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1月13日に日本でも「Fitbit Pay」が終了、「Googleウォレット」に移ると何が変わるのか

 健康管理のため長らく「Fitbit」のスマートバンドを使用している筆者。Fitbitは既にグーグルの傘下となっており、同社の「Pixel Watch」シリーズでもFitbitが利用できますが、筆者はあえて「Fitbit Charge 6」を使用しています。

 その理由は大きく3つありまして、1つはバッテリーの持ちが圧倒的に長く、サイズが小さく装着時の負担が小さいこと。健康管理に重点を置くと多機能より長く装着し続けられることが重要なだけに、あえてスマートバンドを選んでいる訳です。

 2つ目は、Androidデバイスにしか接続できないPixel Watchシリーズとは違い、iPhoneにも接続して利用できること。そしてもう1つは、Fitbit独自の決済サービス「Fitbit Pay」に対応しており、一部のデビットカードと「Suica」による非接触決済の利用が可能だということです。

筆者が愛用している「Fitbit Charge 6」は、「Suica」やNFCベースのタッチ決済が利用できる数少ないスマートバンドの1つだ

 Pixel Watchシリーズなどの「wearOS by Google」搭載機種、そしてアップルの「Apple Watch」シリーズ以外のスマートウォッチやスマートバンドで非接触決済が利用できるのは、Fitbitと、「Garmin Pay」が利用できるガーミン製デバイスくらい。そうした意味でもFitbit Charge 6は貴重な存在でもある訳です。

 ですがここ最近、そのFitbit Payに関して気になる通知があり、それは2025年1月13日をもってFitbit Payが利用できなくなるというもの。代わりにFitbitデバイスでは「Googleウォレット」が利用できるようになったことから、決済を利用し続けるにはそちらに移行する必要があるようです。

 調べてみたところ、実は多くの国や地域では2024年7月29日をもってFitbit Payが終了しており、既にGoogleウォレットに移行しているようです。実装が特殊なSuicaに対応していることもあってなのか、日本をはじめとした一部の国や地域では例外的にFitbit Payが継続して利用できていたのですが、いよいよ日本でも終了措置が取られるようです。

 そこで筆者も、Fitbit Charge 6で決済利用を継続するためGoogleウォレットへ移行することに。移行の手続き自体は接続しているスマートフォンの「Fitbit」アプリからできるのですが、この際Fitbit Payに登録していたデビットカードなどは削除されてしまうので、再登録する必要があります。

「Fitbit Pay」から「Googleウォレット」への移行は、「Fitbit」のアプリから手順に沿って進めるだけで可能。ただしデビットカードなどは再登録が必要になる

 一方で気になったのは、Suicaの扱いがどうなるのか? ということ。Suicaはプリペイド方式なので、デビットカードと同様移行時に削除されてしまうとなると残高の扱いに困ってしまうのですが、幸いにしてこちらは移行しても削除されることなく、そのまま使い続けることができました。

「Suica」はGoogleウォレットに移行しても、残高をそのまま維持して利用することが可能だ

 で、実際のところGoogleウォレットに移行して何が変わったのか? といいますと、メリットの1つは「Google Pay」にあらかじめ登録しているクレジットカードやデビットカードを、Fitbitデバイスに登録しやすくなったこと。リストから登録したいカードを選び、後はセキュリティコードを入力するなど一定の手続きを取ればよいので楽です。

Googleウォレットに移行したことで、「Google Pay」に登録しているデビットカードを登録しやすくなったのはメリットだ

 そしてもう1つは、決済に利用できるカードが増えたことで、デビットカードは従来対応していたソニー銀行とPayPay銀行に加え、新たに三菱UFJ銀行と住信SBIネット銀行が対応。そしてエポスカードが対応したことにより、ついにクレジットカードでの決済も利用可能となったようです。

 とはいえそれ以外の点はあまり変わっておらず、Suicaの仕様も従来のFitbit Payと同じであることから、機種変更時に新機種に残高を移行することは相変わらず不可能です。また多少改善されたとはいえ、使えるクレジットカードの選択肢がほとんどない点は依然大きな課題でしょう。

 またFitbit Chargeシリーズでは決済時のロック解除のための暗証番号入力が非常にやりづらい点も変わっておらず、インターフェイス面でも課題があるように感じます。Googleウォレットになったことでそうした問題点が今後どこまで改善されるのか、注目されるところではあります。

画面が狭いFitbit Chargeシリーズの場合、NFCによるタッチ決済を利用するには0~9の数字をスクロールして選び、それを4回繰り返してロック解除をする必要があるため、すぐ決済できない点が大きなデメリットとなっている

 ただ一方で、Fitbitが既にグーグルの傘下にあり、そのグーグルがPixel Watchへの注力を進めている現状、Fitbitデバイスが今後どこまでサポートされるのか、そして新機種が今後も出るのか……など、将来への不安が尽きないというのも正直な所。

 身体に関するデータを他のプラットフォームに移すのが困難な現状、できれば今後もFitbitのスマートバンドを使い続けたいのですが、先が見通せないのがユーザーとしては悩ましい所です。