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Google ストアでの分割払いって、どんな感じ? 実際に買って試してみた
2024年4月22日 00:00
携帯電話の購入にあたって、分割払いを選択される方は多いかと思います。ただ筆者はどうも“借金”という感覚が苦手でして、それを避けるべく、なるべく一括払いを選択するようにしています。
とはいえ、大手キャリアを中心に分割払いが猛アピールされているのも確か。分割払いにまつわる事情や体験を、ある程度は知っておく必要があるでしょう。そこで昨年2023年末、Google製品のオンラインショップとしておなじみの「Google ストア」でPixel 8を購入する際、同ストアの分割払い制度を利用してみました。
外部サービスの「Splitit」で分割払いを管理、クレジットカードは必須
まずは以下の画面をご覧ください。これはGoogle ストアでの注文履歴画面です。購入したPixel 8(128GBモデル)の価格はこの時点で11万2900円。そこへ8000円分の年末クーポン割引が入り、さらにストアクレジット(別のGoogle製品購入時にもらった金券のようなもの)が6100円分残っていたので、それを差し引いた9万8800円が請求されました。
ここで単にクレジットカード支払いを選択すれば、9万8800円が一括請求されます。ですが今回は、分割払いを選択しました。Google ストアでは12回(12カ月)払いが原則で、金利は無料。繰り上げ返済にも対応するといいます。
ただし「Splitit」という、外部サービスを使って分割支払いを管理するとのこと。聞き慣れないサービスだけれど、本当に大丈夫なの? まずはここが不安でした。
Splititは分割払いといっても、実際にはVisaないしマスターカードのクレジットカードを用います。請求額をクレジットカード会社側が分割請求するのではなく、Splitit側が都度計算して毎月分を請求してくるイメージです。
注文が完了するとSplititからメールが届きます。そしてSplititのWebサイトへログインすると、支払いプランの詳細が確認できます。
初回請求額は、9万8800円を12で割った8233円でした。また毎月4日が支払日になっていますが、これは商品発送が1月4日付けだったため、これを踏襲してのものとみられます。
このSplititの画面はなかなか秀逸でして、次回の支払日と支払い額、さらに残り支払い回数などが簡単に確認できるようになっています。1カ月分の繰り上げ返済がボタン1つで実行できるのがいいですね。
下取り金額は残債から相殺され、毎月の支払い額も調整
興味深かったのが、下取り金額の反映です。Google ストアではスマートフォンの購入時限定で、スマートフォンの下取りを受け付けています。
ただし下取り金額は現金収受ではなく、あくまで購入金額との相殺。筆者のケースでは、古くて使わなくなっていたPixel 5を最大4万3100円で買い取ってもらい、その金額をPixel 8の購入額に充当するかたちになります。
下取りにあたっては、旧機種を郵送する手間はありますが、今回は無事、満額査定と相成りました。これで分割払いの金額はどうなるかと注視していたところ、1月15日になってSplititから再びメールが。表題には「注文の払い戻しを受けました」とあり、下取り金額にあたる4万3100円分が残債から減額されました。
この時点で初回請求分は支払いが成立しているので、その残額である4万7467円が、実際の支払い額になります。残り支払い回数は11回。よって4万7467円を11分割した金額である4315円が、毎月の支払い額となり、実際にそのペースで請求されていることを2・3・4月度の支払いで確認できました。支払い最終盤には4318円になる月もあるそうですが、これは1円未満の端数処理の関係でしょう。
Splititによる分割払いは総じて快適な体験だったのですが、注意点が1つ。3月29日の夜19時のことでした。突然、クレジットカード会社から「3万8837円分の不正決済が発生した可能性があるので、取引を制限した」との通知が、クレジットカード会社のアプリ経由で届いたのです。
この時は家にいて、直前にECサイトを利用した経験もなし。しかも金額は3万円超え。これは本当に不正利用されたのかも……と思っていたところ、今度はSplititから「Google Store からのお知らせ: クレジットカードの承認が拒否されました」の表題のメールが届いていました。このままでは3万8837円分の未払い金額を全額請求するとのこと。
後になって気付いたのですが、この金額は、その時点で残り9回分の支払い額に相当します。つまりは、Splititでは定期的に、客の支払い能力を確認するための処理を走らせている。
一方でクレジットカード会社は、額が額なので決済をいったん止めて確認してきた……という訳ですね。通知を確認したタイミングが悪かった(不正確認のアプリ通知に気付き、すぐにはメールボックスを覗かなかった)ことも重なり、相当焦りました。
残債額やクレジットカード会社の、組み合わせによる妙だとは思いますが、こうした事態が起こりうることはぜひ覚えておいてください。
ちなみに筆者はこの通知の後、クレジットカード会社のWebサイトで利用制限解除手続きを行い、4月4日に問題なく決済が行われました。
Splititによる分割払いは、あくまでクレジットカードを持っている方向けの制度であり、Paidyのような後払いサービスとは性質が異なります。その意味では汎用性が低いかも知れませんが、支払い手段に柔軟さが加わるので、これなら使う人がいて当然だな──これが筆者の結論です。
一括払い派の方も、一度はSplititのWebサイトでその利便性を体験してみては? おそらく「こういう仕組みなのか!」という発見があると思いますよ。