スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

再び「WASD Keyboards」でカスタムキーボード購入

今度はMXクリア軸でダブルショットキーキャップ!

 本連載バックナンバー「自分史上最高のキーボードを手に入れた! かも!」にて、現在最も気に入っているキーボードについて書きました。「WASD Keyboards」(公式サイト)のキーボードで、キースイッチやキーキャップ色・キートップ刻印等々を自由にカスタマイズできるのが大きな特徴であり魅力です。

「WASD Keyboards」Webサイト。ユーザーの要望に応じたキーボードをつくるメーカーで、メカニカルキースイッチ搭載の各種キーボードを販売しています。ユーザーがカスタマイズできるのは「WASD V2 Mechanical Keyboard」シリーズ。キーボードサイズはフルキーボード、テンキーレスキーボード、コンパクトキーボードがあり、メカニカルキースイッチ種類・キートップ刻印・キーキャップ色などをカスタマイズして注文できます。ユーザーオリジナルのキートップ刻印でつくってもらうことも可能。ディップスイッチによりWin/Mac用を切り換えられるほか、ColemakやDovorakといった配列の設定も可能です。ただし日本語配列のキーボードはありません。

 バックナンバーに書いたとおり、ヒッジョーに快適に使用中。使用感等の詳細は本連載バックナンバーをご一読ください。ともあれ、半年以上ガシガシ使っていますが、故障などのトラブルもありません。

 ただ、キートップが剥げてきてしまいました。でもWASD Keyboardsでは、キートップのみの販売もしています。なので、それを購入してキートップのみ交換すれば問題解決♪

WASD Keyboardsで注文したカスタマイズ・キーボード。US配列テンキーレスで、キースイッチはCherry MX 茶軸。OS絡みのキーはMac用(command・optionなど)にしました。メカニカルキーボードでMac用でテンキーレスという時点で選択肢が非常に狭くて困っていましたが、WASD Keyboardsのおかげで選択の自由度が一気に広がりました。
全体的に快適なキーボードですが、半年以上の酷使によりキートップの刻印が軽く削れて剥げてきました。Aキーの刻印が剥がれ、tabキーのtにもその徴候が見られます。WASDのキートップ刻印は「独自のUVプリント式」だそうですが、どうもそのプリント層が剥がれてきているもよう。

 まあ半年使って刻印が剥がれるくらいで、ほかは問題ナシなのでよしとしましょう。チャチャッとキーキャップ(キートップ)のみ買っちゃおう。ちなみに、キーキャップは樹脂色および刻印をカスタマイズしつつ一式セットで購入しても、US50ドルくらいです。ただ、送料がけっこうかかるんですよね~。以前は安く送ってくれたんですが、最近は送料+手数料でUS50ドル以上かかる感じ。

 そこでちょっと考えました。交換用キーキャップのほかに、キースイッチが異なるキーボードも改めて買ってみよう、と。あと興味があるパーツも買おう。いろいろマトメて買って「送料高くて痛い」感を分散してゆきたい! みたいな。

WASD Keyboardsで新たに買ったキーボード。各種パーツを追加するなどして細々したカスタマイズを施しています。

 そうして買って使い始めたのが、上の写真のキーボードです。特徴としては、写真では見えませんがキースイッチとして「Cherry MX クリア軸」を選んでいて、さらにキーキャップは刻印が剥がれたりしない「ダブルショット」タイプにしました。また、一部修飾キーをMac用に換え、キースイッチの底突きを防ぐダンパー(Rubber O-Ring)も入れてみました。使い始めて1ヵ月弱ですが、これがまた非常にイイ感じ♪ というわけで、今回はこのキーボードについてアレコレ書いてみたいと思います。

