スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」
Photoshopの正式版Fireflyを使ってみてビックリ! 今後にも超絶大期待ッ!!!
2023年9月25日 00:00
2023年9月13日に「Adobe Firefly」の正式版が公開された(ベータ版は運用終了)。Webブラウザで使えるAdobeの画像生成AIですな。そしてタイミングを同じくして、Adobe PhotoshopやAdobe IllustratorやAdobe Expressに搭載されていたベータ版Fireflyが運用終了して正式版が使えるようになった。
で、さっそくPhotoshop上の正式版Fireflyを使ってみてビックリ。あらま、こんなにスムーズかつ簡単に、こんなことが? マジか! スゲくヤベい! たとえば↓こういうコトがサクッとできてしまう。
Photoshopの7月頃のベータ版でこういうコトができるのは体験していた。しかし、あれ? こんなに簡単だったっけ? とかあらためて思いつつ、今スグ仕事に使える完成度の高い機能だと痛感した次第。
てなわけで今回は、Photoshopデスクトップ版・最新版(2023年9月リリース・バージョン 25.0)で使える生成AI機能をご紹介。なお、アプリによって機能性は異なるが、Adobe ExpressやAdobe IllustratorでもFireflyによる生成AI機能を利用できる。
PhotoshopのAI機能とは?
PhotoshopにはすでにAIによる便利機能がいくつか搭載されている。たとえば「削除ツール」。写真など画像のなかの不要なものを囲んだり塗ったりするだけでパッと消してくれる。↓こんな感じで。
スゴいんスよ削除ツール。Photoshopには「写真内の余計な要素を消す機能」がいくつもあって、どれも実用的なのだが、削除ツールは実用的なうえ超手軽。人間の技術を遙かに越えたスピードと良好さで、メンドクサいレタッチ処理を済ませてくれる。
さておき、Photoshopに新たに搭載されたAIによる画像生成機能は2つ。「生成塗りつぶし」と「生成拡張」だ。
前出の「元写真の周囲の画像を生成AIに作らせて広く大きな風景写真へと合成する」という処理は「生成拡張」のほう。何を生成して欲しいかを言葉(プロンプト)で入れて生成してもいいし、入れなくてもいい。
もうひとつの「生成塗りつぶし」は、指定したエリア内に何かを生成させつつ写真に合成してしまうというもの。具体例を見ればすぐわかるので、画像でご説明。
このときは生成された猫は、よーく見ると猫っぽくない部分もある。だが、生成を繰り返せばよりリアルな猫が生成されると思われる。なお、プロンプトは日本語を含む100以上の言語に対応しているとのこと。
写真の周囲の風景を新たに生成したり、写真のなかにさまざまなオブジェクトを描き加えたりできるわけですな。スゴいのは、写真の周囲の生成風景と元写真が非常に自然に合成されること。また生成したオブジェクトも同様で、光の当たり方も合成のされかたも自然。
今すぐ仕事に役立つ機能性だと思うが、たぶん今後も短期間でよりリアルなオブジェクトなどが生成されるようになり、機能としての完成度がどんどん上がっていくのだろう。
アレもできる! コレもできる! ツカエる! 遊べる!
最新のデスクトップ版Photoshopに組み込まれた生成AIは、使うほどに「写真加工が激変した」と痛感する。ただ生成AIを使う時点でフェイク写真ではあるので、誤った使い方をしないよう注意は必要だ。ともあれ欲しいイメージを劇的なほど手軽に生成できるし、生成パターンから新たな発想が得られたりもするし、使わない手はないと感じている。
たとえば、より迫力のあるイメージ写真を簡単に作れる。こんなの↓とか。
事実を知らせるための写真として、上のような生成と合成によって作られた画像を提示するのは反社会的だと思う。だが、単に「里山の峠を目指すサイクリングは楽しい!」的なイメージを伝えるためのビジュアルとして上のような合成写真を提示するのはアリだと思う。
また、これまででもそういうイメージ喚起のためのビジュアルは、だいたい合成写真だったりする。広告写真なんかでレタッチをしていない写真はほぼないし、合成しまくりの広告写真も当たり前の存在だ。
だがそういった写真を合成するには一定以上の技術が要る。Photoshop達人みたいな人の技術が必要。しかし生成拡張や生成塗りつぶしを使えば、Photoshop初めてでぇ〜すみたいな人でも完璧に近い合成写真が作れる。
