本日の一品

Google機能を強化した「Fitbit Charge 6」

 Fitbitのトラッカー「Fitbit Charge 6」を使ってみました。Fitbitは2021年にGoogleの傘下に入り、現在は「Fitbit by Google」や「Google Fitbit」と表記されることも。なので、“Googleのトラッカー” と呼ぶべきかもしれませんね。

 筆者は前モデルのCharge 5も、その前のCharge 4も使ったことがあります。最新のCharge 6も、主軸となるヘルスケア機能は継承されていて、心拍数センサーの精度が向上しました。

 セールスポイントの1つである「Suica」にも対応。さらに、Googleサービスとの連携が強化されていることも特徴と言えそうです。

コンパクトで装着感は良好

 Charge 6の本体サイズは縦38.7×横18.6×高さ11.7mm。シリコン製のベルトはSとLの2サイズを同梱。筆者はSサイズではギリギリで、Lサイズだと余る部分がかなり長くなりました。

 余った部分は内側に巻き込めるので、わりとキツく締められます。重さはSサイズのベルトを付けた場合が29gで、Lサイズだと31g(筆者の計測値)。コンパクトで軽いので、装着したまま寝ても気になりません。

2サイズのベルトを同梱
余った部分を内側に収めるタイプ。フィット感は良好

 ディスプレイは小さめなので、小さな文字が見づらかったりしますが、3回タップすると拡大表示に切り替えられる機能があり、結構重宝しています。

3回タップすると拡大表示になり、再度3回タップすると元に戻る

 本体の左側には物理ボタンを搭載。これは前モデルにはなく、新たに追加されたもの。ホーム画面に戻したり、運動中に他の画面に切り変えた場合に、運動計測の画面に戻したりするときに使います。

 カチッと押し込むのではなく、軽く触れるように押すとブルっと反応し、感圧センサーのような操作感です。

左側に物理ボタンが追加され、使い勝手が向上した印象

「Googleマップ」と「YouTube Music」が対応

 スマホの対応OSはAndroid 9.0以降とiOS 15以降。筆者はCharge 6をiPhone 15 Pro(iOS 17)とペアリングして使いました。ペアリングには「Fitbit」アプリを使います。

 初めてFitbitデバイスを使う場合、Googleアカウントでログインできます。すでにFitbitのアカウントを持っている場合、そのアカウントをGoogleアカウントに移行する必要があります。筆者は、事前に移行していたので、Googleアカウントでスムーズにログインできました。

筆者はiPhone 15 Proとペアリングして使った

 新たな機能として追加されたのは「Googleマップ」と「YouTube Music」。前者はスマホの「Googleマップ」でナビゲーションを起動すると、Charge 6に道案内が表示される仕組み。

 iPhone向けの「Googleマップ」でも利用できました。Charge 6には地図は表示されないので、あくまでも補助的な役割です。

Charge 6で「Googleマップ」と「YouTube Music」を使うための初期設定は「Fitbit」アプリで行う
Charge 6の「Googleマップ」アプリではナビゲーションがこのように表示される

 後者の「YouTube Music」は、スマホにインストールした「YouTube Music」の再生操作ができる機能。筆者は有料の「YouTube Music Premium」に加入しているため、便利に活用できました

 ですが、iPhoneのユーザーは「Apple Music」や「Spotify」のユーザーが多いのでは? これらの操作には対応していないのは残念なところです。

「YouTube Music」は一時停止・再生のほか、プレイリストの選択や音量調整も可能

トラッカーとしての機能には満足

 身体の状態をチェックするセンサー類は、光学式心拍数センサー、血中酸素濃度レベルを測定するセンサー、EDA(皮膚電気活動)などを測定する多目的電気センサーを搭載。なお、心電図アプリも搭載されていますが、日本では利用できません。

裏面に心拍数、血中酸素レベル、EDAなどを測定するセンサーを搭載。さらに、3軸加速度計、温度センサー、振動センサー、環境光センサーも備えている

 心拍数は「Fitbitトラッカー史上最も精確な心拍数を実現」と謳っています。特に運動中の測定性能が向上したようですが、どれくらい精確なのかは筆者には判断できません。でも、違和感のない数値が表示されるので、信用していいでしょう。

