スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

手軽・安心・コンパクトな、スマホ用マウントシステム「QUAD LOCK」

かな~り、イイね! QUAD LOCK!

 ササッと手軽に使える自転車用のスマートフォンホルダーはないかな~と、いつものように探している筆者。手早く使えて、落下の心配全然ナシで、汎用の自由度もある程度あって……、みたいな。

 知る人ぞ知る自転車向けマウントシステムとして「QUAD LOCK」(公式ページ)というのがあります。ただ、個人的には、お値段がやや高いのと、独特のマウントからくる「QUAD LOCK縛り」が生じてしまうので、何となく手を出していませんでした。

自転車向けのスマートフォンマウントシステムのQUAD LOCK。各部パーツの軽さや小ささが特徴的で、シンプルさにもこだわったシステムです。2012年から発売されている、クラウドファンディング(Kickstarter)生まれの製品です。
モーターサイクル用やランニング用の製品もあります。マウント側とスマホ側を接続する構造は、もちろん共通しています。

 ちなみにお値段ですが、たとえば QUAD LOCK 対応のスマートフォンケースと自転車用マウントのセット品で、7000円~8000円くらい。自転車用マウント単品の「BIKE MOUNT」(公式ページ)は、クアッドロックジャパン直販価格で税込3672円。けっこーしますよネ。

 でも調べるほどに便利そうな QUAD LOCK。食わず嫌いはやめて、買って使ってみることにしました。結果、イイです~便利です~コレ。手軽でシンプルで、安心感もあります。使ってみると「ツボを押さえた製品」であることがよくわかる。てなわけで以降、QUAD LOCK の使用感などについて書いてみたいと思います。

iPhone XS Max を自転車にマウント!

 まずは自転車のハンドル部に iPhone XS Max をマウントしてみます。使用する QUAD LOCK 製品は「CASE(IPHONE XS MAX ワイヤレス充電対応)」(公式ページ)と、「BIKE KIT(UNIVERSAL FIT V2 適合:25-40mm径)」(公式ページ)です。直販税込価格は、前者のケースが3672円で、後者のキットが4752円。

左がケースで、右がキット。キットの内容は自転車用のマウントと、スマートフォン背面に貼って使うマウント取り付け用アダプターです。これらマウントとアダプターは個別でも買えますが、キット品のほうが割安。1台の自転車に、ときにはiPhone、ときには Google Pixel 3 XL を取り付けたいと思ってこれらのパーツを買いました。

 さて、これらのパーツををスマホや自転車に取り付けます。と言っても、スマホにケースを装着し、自転車のハンドルにマウントを固定(付属Oリング使用)するだけで準備完了。工具などは一切不要。手軽ですネ。

付属のOリングを使って自転車のハンドルにマウントを固定。iPhoneにはケースを装着。マウントへのスマホ固定ですが、スマホを45度の角度に傾けてマウントへ押し当て、そのまま水平もしくは垂直まで回転させるだけです。マウント側にはロック機構(青い部分)があり、不意にスマホが抜け落ちるようなことはありません。

 先にちょっとした難点から言えば、マウントさせるときの力の入れ方や押し当て方に僅かなコツが要ること。それから、スマホを外すときには青いロック機構を押し下げる必要があること(両手を使うことになりがち)。でもまあ、そういうものと思えば慣れられるし割り切れる程度です。

 使っていてイイのは、まずマウント時の安定性。オフロードを走るなどしても、かなり震動があっても外れることはまずないという印象です。マウント自体も頑丈な感じ。固定のためのOリングは劣化してくるとは思いますが、これも十分に頑丈。Oリングの状態さえ気にしていれば、スマホ落下はほぼ無いと思います。

 それから、スマホ側のケースも、ハンドル側のマウントも、軽く小さくシンプルであること。また、それらが扱いやすいこと。スマホケースはそのまま常用しても気にならない自然さがあり、自転車側のマウントも邪魔になりません。スマホを押し当ててクリッと回すだけで装着できる手軽さは、かな~りナイス!

 もうひとつ、スマホ側ケースがQi充電に対応しているのがグレイト! 実用的です。ちなみに、ケースとしては極薄ではありませんが、まあまあ標準的な厚みのケースです。セミハード素材によりスマホをしっかり守ってくれる堅牢さがあり、画面やカメラ部もしっかり保護されます。

 それと、Google Pixel 3 XL もマウントできるようにしようと、貼って使うアダプターをTPU素材ケースの裏面に装着。Google Pixel 3 XL も自転車への脱着が手軽に行えるようになりました。ただし、アダプターを貼ったケースに Google Pixel 3 XL を入れた状態では、Qi充電ができませんでした。貼る位置やケースによってはQi充電できる? スマホの直接貼ればQi充電できる? ……かもしれませんが、試していません。