ちなみに上の写真は、Photoshopの切り抜きツールを使って画像を外側へ広げる方向でトリミングし、その後に生成拡張や生成塗りつぶしを使っただけで作れた。同じ画像を生成AIを使わずに作ろうとしたら、スゲく多くの素材と時間と技術が必要だ。Photoshopの利用価値は、これら生成AI技術が搭載されたことで飛躍的に高まったと思う。
なおPhotoshopの生成AIを含むFireflyによる生成画像は商用目的に利用可能。詳しくはコチラに書かれているのでご参照いただければと思う。
さておき、ほかにもイロイロできるので、生成AIを使った作例をいくつか。たとえば微妙に「惜しい」写真を手直しできる。
生成拡張は「この風景の周囲を作って画像の範囲を広げて」ってイメージで使うと、違和感のない画像ができまくる。何しろ新たに生成された画像の外側以外、つまり内側は実際にある風景などの画像。描き足された外側はあまり注目されないことが多いので、やや雑な生成となっていても気付かないというのもある。
それから、試してみたら、AI生成のイラストとPhotoshopの生成拡張はかなり相性がいいように思う。俺のMidjourneyお絵描き遊びがスゲく捗ってしまっている。
生成拡張がデキるコなので、じゃあアレは? と「同じ顔のキャラクターの衣装・姿勢変え」を試してみた。これもかなりうまくいった。
同じ〜近い顔のAI生成画像コレクションがあれば、Photoshopの生成拡張により、同じキャラクターのポーズ・衣服違いをたーくさん作れますな。AIとは関係ないが、眉や口などをコピー&ペーストしてペースト部分にPhotoshopのワープ機能を使えば、表情を変えることもできる。Photoshopでマンガなどのキャラクターを作っていけるかもしれない。
生成拡張はいわゆる「画像生成AIのアウトペイント」で、Midjourneyなどでも使うことができる。同じ人に見える顔をいくつか作って、その顔に対してアウトペイント(Midjourneyではズームアウトと呼ばれる)処理を施すという方法だ。それを使えば上のような同じキャラクターのポーズ・衣服違いなどを作れる。なので、MidjourneyとかStable Diffusionとかでアウトペイントすればいいという話になる。
しかし実際に使い比べてみると、Photoshopでアウトペイントができる点が非常に実用的だと感じる。現在のところ、AI生成画像を使いつつ何らかの成果物を作ろうとすると、結局は合成やレタッチが必要になりがち。生成系AI(アプリやサービス)を使いつつPhotoshopも使うことになるが、Photoshopだけでできると工数がけっこう減るってわけですな。なお、生成塗りつぶしを使えば、たとえば空白の画像のなかに人の顔だけを描かせることもできる。
さらなる進化を期待してゆきたいッ!!!
Photoshopで画像レタッチや合成をしていて「じゃあココは生成塗りつぶしで!」「これは少し生成拡張で!」とPhotoshopの生成AIに頼ることが急増している。「こういうのって人間がツールとマウスで地味に作業するのは時間の無駄かも」とも思ったりする。
のだが、しかし、まだ画像生成AIとして頼り切れる存在ではないとも思う。というのは、生成させたいオブジェクトによってはヘンテコな生成結果となり、「まだ画像生成AIってまだまだ未完成だな」と期待外れに終わることが少なくないからだ。
画像生成AI全般、まだ、いろいろ不得意。たとえば相変わらずヘンな手指を描くし(でも数ヶ月前よりずっとマシになっている気がする)、人工的なオブジェクトもデタラメな感じだし(でも最近はソレっぽさが増している)、人間の描画にも違和感が残ったりするし(でも最近はスゲくリアルな描画も増えた気がする)。
単純に人間が見慣れているモノをAIに描かせると「コレAIっぽくね?」とバレちゃうって話だが、でもまあ、使い方次第かな、と思う。AI生成とバレたり違和感が残ったりするオブジェクトは実物を撮影して合成すればいいだけだし。まあ撮影不能なオブジェクトはソレが無理なので頑張ってAI生成するなり描くなりする必要はあるが。
他方で、AIは人工的ではない自然のものの画像を生成するのは得意だ。得意というか、自然のなかのものの多くを、人はなんとなく見ている場合が多く、AIが雑に生成しても本物だと思っちゃうってコトだろう。たぶんその道のプロの人が見ると「こんな植物アリエナイ!」「こんな地形アリエナイ!」「こんな空アリエナイ!」などとAI生成画像であることがバレると思うが、自然物のAI生成生成画像の多くは「フツーの人に通用しちゃう」のだと思われる。
ともあれ、人がさんざん見ているもの、人が注目しがちなもの、そういったオブジェクトをよりリアルに生成できるように、画像生成AIのさらなる進化を期待してゆきたいッ!!! とくに著作権的な部分をクリアにして堂々と商利用できるPhotoshopっつーかFireflyに超絶大期待しているッ!!!