 EDAは親指と人差し指で本体をつまむように持ち、3分間じっとして測定します。結果は数値で表示され、継続して測定することでストレスマネジメントに生かせる趣向。ですが、筆者には3分間は結構長く感じられました。習慣づけるのは難しいかもしれません。

EDA(皮膚電気活動)スキャンは3分間じっとしている必要がある。習慣づけるのは大変かも……

 エクササイズモードは40種類以上を搭載。ラン、ウォーキング、バイク(サイクリング)は運動開始の自動検出にも対応。GPSを内蔵しているので、スマホを持たずに走行ルートを記録することもできます。

 計測されたデータは「Fitbit」アプリに同期され、蓄積されていく仕組み。このあたりの使い勝手はスマートウォッチとして標準的です。

エクササイズモードは必要十分で操作もシンプル
計測されたデータは「Fitbit」アプリに同期され、歩いたルートなども確認できる

 なお、Fitbitには「Fitbit Premium」という有料プラン(月額640円または年額6400円)があります。これに加入すると、身体状態やエクササイズのデータに基づく、より詳細な分析結果やアドバイスが得られます。

 筆者は以前加入していて、現在は加入せずに無料プランで使っていますが、とくに不便を感じることはありません。

Suicaを使えるのは大きな魅力

 Charge 4から対応した「Suica」は、Charge 6でも引き続き使えます。Google Pixel Watchでは「Googleウォレット」にSuicaを追加して使う仕組みですが、Charge 6では「Fitbit Pay」に登録して使います。

 なので、iPhoneの「Apple Pay」やAndroidの「Googleウォレット」などに登録しているSuicaを移行して使うことはできません。 Charge 6用として新しいSuicaを発行し、チャージして使う仕組みです。

 筆者の場合、iPhoneの「ウォレット」にもSuicaを入れていますが、それとは別にCharge 6にもSuicaを入れて、どちらでも使えるようになるわけです。

 Suicaの設定は「Fitbit」アプリから簡単に行えました。決済には「Google Pay」に登録しているクレジットカードを使いました。それ以外の選択肢は表示されなかったので、「Google Pay」を使っていない場合は、登録を求められるかもしれません。

「Fitbit」アプリの「自分」→「ウォレット」→「Suica」から新しいSuicaを作成して追加できる。チャージや払い戻しも「Fitbit」アプリから行う

 Suicaはいちいち画面に表示させる必要はなく、改札でもコンビニの読み取り機でもピッとかざすだけで認識されました。決済後の残高もすぐに確認できます。フツーに便利に使えるので、他社のスマートバンドに比べて、大きなアドバンテージと言えるでしょう。

実際に使う場合は、この画面を表示させなくても使える

 なお、Fitbit Payは日本国内ではPayPay銀行(Visaデビットカード)とソニー銀行(Sony Bank WALLET)にも対応しているようですが、筆者はこれらの口座を持っていないので試していません。

充電は週に2回程度でOK

 電池持ちは「最大7日間」となっていますが、GPSを使ったり、睡眠をトラッキングしたりすると、そんなに持たない印象。筆者はほぼ毎日ウォーキングをして、週に2〜3回睡眠時にも装着して4日くらい持ちました。

 常時画面表示モードにすると、さらに電池の減りは早くなるかもしれません。使い方にもよりますが、1週間持たせるのは難しく、週に2回は充電が必要になるでしょう。

 充電は同梱の充電器で行います。2時間でフル充電できるとのことですが、筆者は50%を切ると、1時間程度充電するようにしていました。

充電器はマグネット式でしっかり密着でき、充電中に外れる心配はない

 Fitbit Charge 6のGoogleストアでの価格は2万3800円。スマートバンドタイプとしては高めですが、Suicaが使えることが大きな魅力。

 Apple WatchやGoogle Pixel Watchに比べると機能は少なめですが、健康管理をメインに使うのであれば、コンパクトで電池持ちもまずまず。良い選択肢となるでしょう。

製品名発売元価格
Fitbit Charge 6Fitbit2万3800円
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