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ソフトバンクからまさかの“不適切”扱いも、めげずに手に入れた「Pixel 8」

【Pixel 8】

 主に文字起こし対応のボイスレコーダー、たまにカメラや寝転びながらのブラウジング、さらにdアカウントのスマホ認証対策として活用していた「Pixel 7」を機種変更することにした。購入しようとしていたのは、最新モデルの「Pixel 8」。Pixel 7より小型で取り回しがしやすく、かつ、「編集マジック」などの生成AIを使った新機能は魅力だと感じていた。

Pixel 7からPixel 8に機種変更した。端末サイズや、AIを活用した各種機能に魅力を感じた

 本来であれば発売日に即機種変更したかったのだが、Pixel 8は既報のとおり、謎のグーグルレートが廃止されてしまい、なかなかのお値段に。Pixel 7も年が明けてすぐに割安で販売されていたため、少し様子見することにしていた。

 ところが、10月26日に掲載された連載の記事のとおり、Pixel 8は、ソフトバンクで24回目までの支払いがかなり安く抑えられている。auも残価マシマシで、比較的リーズナブルだった。

 そんなこんなで、購入しようかどうかを迷っているうちに、11月に突入。あらためてソフトバンクオンラインショップをのぞいてみたところ、さらに24回目までの支払いの比重が下がっていたことに気づいた。どうやら11月に入ってから、価格の見直しがあったようだ。対抗なのかもしれないが、auも残価が上がり、23回目までの支払額が下がっていた。ソフトバンクの場合、24回目までの支払いはわずか月917円だ。

発売から1カ月経たず、実質価格が見直された。総額は変わっていない一方で、24回目までの支払額がさらに下がっている。そのぶん、25回目以降が高くなっているため、注意も必要になる

 下取りを忘れてしまうと、以降、月3853円に支払いが跳ね上がるトラップはあるものの、年1回、新モデルが発売されるタイミングで機種変更を悩むのであれば、ほぼその心配はない。実質の支払額が917円×24で利用できるのであれば、超リーズナブルだ。何なら本体割引込みで購入したPixel 7より安い。

 しかもソフトバンクでは、購入特典としてPayPayポイントが当たる抽選を実施している。この抽選は事前に引く形で、ハズレなし。筆者は、最低額ながら4000ポイントが当選していた。これを加味すると、実質価格は1万8008円まで下がる。

購入特典としてPayPayポイントももらえる

 10月12日に発売された端末が、1カ月も経たずに実質1万8008円まで下がるのはインパクトが大きい。これは買うしかない。ということで、さっそくソフトバンクオンラインショップで機種変更することにした。

 ただ、どのように買うかは、少々悩みどころだった。というのも、Pixel 7はLINEMOと楽天モバイルのデュアルSIMで利用していたからだ。ソフトバンク回線はメイン端末の「Galaxy Z Fold5」にも入れている。「データシェアプラス」としてメイン回線に紐づけたSIMカードは、「iPad Pro」でも利用している。

 ソフトバンク、ソフトバンクのデータシェアプラス、LINEMOと、都合3回線、ソフトバンク回線を利用しているというわけだ。

 そこで、まずは、メインのソフトバンク回線からの機種変更という形で購入を試してみることにした。ところが、申し込み後、すぐにSMSが届き、機種変更が取り消されてしまった。理由には、「オンラインショップでは受付できないお申込み」と記載されている。

機種変更の手続きは失敗。すぐに、取り消しのSMSが届いた。SMSの順番が前後してしまうほど、間髪入れない早ワザのキャンセル

 これではまったく理由の説明になっていないと思うところは多々あったが、このソフトバンク回線は7月に契約したばかり。MNPで移る際に、端末の割引も受けていた。おそらく、割引を受けた短期の機種変更に該当してしまったのだろう。

 また、実際にはこの回線で利用する予定もなかったため、機種変更の手続きを取る必要もない。そもそもLINEMOで利用する予定なのだ。そこで、「移動機物品販売」と呼ばれる端末の単体購入をすることにした。

ソフトバンクオンラインショップでは、端末を単体で購入することもできる。「新トクするサポート」も利用可能

 LINEMOの場合、LINEMOブランドとしては端末を販売していない。機種変更などが必要な際には、いわゆるSIMフリーモデルを家電量販店などで購入するか、キャリアショップで端末を単体購入する必要がある。移動機物品販売とは、このようなときに利用するためのものだ。

 手続きをしている際に、ログインを求められたので、メイン回線のMy SoftBankのIDとパスワードを入力した。この場合、本人確認や住所などはあらかじめ登録された情報を利用する。

ここで「ソフトバンク回線を契約している」を選ぶと、SoftBank IDとパスワードでログインを求められる。後から思い返すと、これを選んだのが失敗だった。でも、契約しているのは事実だし……

 無事に申し込みは完了し、ソフトバンクオンラインショップからは「商品の発送準備開始」というメールが届いた。

 あとは、Pixel 8の到着を待つだけ……と思いきや、翌日午前中に一方的なキャンセルのメールを着信した。理由はどちらか1つだと記載されている。1つはユーザー自身のキャンセルだが、こちらは何もしていないので該当しない。もう1つは、「お申し込み内容等に不適切な事情があると当社が判断した場合」。まさかの「不適切」扱いに、思わず苦笑してしまった。これが、流行りのNGリストか。

「不適切」扱いされてしまった筆者。この文言はいただけない

 転売などが横行していたこともあり、厳しめに運用しているのは理解できる。ただ、それでもユーザーに向かって「お前は転売ヤーだ」といわんばかりの姿勢はどうなんだろう。そもそも、転売が増えたのは、それを招く端末一括値引きを自ら連発していたからでは……と思わずにはいられなかった。

 店舗では購入できそうな雰囲気だったが、ほしいカラーがないので断念。そこで、“三度目の正直”になるか、“二度あることは三度ある”になるのかを試してみることにした。

 移動機物品販売は、購入時にログインしないという選択を取ることもできる。確かにLINEMO用の端末を買うのであれば、別の回線のMy SoftBankでログインするのは少々おかしいと言えなくもない。

 ログインせずに購入すると支払いの情報などを一元管理できず、少々面倒だが、24カ月は支払額も少ないためあまり気にしないことにした。この状態で再度購入を試みたところ、2回目と同じようなメールが届いた。ただ、2回目は発送準備開始のあとにいきなりのキャンセルメールが届いた。しばらくは油断できない。

ログインしないと、本人確認や姓名、住所の入力などはすべてゼロからになる。支払い方法の登録も必要だ

 そう思いつつ、緊張感を高めていたが、翌日には「商品の出荷完了」のメールが届き、翌々日には無事にPixel 8を受け取ることができた。しかし、端末1台買うだけで、ここまでハードルが高いとは……。

 ソフトバンクは、LINEMOで2回線目をおすすめするアピールをしているのに、ここまでバシバシ弾かれると、回線を契約できても端末がないということになりかねない。データシェアプラスの機種変更も、ソフトバンクオンラインショップではできないため、移動機物品販売で済ませないところだが、そのハードルも高くなる。

 せめて、手持ちの回線数ぐらいは、スムーズに端末を買えるようにしていただけないでしょうか……。転売対策が大変なのは理解できるものの、少々イレギュラーになっただけで、ハードルが上がりすぎる気がした。

 また、ログイン時のユーザーインターフェイスもいただけない。普通にソフトバンク回線を持っている選択肢を選ぶと、既存回線でログインせざるをえなくなってしまうからだ。別回線のアカウントに紐づけると購入できないのであれば、あらかじめそのように説明してほしい。