スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

自分史上最高のキーボードを手に入れた! かも!

「WASD」でつくるオリジナルキーボード

 いっつもだいたいキーボードを探し続けている筆者。まあ仕事道具ですしネ。

 探しているのは、デスクトップPCで使う英語配列のテンキーレスキーボードです。現在はMacOS用を鋭意探索中。英語配列となった途端に選択肢が狭まるわけですが、さらにMac用となると、なおさらです。

 なっかなかイイのが見つかりませんが、突然、すっごく最高かつ最強に満足度が超高い製品を見つけました。キーボード専門店(というかメーカー)「WASD」(公式ページ)の製品です。

WASDのWebサイト。WASDはキーボードメーカーでありキーボードショップですが、購入者が各パーツを自由に組み合わせたりデザインしたりして「オリジナルキーボード」を買えるのが大きな特徴です(既成デザインのキーボードもあります)。右画像はオリジナルキーボードをウェブサイト上で作成している様子。キートップのカラーなども自由自在にカスタマイズして購入できます。

 WASDを見つけたのは去年末です。どんどん過ぎる時間を無視して良さそうなキーボードを探索し続けていたら、偶然、WASDサイトを発見。サイトを見ていると、どうもキートップ色もキートップ刻印も、自由にカスタマイズ可能らしい。そしてキーボード配列はDIPスイッチでWin/Macなどを切り換え可能らしい。

左はWASDで売られているキーボードの種類。3サイズ×2配列の6種類から選べます。どのキーボードもWin用やMac用に変更可能。どれもUSB接続(キーボード側はmicroUSB端子)のキーボードです。右は購入前のカスタマイズでキートップ刻印を選んでいる様子。ColemakやDovorakといった配列も選べますし、各国語の刻印もあります。ただし日本語配列はありません。

 英文ですが、WASDサイト上の説明を読んでいて「え? ウソでしょ?」「筆者の英語読み間違え?」と思いました。それほど、筆者的には衝撃的な内容。

 だって、キー配列やキートップ刻印を自由に組み合わせつつ、好みのキー数(キーボードサイズ)のキーボードを買えちゃうんですよ! US配列のMac用刻印のテンキーレスキーボードも一発で選べます♪

 さらに、です! キースイッチはチェリーのメカニカルスイッチ(Cherry MX)などから選べますが、「チェリーのスイッチってこんなにあったの?」ってほど多くの種類が用意されています。US配列テンキーレスのMac用キーボードで静音タイプのスイッチに、好みのキートップカラー&刻印を選べるって、凄いカスタマイズ性ですよね。見たことないですこんなキーボード専門メーカー。

 しかも価格はUS150ドル程度前後とと、なかなかお手頃。残念ながら、USB接続キーボードのみ(Bluetoothとかはナシ)で、日本語配列もナシですが、それにしても筆者が知る限り恐らく世界最強の個人向けキーボード供給サイトだと思います。もっと凄いトコロが、じつはあるかも、ですが。

 というわけで以降、WASDで買えるキーボードについて書いてみたいと思います。筆者は半年くらい前にWASDで1台買って使用中で、その使用感などは最後に書いてあります。が、とりあえずザッと使用感を述べれば、好みの打鍵感と刻印とサイズと配色で使えて満足であり、半年以上使ってスイッチ等々の不具合や故障は出ておらず、近々買い増しを予定しているほど気に入っておりますっ! かなり最高♪

WASDのキーボードって、どんなの?

 まずWASDで買えるキーボードから。キーボードのベースとなる部分は合計6種類。サイズ違いで、フルキーボード、テンキーレスキーボード、必要最小限のキーに絞ったコンパクトキーボードがあります。この3種それぞれにUS ANSI配列とInternational ISO配列があり、3サイズ×2配列=6種類のキーボードから選べるというわけです。

 また、それらをもとにした配列・配色の既製品も多々売られています。既製品と言ってもユーザーがデザインしたものが売られているというスタイルで、Maker Designsのページで多々見られます。これらは、購入時にキースイッチ種類やキーボードケース(キー以外の筐体)色をカスタマイズ可能です。また、高品位キートップを採用したキーボードもあり、それらはMechanical Keyboardのページ下部に並んでいます。