US260ドルもするキーボード

 WASD Keyboardsで新しいキーボードを購入するにあたって、どうせなら「ダブルショット」タイプのキーキャップを使ったものを買いたいと思いました。ダブルショットキーキャップは「2色成形キーキャップ」とも呼ばれ、色の違う2つの樹脂でつくられたキーキャップ。1色をキーキャップ全体のベース色として使い、もう1色をキー刻印として使っています。キートップ文字は印刷ではなく、キー表面から裏面まで貫通するように充填された樹脂によるものなので、キートップがすり減っても刻印が消えたりしません。また、構造上、ほかのタイプのキーキャップより若干厚みがあり、やや重厚な打鍵音となることも特徴的です。

ダブルショットキーキャップの一例。それぞれ2色の樹脂を使ってつくられています。白+青、グレー+青ですが、これらキーキャップの場合は青がキートップ刻印となり、白やグレーがキーキャップ全体の色になっています。
ダブルショットキーキャップをカットしたもの。いや~カットするのタイヘンでしたわ~って話はさておき、樹脂によるキートップ刻印は表面から裏面までほぼ貫通しています。厚みの半分くらいまでは刻印がそのままつながっているようです。なので、多少キートップが削れた程度では刻印が擦れたり消えたりすることはありません。しかしまあ凝った構造。どうやって製造するんでしょう?

 最初からダブルショットのキーキャップにしておけば、キーボードを使い込んでいっても「キートップ刻印が消えてみすぼらしくなった~」的な残念は起きませんネ♪

 ただ、WASD Keyboardsでは「ダブルショットキーキャップのカスタマイズ」は行っておらず、別メーカー製のダブルショットキーキャップを装着したキーボードの販売を行っています。なお、その場合でもキースイッチのカスタマイズは行えます。

 で、結局筆者が購入したのは、「WASD V2 87-Key Doubleshot ABS GMK True Olivetti mechanical」です。テンキーレスキーボードで、キーキャップはドイツGMK社製のダブルショットのオリベッティカラー。基本価格はUS245ドル。このキースイッチを「Cherry MX Clear」にカスタマイズしたところ、US260ドルになりました。高っ!

購入した「WASD V2 87-Key Doubleshot ABS GMK True Olivetti Mechanical」。「WASD V2 Mechanical Keyboard」シリーズのUS配列87キーのメカニカルキーボードです。キーキャップのカスタマイズはできず、キースイッチ種類・ケース色・ダンパー有無のみカスタマイズ可能。基本価格はUS245ドル。
キーキャップとしてGMKのダブルショットタイプがセットされています。キースイッチを「Cherry MX Clear」(クリア軸)として注文したところ、US260ドルでした。この「クリア軸」というのは、押下時に音はしないもののクリック感があるタクタイル(tactile)タイプのキースイッチで、押下時の重さはCherry MXの「茶軸」より少し重くなっています。

 260ドル……。送料が50ドルくらいかかりますので、300ドルオーバー。キーボードに3万円以上? アリエナイ~というのが普通の感覚かもしれません。

 でも、サイズをフルキー・テンキーレス・コンパクトから選べて、US配列でWin/Mac両対応で、好みのキースイッチを選べて、さらにダブルショットキーキャップとなると……はいわかりましたっ! 買わせていただきますっ! みたいな気分になっちゃう筆者なんでした。まあ仕事道具ですし。

キーキャップとダンパーも買いましょう~♪

 上記のキーボード、そのままではキー刻印がWindows用です。前述のとおりディップスイッチによりWin/Mac用を切り換えられるキーボードで、刻印を気にしないならそのままでもMac用テンキーレスUSキーボードとして使えます。でも、WASD KeyboardsではMac用のキーキャップも売られていますので、それも買って交換しちゃいます。

左はMac用修飾キー(modifier key/モディファイアキー)の「option」と「command」。WASD Keyboardsでは「"OS" Cherry MX Keycap set」として各種OS用修飾キーが売られており、刻印色とキーキャップ色を選べるほか、キーサイズを2種(R1 1×1.25・R1 1×1)から選べます。お値段は1個でUS6ドル。右はMac用のメディアキー「Mac Hotkey Media Shortcuts Cherry MX Keycap Set (12 R4 1×1)」。お値段は一式12個セットでUS15ドル。これも刻印色とキーキャップ色が選べます。キーキャップのサイズなどについてはWASD Keyboardsに解説ページをご覧ください。
キー押下時のキースイッチの「底突き」を緩和するOリングことダンパー「Cherry MX Rubber O-Ring Switch Dampeners (125pcs)」も購入。125個入りが1パックUS15ドルです。Cherry MXキースイッチ用キーキャップに装着して使います。使用すると、キー押下感触がソフトになりつつ打鍵音も少し静かになります。

