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迷惑電話に困っていたら、非通知着信にPixelの「通話スクリーニング」ボタンを押すところから始めよう

【Pixel 7 Pro】

 ここ半年ほどのことでしょうか。仕事で使っているメインスマホの電話番号宛てに、自動音声のアンケート依頼電話がかなり多くかかってくるようになってしまいました。

Pixel宛てに電話がかかってきた時に表示される「(通話)スクリーニング」。そう、これが迷惑電話対策の第一歩

 仕事の名刺に電話番号を記載している以上、発表会の出席確認などでたまに電話はかかってきます。知らない番号からの電話に対して100%無視を決めこめるかといえば、それも難しい。

 そこで現実論として、番号通知されてくる電話には普通通り対応するようにしつつ、番号非通知の電話には、リアルタイムで気づいても無視するか、着信拒否することにしました。ほんのちょっとですが、迷惑電話対策を一歩進めたわけです。

 ただ、そのわずかな心境の変化が、より大きな行動変容につながりました。Pixel 7 Proに搭載されている「通話スクリーニング」機能を、かなり積極的に使うようになったのです。

 それは、非通知の番号から電話がかかってきたときのことです。どうせまたアンケートだろうと思い、着信拒否しようとしたところ、画面上に「(通話)スクリーニング」のボタンがあることに気付きました。そうだ、これはPixel スマートフォンに新しく搭載された機能のはず。非通知の番号だったら多少の礼は逸しても問題ないだろうと、その通話スクリーニングを実行してみました。

Pixelで着信中のスクリーンショット。これは謎の相手ではなく、家族からかかってきた電話ですが、「スクリーニング」のボタンがあります

 すると画面が変わり、相手方の声は聞こえないものの、画面上にはその発話内容がドンドンとリアルタイムで表示されていきます。想像通り、やはり選挙関連の自動音声アンケートだった模様。

 一応Pixel側からは「おかけになったお相手はGoogleの通話スクリーニング機能を利用しているため……」というようなガイダンス音が流れているはずなのですが、それを一切無視してただダラダラと「アンケートをお願いします」云々とまくし立ててくることが、文字起こし文から確認できました。

 この文字起こしの感覚、実に新鮮です。撮った写真をスマホの画面で見るのか、テレビの大画面に大写しにするかで全く鮮烈度が変わるように、迷惑電話を音声で聞くか、先進AIによる文字起こしで読むかでは全く印象が違うんです。

 むしろ「あ、相手方の音声アンケート装置は(全会話を録音しているのだろうが)Googleの通話スクリーニング機能が実行されているかでは反応を変えないんだ……。へー、ふーん」みたいな、謎の“上から目線”が発動するほどです(笑)。筆者が凄いわけではまったくないのに。

こちらが実際のスクリーニング結果(日付や一部文言にはモザイクをかけています)。相手の声は聞こえず、あくまで文字だけが淡々と表示されます

 この通話スクリーニング機能は、Pixelの機能……というよりはPixelスマートフォンにしかインストールできないGoogle謹製「電話」アプリのいち機能というような立て付けになっています。

 設定も基本的には必要なく、アプリの最新バージョンがインストールされていれば、電話着信中に「スクリーニング」のボタンが出るので、使いたいときに押すだけ。電話がかかってきた瞬間、そのとっさに、気分で判断すればOKです。

 ちなみに同「電話」アプリでは、かかってきた電話番号がスパムかどうか判別してくれる機能があり、これについてはオン・オフを事前に設定できます。これをみて、通話スクリーニングするのか着信中に判断するのもいいでしょう。

通話スクリーニングに関する設定は、応対音声を2種類(女性調・男性調)から選ぶくらい。着信のたびに手動で実行します
通話スクリーニング機能とは別に、スパムかどうかを識別したり、迷惑電話と思われる電話を完全にブロックする機能もあります

 リアルタイム文字起こし進行中(回線接続中)は、Pixel側から定型文で追加の質問をしたり(相手にはGoogleアシスタントによる読み上げ音声が聞こえる)、文字起こしの内容を見て本来の通話へ戻ったりすることもできます。

 これだけ聞くと「文字ベースの留守番電話みたい」と思われるかもしれませんが、少なくとも現状では手動で「スクリーニング」ボタンを押さないと文字起こしが始まらないので、使い勝手はやや異なります(米国では自動スクリーニングが可能とのこと)。

筆者の声をスクリーニングしてみた結果(左側の吹き出しが筆者の声の文字起こし)。ほぼほぼ正確です。文字起こしを見つつ、Pixel側から定型音声を相手に送ることもできます。「お急ぎのご用件ですか?」は、まさにその定型文

 そして通話スクリーニングのログは、「電話」アプリの履歴に統合されるのも大きなポイントです。たとえば迷惑電話がかかってきてから数カ月後、通話履歴を見ていて謎の番号が残っていたら、それをタップ。すると、当時の文字起こしがその場で確認できます。

 記事で説明しようとするとかなり地味な機能ですが、いや、コレは本当に気が利いていて重宝します。その場でスパム報告するか迷った番号を、後になって冷静な目で判断したりと、データに残すことによる発展性が期待できるわけです。

文字起こし内容は、通話履歴画面で後から見直すこともできます

 こうした多機能っぷりに味を占めまして、最近は非通知番号がかかってきたときだけでなく、まったく見たことがないような国番号の国際電話であったり、前述のスパム判定機能で「迷惑電話の可能性があります」と出た電話に対しては、通話スクリーニングを積極的に試しています。

 今のところは苦情も実害もなし。まぁ、本当に用があった取引先の2人~3人から、信用を失っている可能性はありますが……。ただこれだけ迷惑電話が社会問題化しているので、なにとぞご容赦いただきたく。

 もしPixelユーザーで通話スクリーニング機能を一度も試していないという方がいたら、それは本当にもったいないです。迷惑電話がかかってこなければそれが一番ですが、迷惑メールと同じでいったんエスカレートするとなかなか正常化は難しい現象です。実際、筆者はこのスクリーニング機能のおかげでちょっとですがストレスが減りました。

 かかってくる電話すべてをスクリーニングする必要はありません。筆者のようにまずは番号非通知の電話だけだったり、たまたま気が向いたときだけだったり、少しずつ始めるのも1つの手段だと思います。