基礎部分であるキーボードのベース部分は合計6種類。この6種類から選び、ユーザー独自のカスタマイズを施して買うスタイルです。高品位キートップを使った高級バージョンのような既製品も多々。

 3サイズの各キーボードは、フルキーボードとテンキーレスキーボードが「WASD V2」と呼ばれるもので、コンパクトキーボードが「WASD VP3」と呼ばれるもの。このうちWASD V2は背面のDIPスイッチでキー配列や対応OSを切り換えられ、MacOS用やWindows用として設定できます。それぞれのキーボードの詳細については、公式サポートページに説明書がありますのでご参照ください。

 これらとは別に、CODEというキーボードシリーズも売られています。ここではCODEキーボードには触れませんので、詳しくはWASDのCODEキーボード販売ページをご覧ください。

WASD V2の中央右背面にあるDIPスイッチ。これを切り換えることで、キー配列や対応OSを変更できます。試していませんが「Standard QWERTY mode」がWindows向けモードだと思います。Caps LockキーをCtrlキーにすることもできますね~♪ DvorakやColemakといった配列に対応しているあたりもシブい。

 ちなみに、WASDでは各パーツも単体で売られています。たとえばキーボードのベース部分のみ(キートップを外した状態)や、キートップのセットや単体品、さらにはキースイッチやスタビライザー金具や筐体(最近追加されたホワイト筐体のみ買うこともできます)まで、キーボード構成部品のほとんどがバラ売りされています。

 なので、たとえば「ファンクションキーの一部をメディア刻印のものに換えたい」という場合も問題ありません。その部分のキートップだけ売られていますので、それを購入すればOKです。

キートップ(キーキャップ)の一部分だけのセットも売られています。刻印色やキー色を指定して購入できますので、WASDでカスタマイズキーボードを買った後からでも、そのカスタマイズ色などに合ったパーツ購入が可能というわけです。なお、これらキーはCherry MX軸対応です。

 こんな感じのキーボード専門店。購入時にキースイッチを「10種類以上のなかから自由に選べる」という時点で既に凄い。キートップの色も選べて凄い。多種多様なパーツの単体売りも凄い。いや~ホント凄い。

自由にカスタマイズ購入可能ッ!

 WASDの最大の魅力は、好みの配列・サイズのキーボードを、自由にカスタマイズして買えるところです。フルキーボード、テンキーレスキーボード、コンパクトキーボードから、好みのサイズを選択。そこからキースイッチ種類、ケース色、ダンパーの有無、刻印される文字の色を選び、さらにキートップ(キーカバー)の樹脂色や刻印のタイプを選んでいけます。実際にその手順をスクリーンショットでザッと見てみましょう。

WASDのトップページから、好みのキーボード(ベース)を選択します。ここでは「87-Key Tenkeyless」を選びました。そして緑色の「Customize」をクリック。続いて表示されたページにて、「Switch Type」(メカニカルスイッチ種類)「Keyboard Case Color」(キーボード筐体の色)「Install Sound Dampeners」(メカニカルスイッチのソコ突き防止・静音化のためのゴム)「Default Text Color」(キートップ刻印色)を設定します。キートップの刻印色はオリジナル色の指定も可能です。また、キートップ刻印の自作デザインがあれば、ここでアップロードできます。
その後は4つの設定をすればOK。まずはキートップ(キーカバー)の樹脂色を指定します。各キーに対して個別にカラーを設定可能。ここでは、英数字キーを薄いグレー、そのほかを赤に設定してみました。
さらにキーレイアウトなどを設定します。Mac用として使うべく、「Select Alphanumeric Layout Style」で「Mac」を、「Select Function Keys」で「Media Keys Only」を、「Select OS Key」で「Blank」を選択。こんなキートップになりました。価格は「$150.00」。

