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Adobeのイベントでも話題は「生成AI」、“タダ”でいろいろな画像を生成してみる
2023年12月13日 00:00
先月、アドビ(Adobe)製品のイベント「Adobe MAX Japan 2023」が開催されました。アドビ製品と言えば、写真が画像を編集するPhotoshop(フォトショップ)や調整できるLightroom(ライトルーム)、ベクター画像の作成や編集など印刷物を作成できるIllustrator(イラストレーター)、動画編集のPremire Pro(プレミア プロ)など、皆様も一度は聞いたことがあると思いますが、一方でいわゆる「プロ向け」という認識もあり、サブスクになって手が出しやすくなったとはいえ、なかなか趣味用途で使用している人は少ないかも知れません。
今回の「Adobe MAX Japan」では、これらのソフトを活用してクリエイティブ活用をしている参加者が多いので、それらに向けたセミナーや講演などが多数開催されている一方、「生成AI」に関するものや「Adobe Express」を使って自分の持つスキルを超えた作品作りができる講演に注目が集まっていました。
誰でも使えるアドビの生成AI
アドビの生成AI「Firefly」は、9月に正式提供が開始されたばかりの生成AI。商業用途での使用が多いアドビのソフトならではの特徴として「商用利用可能」というものがあります。
利用時には、Adobe IDが必要なものの、無料で利用するユーザーにも毎月一定のクレジットが与えられるので、無料で利用することができます。しかし、本稿執筆時点ではまだクレジット関連の機能が備わっていないため、“今なら”Adobe IDがあれば無料で無制限に生成AIを試すことができる「タダで試せるチャンス」です。
「Firefly」では、プロンプトという命令文を入力することで、AIに生成依頼を出して画像を生成できます。写真のような画像やイラストのような画像、また画像のスタイルなどを指定して生成させることもできます。
プロンプトは、検索エンジンで検索するように、単語をスペースで区切って入力します。日本語にも対応しているほか、特徴を文章で入力しても認識してくれるようです。
プロンプトのコツとして、最初に記載した要素ほど重要なものとして判断されるようなので、この要素は必要! と思うものがあれば、前方に持って行くことで、うまく生成できるかもしれません。
いかんせん、現在のところ無制限かつ無料で生成できるので、今のうちにプロンプトの練習をしてみてもいいでしょう。自分の端末で生成しているわけではないので、パソコン以外でもスマートフォンやiPhone、タブレットでも利用できます。電車に乗っている間のスキマ時間でも、本当に手軽にクリエイティブ活動ができます。
生成AIって著作権はどうなる?
Adobe MAXの講演でも話題に上がった「著作権問題」。これはさまざまな場所でさまざまな議論が起こっています。AIを学習させる素材の権利者に依存するのでは? という意見や、そもそも著作権が発生しないという意見などさまざまです。
Adobe MAXの会場で、アドビの担当者は見解として、Fireflyを利用した生成画像に関しては「プロンプトを入力している部分で、生成したユーザーのオリジナリティが発揮されている」として、著作権は生成したユーザーにあるのではないかとしています。一方で「判例がないので、決まっているものはない」とも付け加えており、実際のところ、生成AIの学習ソースなどさまざまな要素を加味して長期的な議論が必要になりそうだと感じました。
少なくとも、Fireflyでは、商用利用できる素材を生成しているので、他人の著作権を侵害してしまうかも……という心配はないので、その点は安心して利用できそうです。
社会情勢を受けた素材も
Fireflyで遊んでいる際、「閉店 店」というプロンプトで生成したところ、なかなかイメージ通りのものにはならないなぁ……と感じているのと同時に、見かけた記憶がある文言が画像に入っていることが多いと感じました。
「CLOOD19」とか「COOOID19」とか……。あくまで筆者の想像ですが、これはおそらく「COVID-19」であって、AIの学習素材に先般の新型コロナの影響により閉店した店の素材が多かったのではないかと思います。このプロンプトの場合は特に特徴が出てきていますが、おそらく新型コロナが世界に蔓延した時期ごろから、学習素材の収集が進められていたのだろうな……と感じ、あらためて長期的な影響を及ぼしていることを感じました。
本当は、シャッターが閉まって閉店しているお店の画を出したかったので、筆者ももっとプロンプトを勉強しなければいけません。
さまざまな作品を生成してくれる「Adobe Firefly」。Adobe IDこそ必要ですが、タダでできるこの機会に、触れてみてはいかがでしょうか。