スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

自転車にスマートフォンとバッテリーを同時装着!

シリコン素材で2階建て、自転車用マウンター

 つい最近、2019年4月25日に発売されたUNiQ(ユニーク)の「Fanta Stick Holder BICYCLE(ファンタスティックホルダー バイシクル)」(公式ページ)。自転車用のスマートフォンホルダーなんですけど、見た瞬間に筆者の琴線に触れまくり。

 一見、単なるスマートフォン用のシリコン製ハンドルマウントなんですが、よく見ると2階建て。スマートフォンとモバイルバッテリーを同時に装着できるんです。これは便利そう! ということで予約購入。直販サイト税込み価格が2678円でした。

UNiQの「Fanta Stick Holder BICYCLE」。自転車ハンドル用のスマートフォンマウントで、素材はシリコン(一部アルミ)。スマートフォンとモバイルバッテリーを同時に装着できます。装着時に工具は不要。カラーはステルスブラックとライトニンググリーンが用意されています。

 ちょっと話が逸れますが、筆者が使っている自転車用スマートフォンマウントは「QUAD LOCK」(レビュー記事)。ガッチリとマウントでき、脱着が手軽でイイ感じです。各パーツの値段がやや高いのと、独特のマウント形状ゆえの「QUAD LOCK 縛り」が生じてしまうという微妙さはあるんですが、とても実用的です。

左写真はQUAD LOCKのスマートフォンケース。背面に独自形状の穴があり、これに対応するマウントを自転車のハンドルなどにセットして使います。45度ひねる程度の操作で脱着が可能で、装着後に不意に外れることはまずありません。手軽&堅牢というわけです。
RAMマウント対応にするアダプター的パーツもあります。これによりRAMマウント台座部分に QUAD LOCK対応ホルダーを装着することができます。ただ、こういった各パーツがそれぞれちょとお高いのが残念。

 QUAD LOCKは便利なんですが、ちょっと残念な点が。自転車のハンドルなどへかなりガッチリとマウントされるため、自転車の振動がけっこうダイレクトにスマートフォンへと伝わってしまいます。舗装路なら問題なさそうな感じですが、段差の突き上げや未舗装路のガタガタだと「なんか振動でスマホ故障しそう~」みたいな不安感が。

 一方、今回のネタこと「Fanta Stick Holder BICYCLE」ですが、シリコン製でありかつ2階建てだから、そういう振動にもちょっと強いかも? といった期待もあり、予約購入したというわけです。ともあれ以降、この2階建てスマートフォンマウントの機能性や使用感について見ていきましょう。

Fanta Stick Holder BICYCLE ってどんなモノ?

 Fanta Stick Holder BICYCLEは、スマートフォンとバッテリーを同時に自転車ハンドルへと装着できるシリコン製マウントです。装着可能なスマートフォンは3.5~6インチで、モバイルバッテリーは横幅2~3インチ(約5~7.6センチ)です。ただ、シリコン製で伸縮性が非常に高いので、これらサイズ以外のスマートフォンやモバイルバッテリーも装着できたりすると思います。

 この製品、実際に使ってみると至ってシンプルなスマートフォンホルダーであることがわかるんですが、初見だと「???」って感じかもしれません。下の写真がFanta Stick Holder BICYCLEの全てなんですが、使い方をイメージできるでしょうか?

Fanta Stick Holder BICYCLEは2つのパーツで構成されています。写真左の上のパーツがマウントベースで、下のパーツがデュアルホルダーです。写真中央と右がそれぞれのパーツの表と裏。

 なんだか使い方がイマイチよくわかりません。というわけで、以下に正解の使い方を。パーツの各部サイズもチェックしておきましょう。

 まずマウントベースを自転車のステムやハンドルなどパイプ部分に固定。続いて、モバイルバッテリー装着済みのデュアルホルダーをその上に載せて固定します。そして最後にスマートフォンを取り付けて完了、という流れです。

 ちなみに、マウントベース部のフックはアルミ製。マウントベースの内部深くまで入り込んだパーツで、マウントベース自体がかなりシッカリしています。シリコン製ですが、グニグニたわんだりしない感じ。フック部分はなめらかな仕上げなので、シリコンバンドを傷つける心配もなさそうです。

実際に装着してみよう!

 実際に使ってみます。装着するスマートフォンは「iPhone XS Max」で6.5インチの端末。前述のとおり、公式にはFanta Stick Holder BICYCLEに3.5~6インチの端末を装着可能とあり、いきなり非対応サイズの端末となり自己責任の世界。ですが、結果から言えば、大きな問題なく装着できました。

 装着するモバイルバッテリーは、パナソニックのQE-PL301。サイズは約高さ24×幅108×奥行68mm。Fanta Stick Holder BICYCLE対応内のサイズです。これも結果から言えば、問題なく装着できました。