 ちなみに、ダンパーは後から追加可能です。また、各キーも個別に購入可能(カラーや刻印色も指定可能)。Win/Macも前述のようにDIPスイッチで変更可能。カスタマイズ時にわりと重要(というか購入後だと変更が面倒)なのはキースイッチ種類なので、そこはちょっと慎重に選びたいところです。

 たとえばCherry MXメカニカルキーを選ぶ場合、「どのスイッチがどんな感触?」と迷いがちだと思います。なので、WASDでキーボードを買う前に、キーのサンプルを買うといいかもしれません。また、キートップ(キーカバー)の樹脂色も画面上だけだとイメージを掴みにくいと思いますので、それもまずサンプル購入がいいかもしれません。

WASDで売られているサンプラーキット各種。左が「WASD 6-Key Cherry MX Switch Teste」(公式ページ)で、チェリーMXキーの緑/白(クリア)/赤/黒/茶/青にクリアのキートップがセットされた「押し心地を試すためのサンプル」です。右は「WASD Keycap, O-Ring Sampler Kit」(公式ページ)で、キーの樹脂色サンプル。どちらのサンプラーにも、カスタマイズ時に「Sound Dampeners」と表示されたパーツ(Oリング)が付属しています。キーボードを買う前にこれらがあると、キースイッチ種類やキー色を選びやすくなりますネ。

 このほか、キー刻印を全て自作することもできます。その方法はWASDの「Design Help」ページにあります。カスタマイズやキートップ自作例は、WASDのMaker DesignsのページGalleryページで見ることができます。

WASDキーボードの使用感は?

 最後に、実際にWASDでカスタマイズ購入したキーボードの使用感などを。筆者がWASDを見つけたのは2017年10月頃。その後アレコレ吟味し、11月1日に注文したところ、4日後の11月5日午後にキーボードが届きました。速かったかも♪

 キーボードは「WASD V2 87-Key Custom Mechanical Keyboard」で、キースイッチは茶軸(brown)にしてみました。ほかはMac用として使うのに都合が良いキーデザインにした感じ。

英語配列・Mac用刻印のテンキーレスキーボードとしてみました。

 で、使用感ですが、届いて使い始めた直後から「おっイイ感じ♪」と高い満足度。茶軸が好みってわけでもないんですが、打鍵時のフィーリングも気に入れました。キーボード自体の剛性も高く、背面のゴム足による滑り止め効果も十分あり、ガシガシ打っても軽く打っても打鍵感は良好です。

 使い始めてから約8カ月が経過していますが、キースイッチのチャタリングなども全くなく、ほかの機械的なトラブルもなく、バッチリ快調に使えています。仕事柄毎日かなりこのキーボードを使うわけですが、全然問題ナシ状態。

 ただ、ひとつ小さな問題……というより消耗が出ています。キートップの刻印が軽く削れて剥げてきていることです。Aのキーだけですが。

使用中のWASDキーボードのAキーの刻印剥がれ。ちょっと削れてきている感じ。tabキーのtにもその徴候が。WASDのキートップ刻印は「独自のUVプリント式」だそうですが、そのプリント層(?)とかが剥がれることがあるのかもしれません。

 普通のキーボードでこういう刻印摩耗が起きた場合は「あーもぉ~」とフラストレーションがたまるわけですが、WASDからはキートップだけ買うことができますので、まあ消耗したキーだけ追加購入すればいいかな、と。ツイデに、ファンクションキーをメディアキーに交換すべく、その部分も追加購入しようと考えております。

 ていうか半年以上使ってほぼ問題ナシのWASDキーボード。フラストレーションなく快適に使えていますし、部品単体での追加購入も有り難い。かなり気に入れたキーボードなので、ほかのスイッチのものや、サイズ違いも購入してみたいと思います。

 ともあれ、WASDは「好みのキーボードを求める」という視点において、圧倒的な選択肢の広さがありつつ、コストも抑えめという感じ。これでBluetoothキーボードが出てくれたりしたらさらに凄いんですけど、現時点でも十二分に凄いキーボードメーカーだと感じられます。ご自分にマッチするキーボードを探し続けている方は、ぜひWASDのキーボードを吟味してみてください♪

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。