プラスαの便利さがある2つの QUAD LOCK アイテム

 これがあるとちょっと便利かもな~、と思って購入した QUAD LOCK アイテムが2つあります。それぞれ、ベルト装着用のマウントである「BELT CLIP V3」(公式ページ)と、三脚用マウントの「TRIPOD ADAPTOR」(公式ページ)です。直販税込価格は、前者のクリップが2970円で、後者の三脚マウントが1782円です。

ベルト装着用のマウントの BELT CLIP V3。バックパックやバッグのショルダーストラップなどに留めて使える QUAD LOCK マウントです。
細かなところもよくできているクリップで、たとえばベルトから外れにくい形状になっています。ただし、ベルト側にある程度の厚みがないと、クリップがスルスルと動いてしまいます。そういうベルト厚の場合、クリップが動かなくなる一工夫が必要です。なお、クリップのベルト通し部の隙間は約3mm。4~5mm厚のベルトがちょうど適合するかな、という印象です。
こちらは三脚用マウントの TRIPOD ADAPTOR。QUAD LOCK 対応ケースに入れたスマートフォンを手軽に三脚にセットできるようになります。

 それぞれの使用感ですが、まずクリップのほうはバックパックのショルダーストラップにスマホを装着できて、ナニゲに便利。スマホを入れるポーチなどが不要となるからです。それから、持ち手ストラップ部がやや厚めのバッグにクリップしても実用的。ただ、クリップにスマホを装着した状態で「スマホを使う」というシチュエーションはあまり考えられないので、「バックパックやバッグにスマホをポンと装着して携帯するためのクリップ」という以上の利便はあまりないのかもしれません。

 三脚用マウントのほうですが、これもナニゲに便利。マウントへのスマホ取付は、前述のとおり押し当てて回すだけ。取り外しも容易です。ですが、かなり強固にマウントされます。この手軽さでスマホを三脚にセットできるような製品は……なかなかありません。なお、この三脚用マウントにはロック機構はなく、その点がちょっと残念。

RAMマウントにも対応させられる♪

 QUAD LOCK には、RAMマウントに対応させるためのパーツも用意されています。具体的には「MOTORCYCLE 1" BALL ADAPTOR」(公式ページ)という製品。RAMマウントのボール部分を備えた QUAD LOCK マウントで、既にRAMマウントのベースやアームを使っている人でも手軽に QUAD LOCK マウントを利用できるというものです。直販税込価格は3672円。

QUAD LOCK と RAMマウントを結びつけるパーツ、MOTORCYCLE 1" BALL ADAPTOR。既にRAMマウントを使っている人でも、このパーツを使えば QUAD LOCK マウントを手軽かつ安価に利用できるようになります。

 筆者が QUAD LOCK マウントに手を出したひとつの大きな理由は、このパーツがあったから。前述の三脚アダプター的なマウントとか、このRAMマウント対応マウントがないと、QUAD LOCK は他のマウントと相互利用できない「QUAD LOCK 縛りのマウントシステム」になってしまいます。でもこいうパーツがあることで、他マウントシステムとの横つながりというか交流というか、そんな相互利用ができるというわけです。

 なお、RAMマウントについては何度か記事にしています。そのなかでもわりと総合的に説明している記事が本連載バックナンバーにありましたので、RAMマウントについて詳しく知りたい方はそちらを。でも、ここでも軽く写真でご説明。

RAMマウントは、主に4つのパーツを組み合わせてつくる汎用マウントシステムです。各部のパーツのバリエーションは豊富。様々なデバイスをいろいろな箇所に固定できます。
クルマにスマホを固定したり、自転車にGPSを固定したり、カメラをいろいろな箇所に固定したり。ボール関節とアームにより、デバイスの向きを自由自在に変えることができます。

 あ、RAMマウントもちょっとお高いです。ただ、堅牢性が抜群なので、一度買うと何年も使い続けられます。全然壊れない感じ。あとRAMマウント、けっこーゴツいです。

 この MOTORCYCLE 1" BALL ADAPTOR は、そんなRAMマウントの良さをさらに拡張してくれるパーツというわけです。RAMマウント純正のスマホホルダーも便利ですが、ちょっとゴツかったり、スマホ脱着もスマートというほどではなかったり。手軽なスマホ脱着やコンパクトさという点では、QUAD LOCK が一枚上。そんな良さをRAMマウントに導入できるという、なかなかオイシイ橋渡し役的なパーツだと思います。

 てな感じの QUAD LOCK マウントシステム。嵩張らず、手軽に使えるわりには、保持力もしっかりしていますし十分な堅牢性を備えています。使いやすさと堅牢さのバランスの良さがイイ感じです。興味のある方は、ぜひジックリとチェックしてみてください♪

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。