 実際に自転車のステムやハンドルにスマートフォンおよびモバイルバッテリーを装着した様子を見てみましょう。以下、写真と説明文でどうぞ。

Fanta Stick Holder BICYCLEは自転車のステムやハンドルバーに装着できます。ハンドルバーは握る部分につながるパイプで、ステムはそれを支える部分です。この自転車の場合、ステムがちょっと短め。でもステムに装着してみましょう。まずマウントベースをステムに装着。シリコン素材なので、ステム形状・太さを問わず装着できるという印象です。
モバイルバッテリーの電源ボタンやUSBポートの位置に注意し、自転車に装着した後でもボタン操作やケーブル接続ができるように、モバイルバッテリーをデュアルホルダーにセットしましょう。で、ステムに装着したマウントベースの上に、モバイルバッテリー装着済みのデュアルホルダーをセット(左)。その上にスマートフォンを装着し、USBケーブルで給電すれば完了です。十分な安定感とともに装着できました。
今度は横向き。ちょっと特殊なカスタマイズをしている自転車ですが、手前のパイプに装着してみます。まずマウントベースを装着して、その上にモバイルバッテリー装着済みのデュアルホルダーをセット。
続いてスマートフォンをセットし、USBケーブルをつなげば完了です。シリコンのホルダーなので、隙間にUSBケーブルを通せばケーブルの余りを処理できたりも。

 この状態で実際に走ってみると、舗装路でも段差でも砂利道でも、安定感バッチリ。振動もそこそこ吸収してくれるので、前述のQUAD LOCKのような「ガッチリ固定タイプのホルダー」よりはちょっと安心感があるかな、と。

 ちなみに、Fanta Stick Holder BICYCLEはモバイルバッテリーを装着せずとも使えます。その状態で走ると、かなりのクッション性があって、悪路を走るときに振動から端末を防ぐ効果がさらに高まる感じ。

ハンドルやステムにマウントベースを装着し、その上にモバイルバッテリーなし状態のデュアルホルダーを装着。そこへスマートフォンをセットします。端末サイズにもよると思いますが、6インチクラスのスマートフォンならこの状態でまずまず安定しています。

 上の状態、クッション性はかなりのもの。段差に乗り上げたときの突き上げ振動でも大丈夫な雰囲気です。ただ、せっかくスマートフォンもモバイルバッテリーも装着できるFanta Stick Holder BICYCLE。モバイルバッテリーなしで使うのもなんかモッタイナイ感があるので、実際にはモバイルバッテリーも装着して使っています。また、そうした場合でも、まあまあ納得できる衝撃吸収性があると感じられます。

 機能性は十分なFanta Stick Holder BICYCLEですが、使用感についてひとつ、ちょ~っとだけ面倒な点があります。自転車を離れるときにスマートフォンやモバイルバッテリーの盗難を避けるため、それらを車体から外しますが、それにひと手間かかるんです。

 というのは、Fanta Stick Holder BICYCLEの構造上、スマートフォンとモバイルバッテリーを自転車から外す場合には、必ずデュアルホルダーからスマートフォンを外す必要があります。続いて、デュアルホルダーごとモバイルバッテリーを外します。要は「スマートフォンをモバイルバッテリーを一発で外す方法はない」というわけです。

 まあ、スマートフォンとモバイルバッテリーという2つの機材を装着しているので、外すのも2回手間がかかるのは当然と言えば当然。でも、これが1度の手間でできれば、さらに魅力的なホルダーになると思います。

Qi給電対応モバイルバッテリーも使えたりする!

 ちょっと余談になりますが、このFanta Stick Holder BICYCLE、試してみたらQi対応のモバイルバッテリーも活用できました。つまり、Qi充電対応スマートフォンとQi給電対応モバイルバッテリーをセットした場合、Qi充電できたゼ、と。この組み合わせならUSBケーブルは不要です。

スマホなどに対してQi充電できるモバイルバッテリー。写真はcheeroの「cheero Powermix 6000mAh」(レビュー記事)ですが、これをQi充電対応スマートフォンとともにFanta Stick Holder BICYCLEにセットしたら、ワイヤレスで充電できました。

 自転車でワイヤレス充電! イイかも! というわけで何度かこのスタイルでサイクリングしましたが、ちょっと面倒&モヤモヤが発生しました。

 というのは、まずスマートフォンとQi対応モバイルバッテリーの位置関係のセットが面倒です。シリコン製のホルダーなので、スマートフォンの位置をしっかり決めてバランスよく取り付けないと「走行中に充電されなくなっていた」みたいなコトが。

 もうひとつ、端末やバッテリーによって違うと思いますが、充電速度が遅めという印象があります。もともと充電速度は速くないQiですが、Fanta Stick Holder BICYCLEの場合はバッテリーと端末の間の隙間が大きめになるから、さらに遅くなったのかもしれません。位置決めをシッカリ行っても遅めです。

 なんか位置決めが面倒で。充電速度が遅くてモヤモヤして、結局USB接続しての充電に戻りました。まあ、メーカーが推奨する使い方ではないですし、実際やってみたらイマイチだったってことで、ご参考までに。

 ともあれ、なかなか便利なFanta Stick Holder BICYCLE。走行中にスマートフォンでGPSログを取ったりマップなどアプリを使ったりするし、朝から夕方までけっこう長時間使うし、という人にとってモバイルバッテリーまでマウントできるってのは好都合です。それでいて、わりとまとまりがイイのも好印象。なので、けっこうオススメなFanta Stick Holder BICYCLE。

 なのですが、調べてみると、このタイプのホルダーはいくつか存在しています。似たような機能性なので、Fanta Stick Holder BICYCLEが欲しいかも~と思った方は、類似品も含めていろいろチェックしてみてください♪

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。