 てな感じで、Windows用キーが付いているキーボードですが、写真のようなMac用修飾キーやメディアキーを装着すれば、使用時に迷いにくいMac用キーボードになるというわけです。ちなみに、これらキーキャップは全て「Cherry MX用キーキャップ」で、Cherry MXキースイッチを採用したメカニカルキーボードになら装着できます。WASD Keyboardsに限らず、ネット通販などを探せばCherry MX用キーキャップは多々売られていますので、手持ちのCherry MXキースイッチ搭載メカニカルキーボードのキーキャップカスタマイズをするのも楽しいですネ♪

快適に使えるMac用テンキーレスキーボード、ダンパー効果も◎

 さて、前述のキーボードに各種Mac用キーを装着したのが、下の写真のキーボードです。ダンパーも入れてあります。詳細を写真で見つつ、使用感について書いてみましょう。

こんな雰囲気のキーボードになりました。メディアキーは赤と黒を買いましたが、赤だとハデ過ぎなので黒をセット。
左がキー入れ替え後で、右が購入直後のキー配列。
後から追加したMac用修飾キーと、もとのEscキーやEnterキーの色合いがやや異なりますが、筆者的には許せる範囲です。メディアキーに正しい刻印が入っていると、やっぱりナニゲに便利です。
スペースバー左右にあるグレーの修飾キーは、ブルーのMac用修飾キーと高さが異なります。部分的にキーキャップを変更すると起きがちな状況。ただ、筆者はこれら背の低いグレーのキーは全然使いませんので違和感はほぼありません。

 このキーボードのキースイッチはCherry MX Clear(クリア軸)です。押下時にクリック感が感じられるタクタイルキーですが、茶軸より少し重い打鍵感は筆者好み。キーキャップもWASD Keyboardsの一般的なタイプより少し肉厚なので、全体的にしっかりした打鍵感があります。

 ダンパーとして、青、赤、それから手持ちの半透明のものを試しましたが、打鍵時のショックを最もよく抑える青が好みです。Cherry MXのタクタイル軸でも、多少はカチャカチャと音がします。また、底まで押下すると指先に少し衝撃が加わります。ダンパーを使うと、そのカチャカチャした打鍵音が抑えられてカコカコみたいな音になり、指先に伝わる衝撃も和らぐ感じ。

 非常に個人的な印象ですが、このダブルショットキーキャップと、クリア軸と、それから青ダンパーの組合せは、何となく「Cherry MXキースイッチなのに東プレREALFORCEの静電容量無接点方式っぽい打鍵感もある」という気が。実際に比べると、音とか打鍵感とかかなり違うんですが、東プレキーボードのような静かさや上品さがCherry MXスイッチ採用メカニカルキーボードにちょっと加わった、みたいな? そんな気がします。

 さておき、ダンパーって初めて使いましたが、かなり打鍵感が変わってオモシロイですね~♪ Cherry MXスイッチ各種とダンパー各種の組合せを試していくと、より自分にマッチした打鍵感を追求していけそうです。ただ、ダンパーはそれぞれのキーキャップに装着していくので、その装着作業が地味にかな~り面倒です。

 てな感じのWASD Keyboardsで買ったテンキーレスキーボード。キーキャップを換えたり、ダンパーを試したり、なんだか改めてキーボードの使用感を追求することが楽しくなってきちゃいました。軽くヤバいです。キーボード沼かも。ともあれ、今後もなにか良さそうなキーボードがあれば、またレポートしたいと思います。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。