておき、ディスプレイの話に戻って……動画とかを観ていると本体長辺上部のDolby Atmos対応のデュアルステレオスピーカーがわりとイイ音で鳴ってくれて愉快。ドラマなどではセリフも聞きやすく、明瞭な音をしっかり出してくれるスピーカーだと感じられる。

 のだが、音楽鑑賞にはチョイ不向き? という気がする。

 というのは、中高音成分が強く出る傾向のスピーカーで、音楽鑑賞時の低音は明らかに物足りない。同じサイズ感のタブレット端末で「もっと低音が出る機種」はけっこうあるので、Fire Max 11の内蔵スピーカーは音楽鑑賞においてちょっと力不足だと感じた。まあでも、Bluetoothヘッドホンとか使えばいいんですけどネ。

全体的に聞きやすい音が出てくる内蔵スピーカーだが、音楽をじっくり聴こうとすると「低音が物足りない」という印象が否めない。

 今回は後述の専用スタイラスペンとキーボード付きカバーも併用したが、カバー単体でもキーボードと併用していても、これらアクセサリーがイイ感じで役立つのだ。卓上端末として置きやすく見やすく操作しやすい。

キーボード付きカバーと併用している様子。背面のカバーのキックスタンド的なもので端末が自立する。
キーボードをクルリ裏返してと向こうに回した状態。キーボードは容易に外すこともできる。

 てな感じで、キーボードとカバーを装着した状態で使うとナニカと便利。横置き状態だと背が高すぎるということもなく、デスクトップPC用のディスプレイとキーボードの間に置くと愉快な端末としても仕事にも役立つ端末としても活躍してくれる。

便利で完成度の高いアクセサリー、スタイラスペンもあるョ!

 Fire Max 11用アクセサリーも試用してみた。アクセサリーとして、Made for Amazon認定取得のスタイラスペン(4980円)、キーボード付きカバー(1万980円)、純正カバー(6980円)が用意されている。Fire Max 11本体とのセット商品もあり、アクセサリー単体で買うよりお得な価格が設定されている。どのアクセサリーの機能性もシンプルなので、写真とともに見ていこう。

Fire Max 11用のAmazon純正「キーボード付きカバー」はキーボードとカバーが同梱されたセット品だが、こちらはカバーのほう。マグネットでFire Max 11の裏面に吸着する、硬質の樹脂製と思われるカバーだが、表面はデニムのような質感だ。
Fire Max 11の背面に吸着。下半分が自由な角度で折れる、キックスタンドのような構造。
150度くらいまで折れ曲がる。曲げた位置で固定される。
カバーによりFire Max 11がこんな感じで自立する。
折り曲がりの角度を大きくすれば、ソフトウェアキーボードを打ちやすい角度になる。また、お絵描き時のスタンドにも使える。
こちらはキーボード。キーボード部は画面保護のフタにもなる。Fire HD 10のキーボードと比べると、キーが一回り(半回りかな?)ほど大きく、キー配列も少し改良されている。また、薄いものの剛性が高めで安定的に打鍵できる。トラックパッドが搭載されており、各種ジェスチャー(ピンチズーム、2本指スクロール、タスクスイッチなど)で画面に触れずともタッチ操作とだいたい同じように使える感覚。なかなか便利。
キーボードとFire Max 11はマグネットで合体する。電池などは不要。
合体状態。キーボードだけ装着することもできるが、その場合はFire Max 11は自立しない。
Fire Max 11用「スタイラスペン(Made for Amazon 認定取得)」。USI 2.0デバイスに対応するスタイラスペンで、USI 2.0デバイスであればペアリングなど不要ですぐ使える。電源は単6形乾電池。プラスマイナス45度までの傾きを検知し、4096段階の筆圧感知にも対応している。
ペン先は至って普通。書き味は「コツコツ」という感じ。鉛筆っぽいとか抵抗があるとか、そういう感触はない。
ペンは本体左側にマグネット吸着する。
スピーカー側を左にして縦向きにした状態で、ペンは長辺右側にもマグネット吸着する。
使用感は可もなく不可もなく、という印象。

 使った印象としては、キーボード付きカバーは俺的に必須だと感じられた。自立させるのにカバーが必要で、キーボードがあればFire Max 11をより幅広く活用できる。またキーボードが思いのほか打ちやすく使いやすいというのもある。トラックパッドも便利。

 スタイラスは、まあよくできてはいるが、Fire Max 11でペン入力するかな? お絵描きするかな? とか考えると、なんか必要性をいまいち感じなかった。また、微妙に遅延があるので、本格的に「描くためのペン」として使おうとすると鬱憤がたまるかも。でもけっこー安いので、ツイデに買ったりするのかもしれない。

 てな感じで、Fire Max 11をアクセサリーとともに使ってみた。Fire Max 11は非常に使いやすいタブレットで、大きな画面もアルミ製のボディも画面表示の良さも魅力的。Fire HD 10を誰かにあげちゃって、Fire Max 11を買おうかな? と考えている俺なのであった。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。